気の向くままに、今日の話題をお届け

以前は、Gazooブログ「今日の話題は」をやっていました。
基本、忘備録的日記です。

ハイブリッド車がカタログに対して大幅に実燃費が悪いわけは?

2009-06-13 08:00:00 | 

メーカーはその理由をはっきり知っているはず。
メディアは知っていて知らないふりをしているのか、それとも本当に知らないのか・・・?

実燃費とカタログデータの差が大きすぎる事にドライバーが不満、という記事を見ました。

 

MSNニュース

 

それは前から言われている事だからそれ程気にしていない。

むしろ、何故そうなるのかを我々一般ドライバーに解りやすく解説した記事があって欲しいところだが、残念ながら(有るのかもしれないけれど)お目にかかった事が無い。

 

一番の頼みとするカー雑誌は確かに「実測結果」は出してもらえる。

しかし、カタログと実測の差については、「的を得た見解」やその「見解を裏付ける検証」に関する記事ってあったかなぁ?

そろそろ「こうでした。」だけでなく、もう一歩突っ込んでも良い頃だと思うけど(^^;)。

 

どこかにそんな記事が載っていたら、どなたか教えてください。

 

 

結局解らないから、自分なりに調べた結果は、

 

10.15モード燃費測定方法が、実際の使用状況とかけ離れている事 → 過去ログ

 

だったけど、最近更に、

 

カーメーカーはこの測定モードに合わせた「燃費スペシャル」チューニングをした車を造る事も可能

 

と言う事も教えて頂いた。

 

 

私のシエンタなんてその際たる例で、実用に程遠いこの「10.15モード燃費測定走り」をしたところで、実燃費はカタログ燃費19km/Lに及ばない。

他の車が周囲にいれば「エゴドライブ」になるほど、この走行パターンは緩慢な走り方を強いる。

通常10.15モードの走行状態より遥かに条件の良い道を走っている時だけ、その優秀な燃費を実感する事ができる車がシエンタであり、ちょっとでも条件が悪くなると途端に燃費は悪化する。

 

僅かながらの勾配があれば、それだけで十分燃費を悪くしてくれるので、アップダウンの多い地域に住んでいる私がいくら燃費を伸ばそうと工夫しても、しっかり拒否される(苦笑) → 過去ログ

 

逆に我がKeiワークスは実用での使い勝手重視のセッティングなのだろう。

カタログ燃費19.6km/Lで「最近の軽自動車のくせにそのレベルかい!?」と言われそうだが、実燃費はエコ走りに特に気を使わなくても、毎回20km/Lを越えて21km/Lに届きそう。

エコ走りをしてもなかなか燃費を伸ばせないシエンタとは対照的な車と言える。 → 過去ログ

ミッションがCVTとMTで違う事や、エンジン制御が電子制御スロットルなのか機械式なのかでも、違いが大きく出るのかもしれない。

 

 

先日はエンジンスタート時の条件こそ違うが、同じ道を走ってインサイトと燃費比較したところ、2km/L以上もインサイトを上回ったのでオーナーとしては大喜び(笑) → 過去ログ

殆ど止まらないで済む条件の良い道だったので、エンジンの排気量の差がそのまま出たのだと思う。

 

 

さて本題。

 

メディアでハイブリッド車が話題になっているが、今回紹介した記事にもあるようにハイブリッド車はカタログ燃費と実燃費の差が一般車に比べて極端に大きいと、複数のメディアが指摘している。

でも、その理由を解説してくれたメディアは、こちらもまだ見た事が無い。

 

 

 

この理由、メーカーは実情を知っていると思うけど、表には出さないよ、多分。

メディアは二通り考えられる。

 

一つは、「メーカー同様、知っているけど表には出さない」のかも。

 

何故なら、燃費の優位性が一般車に比べて減ってしまうから。

ある程度高くても燃費でそこそこ回収できる、と言うメリットが得られなくては割高感が出てしまうので、ハイブリッドが売れなくなる。

それをやっては「反エコ」なので、あえて解説しようとしない。

こっちは有りそうな話だと思いますけど(笑)

 

 

もう一つは「本当に理由がわかっていない」から。

 

評論家としてお金を貰っている人が大勢居るのだから、その人達から教えてもらえそうなものだが・・・。

その人達もわかっていないとしたら、今まで何年燃費について語っているのでしょうね。

評論家として「知らない」では恥ずかしいと思う。

知っているのなら、是非我々素人にもわかるように解説してもらいたいところw。

 

 

本来なら専門家にこの「確とした理由」を教えてもらいたいところだけど、解らないから自分の経験から推測してみましょう。

それが的を得ているか否かは、「新型プリウスの実燃費」データが公開される事よって明らかになると思います。

 

 

前々から新型プリウスの燃費に疑問がありました。

 

1.5Lから1.8Lに排気量をアップして、何故燃費が落ちないの?

