NECは独SAPと「グローバルテクノロジーパートナー契約」を締結し、「SAPグローバルコンピテンスセンター」を独SAP本社内に開設した。NECは同センター内において、SAPプラットフォームソリューションの開発・検証ならびにSOAに基づく新ソリューションの開発推進などを行う。NECは同センターをグローバルビジネスの中核拠点と位置づけ、同センターに要員約10人を常駐し、順次規模を拡大していくことにしている。これによりNECグループとしてのSAP関連ビジネスを、2011年には1000億円を目指す。(08年4月18日発表)
【コメント】NECは07年から08年にかけて、SAPのERP事業について次のような一連の発表を行ってきた。
07年3月にNECとSAPジャパンは、ERP分野における協業を強化するため、戦略パートナーとして共同事業計画に関する契約を締結した。NECではこの契約締結を機に、中国・東南アジア圏に進出する現地日本企業向けのSAP導入や運用サポート体制を増強し、販売強化を行う。中国でSAP事業を推進しているNECITマネジメント(中国)などアジア地域の4社の要員数を今後2年間で、現在の200人から500人にする。
また、07年11月にはNECとSAPジャパンは、製造業向けソリューション領域において協業の強化の発表を行った。これは①「SAP NetWeaver」に精通したSAPコンサルタントの育成を行う「製造業eSOAソリューションセンタ」を20人体制で発足させる②「SAP NetWeaver」を活用し、「SAP ERP」と統合可能なソフトウエアを拡充した製造業向けソリューションを08年4月から提供開始する③RFIDと「SAP ERP」の相互活用ソリューションの開発の推進―からなる。
そして、08年3月にはSAPの中堅・中小企業向けERPパッケージ「SAP Business One」を短期間、低コストで導入できる「業種別導入支援パック」に建築/工事業および繊維業を加え、全部で7業種と充実させた。このほか、06年6月にNEC製ソフト「Obbligato Ⅱ」と「mySAP ERP」の連携、06年12月にNEC、NEC情報システムズ、SAPジャパンの3社が、製造ラインの「見える化」で協業関係を発表している。
NECとSAPジャパンは、このような協業関係を頻繁に行い、その上に立って今回のNECと独SAPとの提携関係が結ばれたことがよく分かる。もともとNECは独自ERP製品などで、製造業において多くのERPユーザー持っている。SAPとの一連の事業提携はこれらのノウハウの上に築かれたものだけに、その意味づけは他社との間に比べ、SAPにとって一層重いものになる。
いま日本の大手IT企業の大きなテーマに一つに、いかにグローバル化を推進していくかが挙げられている。これまで日本の大手IT企業は国内需要一辺倒であり、内弁慶の最たるものだった。日本の自動車産業はいち早くグローバル化を実現したのに、日本のIT産業はグローバル化にからきし弱かった。この汚名を返上するには、「SAP ERP」事業でグローバル化を図るのが最善の方法だ。その意味で今後NECが「SAP ERP」事業でグローバル化をものにして、日本のIT企業もグローバル化できることを証明してほしいものだ。(ESN)
【コメント】NECは07年から08年にかけて、SAPのERP事業について次のような一連の発表を行ってきた。
07年3月にNECとSAPジャパンは、ERP分野における協業を強化するため、戦略パートナーとして共同事業計画に関する契約を締結した。NECではこの契約締結を機に、中国・東南アジア圏に進出する現地日本企業向けのSAP導入や運用サポート体制を増強し、販売強化を行う。中国でSAP事業を推進しているNECITマネジメント(中国)などアジア地域の4社の要員数を今後2年間で、現在の200人から500人にする。
また、07年11月にはNECとSAPジャパンは、製造業向けソリューション領域において協業の強化の発表を行った。これは①「SAP NetWeaver」に精通したSAPコンサルタントの育成を行う「製造業eSOAソリューションセンタ」を20人体制で発足させる②「SAP NetWeaver」を活用し、「SAP ERP」と統合可能なソフトウエアを拡充した製造業向けソリューションを08年4月から提供開始する③RFIDと「SAP ERP」の相互活用ソリューションの開発の推進―からなる。
そして、08年3月にはSAPの中堅・中小企業向けERPパッケージ「SAP Business One」を短期間、低コストで導入できる「業種別導入支援パック」に建築/工事業および繊維業を加え、全部で7業種と充実させた。このほか、06年6月にNEC製ソフト「Obbligato Ⅱ」と「mySAP ERP」の連携、06年12月にNEC、NEC情報システムズ、SAPジャパンの3社が、製造ラインの「見える化」で協業関係を発表している。
NECとSAPジャパンは、このような協業関係を頻繁に行い、その上に立って今回のNECと独SAPとの提携関係が結ばれたことがよく分かる。もともとNECは独自ERP製品などで、製造業において多くのERPユーザー持っている。SAPとの一連の事業提携はこれらのノウハウの上に築かれたものだけに、その意味づけは他社との間に比べ、SAPにとって一層重いものになる。
いま日本の大手IT企業の大きなテーマに一つに、いかにグローバル化を推進していくかが挙げられている。これまで日本の大手IT企業は国内需要一辺倒であり、内弁慶の最たるものだった。日本の自動車産業はいち早くグローバル化を実現したのに、日本のIT産業はグローバル化にからきし弱かった。この汚名を返上するには、「SAP ERP」事業でグローバル化を図るのが最善の方法だ。その意味で今後NECが「SAP ERP」事業でグローバル化をものにして、日本のIT企業もグローバル化できることを証明してほしいものだ。(ESN)