花森えりか My Room

─愛と官能について語る部屋─

男性の言い訳

2011-04-09 13:56:50 | 男と女
 女友達と、アルコールを飲みながらお喋りしていて、あることで意見が一致したんです。
 男性って、しょっちゅう言い訳している生き物だということ。
 もちろん、女性だって、日常生活で言い訳したくなることって結構ありますけど……。
 ベッドの中で言い訳するのは、断然、男性のほうが多いということなんです。
 たとえば──。
 寂しがっている女性に、仕事が忙しいとか、遅くまで付き合いだったからとか、そんな言い訳ならまだしも……。
 肝心なのは、ベッドの中でなんです。
 前戯が始まり、やがて、肉体をひとつにして……。
 女性の性感が熱く上昇し始めて……。
 何故か、途中で男性の肉体が、たくましさを失っていき……。
 男性は必死に努力するんですけど……。
 やがて、
「ちょっと休憩だ」
 男性は身体を離して仰向けになります。
「もう、トシだな」
 なんて呟きながら、未練げに、硬度を確かめるような動作をして……。
 女性の頭の中に、いつか、誰かから聞いた〈中折れ現象〉という言葉が浮かび、それを打ち消しながら、ひたむきな愛撫をされたり、してあげたりするんです。すると──。
「素敵! たくましくなったわ!」
 男性の精力を称賛しまくり、自信を取り戻した彼は、パワフルでエネルギッシュな行為を再開して……。
 一度果てた男性が、休憩後、2度目に挑戦。
 けれど、若くないので、なかなか回復しません。この時の男性の言い訳も、
「もう、トシなんだ」
 女性を諦めさせる「トシなんだ」の言い訳を、男性は年齢を重ねるにつれ、口にしなくなり──。
 それは、口先だけでなく実感として、トシを感じ始めた証拠かもしれません。
〈中折れ現象〉になると、女体への淫らな愛撫で刺激を求め、肉体を昂ぶらせて……。
 ひとつになってからも、夢中の動きと同時愛撫に没入し……。
 そんなやり方に、女性はたまらなくなり、
「もうダメ! ねえ、ダメよう! ううン、ダメ! やめちゃダメ!」
 なんて乱れた言葉を口走りながら、繰り返し甘美な陶酔感に包まれて──。
 止まらない歓喜の声が、ようやく止んで、息も絶えだえとなった女性のセリフ。
「あなたって素敵、言い訳しない男こそ、男らしい男、男の中の男だわ!」
 ベッドの中でも外でも言い訳しない男性こそ、理想の男性ねと、女友達と意見が一致したんです。