 

この疑問に答えてくれたのが、他ならぬプリウス自身であり、ウィキペディアでした。

 

 

まず、三回目の登場になる、この写真をご覧いただきたい。

 

 

 

私が試乗した時のプリウスの燃費です。

コールドスタートだったので、一番左の最初の5分間は僅か11km/L程度。

一番右の最後の5分間で40km/Lを記録しています。

 

でも、これが今回試乗した時のプリウスの実燃費。

全区間同じ距離を走ったわけではないし、中間の4区間はテスト走行しているから燃費は正しい実力を示しているとは言えない。

でも、最初と最後の5分は明らかに実力を示した燃費。

 

本来なら各区間毎の消費燃料を合計して、全区間の走行距離から割ってやるのが、正しいトータル燃費なのだけど、各区間での走行距離まで測定していないので便宜上全部を足して6で割ると、22.7km/Lくらい。

 

何処が35.5km/Lだって(笑)

 

でも、最後の2つで平均取ると、31km/Lくらいになる。

 

 

ここが、ポイント。

 

ウィキペディアの 10.15モード燃費の計り方を見てみましょう。

この中に、「完全暖機状態 60km/h 15分暖機後、モード測定」とありますね。

 

つまり、今回の試乗で考えると、前半の15分3区間は、

 

どんなに燃費が悪くてもカタログ燃費として表れない部分

 

だという事。

 

 

一般の車は、この部分ではエンジンと駆動系が暖まるだけ。

でもハイブリッドは、悪い言い方をすれば「細工ができる」。

 

バッテリーの容量を大きくし、この15分の暖気区間でエンジンを2000回転で回して60km/hで走ってやればどうだろう。

同排気量のオーリスなら1000回転で走る60km/h。

その倍もエンジンを回しておきバッテリーを満タン充電させる。

オーリスは暖気状態になれば60km/hで22~23km/L  →  過去ログ

この時プリウスが10km/Lであろうとも、カタログデータには何の影響が出ないのです。

 

そして、いざ計測を始める15分後には、1.5Lの時よりエンジンを回さないバッテリー主体の制御にしてやれば、余裕でカタログ燃費を上げる事ができる(!)

 

つまり、プリウスの排気量を1.5Lから1.8Lにアップさせたところで、

バッテリーの容量を増やし事前に目一杯充電。モーターでのアシストする範囲を増やしてやれば1.5Lの時より好燃費を搾り出すことが、理論上できるわけ

 

 

事実、試乗の時にエンジンがそこそこ暖まった第2区間。

この区間ではアイドリングでエンジンは停止するのだが・・・。

50km/Lで巡航していたプリウスの瞬間燃費計はエンジンが回った状態では10km/L程度しか示していなかった。

同排気量のオーリスは20km/L以上の瞬間燃費を出しているのですよ。

つまり、プリウスはオーリスの倍エンジンを回して、バッテリーに充電し続けていた、とも言えるのです。

 

 

以上が私の試乗した結果からの推測です。

 

新型プリウスの実燃費がどのくらいのランキングに登場するか?

この推測が正しいとすると実燃費は2代目より悪い事になり、ユーザーの不満はかなりのものになると思われます。

 

大丈夫ですよね、トヨタさん?


コメント
--------これより以下のコメントは、2013年5月30日以前に-----------
あなたのブログにコメント投稿されたものです。
まめ八 [2009年6月13日 11:50]
おはようございます。
いつもながら緻密で客観的分析、大変興味深く読ませていただきました。

“新型プリウスの実燃費は前モデルより落ちる可能性がある”という分析は、EP82-SW20さんの“新型プリウスは北米市場をターゲットにしたスポーティーカーである”という持論から考えるならば至極妥当な結果であると思われます。
国内市場では“脅威的なエコ(低燃費)車”というイメージでトヨタ自身が宣伝を続ける新型プリウス。
でも、その真相がユーザーに露見した時にもたらされるものは、トヨタが社運をかけて築き上げてきたハイブリット神話の崩壊なのかもしれません。
Luxio [2009年6月13日 16:29]
こんにちは^^
お待たせしました^^;
10・15モード燃費の測定方法、シャシーダイナモによるベンチテストなので、実走行とのずれがあるのは確かです。
しかしながら、今までのプリウスの燃費の低下の原因は、高速巡行によるもので、私の経験上から申しますと、早いペースになればなるほど、数字が低下する傾向があったのは事実です^^
これは私の考えに過ぎないのですが、ハイブリッドで一番影響を受けやすいのは、熱、エアコンの使用頻度が高くなるにつれ、バッテリーの蓄電率がそれに比例して減少し、現在、使われているニッケル水素電池の放電率は、これを使う時と冬季が一番低下するので、近い将来導入されるリチウムイオン電池がどれだけの性能をカバーできるのかが注目です☆
EP82-SW20 [2009年6月13日 22:31]

>まめ八さん、こんばんは。 コメントありがとうございますw

これは「ユーザーの平均燃費」を表示している「e-燃費」のサイトを以前見て「プリウスって実燃費がこんなレベルなんだ。」とちょっとしたショックを受けていたことから始まっています。
ハイブリッドのメリットを活かせない高速道路だけの燃費ならまだしも、一般道路主体のユーザーもアップしているはずなのに「この程度なの!?」と。
すると、今回排気量をアップしているのに更に燃費が伸びているのは、私のシエンタ同様「スペシャル」があるのかなぁ、なんて勘繰ってしまった結果です(苦笑)
そして、タイミング良く試乗した時の5分間燃費表示を撮影していたので、このように考える事ができたわけです。
私はハイブリッドの実燃費の落ち込みが大きいと言う事の「納得できる事実」を知りたいのが本音ですw
EP82-SW20 [2009年6月13日 22:43]

>Luxioさん、こんばんは。 コメントありがとうございますw

まめ八さんのレスにも書いたのですが、「e-燃費」の実燃費って、「満タン計測」による燃費なので、高速主体の燃費では無いみたいです。
すると「ハイブリッド=高速燃費の落ち込みが大きい」だけでなく、一般道でも落ち込みが大きい、と言う事になるわけです。
それと、今までの10.15モード燃費測定法には、ハイブリッドには「抜け道」があるわけですよね。
まだJC08モードのコールドスタート計測がどのようなものなのか詳細は不明ですが、ハイブリッドに関しては「100%コールドスタート」にしてやら無いと、実燃費との差が詰まらない気がします。
バッテリーの効率が上がれば上がるほど「計測されない部分」での「裏技」が使えてしまう気がします(^^;)
BOSS & GON ! [2009年6月14日 2:16]
こんばんは、BOSS&GONです。
私が試乗をした時も、蓄電?が五分の一ぐらいしかされていない状態で、ハイブリッドの恩恵をあまり受けることが出来なかった。
だから、なるほど!っと合点がいきました!
GXE10 [2009年6月14日 5:01]
 コールド対ホットの比率は25:75ですので、EVモードを持つ車種の優位性は動きませんが、此の値は私が以前に紹介したサイトにも載っております。
EP82-SW20 [2009年6月16日 21:37]

>BOSS & GON !さん、こんばんは。 コメントありがとうございますw

そうなのですよ、バッテリーが充電されていなければハイブリッドの恩恵は受けられず、単なる1.8L車ですからね。
もっとも標準の1.8Lよりハイブリッド用のチューニングはされているから燃費は良いと思いますよw


>GXE10さん、こんばんは。 コメントありがとうございますw

e-燃費のサイトは紹介して頂いたと思います。
JC08モードの詳しい走行パターンとかがわかるサイトがあるとうれしいです。
GXE10 [2009年6月17日 6:23]
 排気ガス測定の副産物に留まる限りは、絶対に実走行はしないし出来ないのですから、今後JC08モードに依る表記が一般的に成ったとしても、実燃費との乖離に関して解消される事は有り得ません。

http://www.env.go.jp/press/file_view.php?serial=8668&hou_id=7645
EP82-SW20 [2009年6月18日 22:53]

>GXE10さん、こんばんは。 再度コメントありがとうございますw

URLありがとうございます。
乖離しているのは止むを得ないでしょうけど、その差の大きさですよねw
コメント
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