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縁起笑店

縁起の道も招き猫から
陶芸家猫社長のつれづれコラム
横浜の縁起村から伊豆の満腹村に移住

縁起村の超常現象

2008-04-08 | Weblog
縁起村は朝から台風並みの雨と風が吹き荒れていた。テレビのニュースではビニール傘がおちょこになったり
骨がバラバラになったりの映像が流れている。日本全国低気圧が狼藉を働いているようだ。ところが縁起村では今日の強い
雨風は違った感覚で受け取られた。
傘を開くと人々を空中浮遊へ誘ってくれる特別な気象状態が現れるめずらしい日なのだ。
朝は小学生たちの黄色や緑の小さな傘がふわふわと上へ行ったり下へ行ったりしながら学校の校門まで続いていた。
弾みをつけてマンションの3階くらいの高さまで飛んでいる子もいた。子供達の甲高い声が猫社長の家の中まで飛び
込んで来た。
この縁起村特有の不思議な現象は風が吹いたらいつでも現れるというものではない。雨と風がひょんなことで
握手したとき、東の空に緑色の細長い雲がたなびく、それが現れたときだけ傘を広げると体が地面から浮いて
ふわふわと浮かぶことができるのだ。縁起村の住人は緑色の雲を見届けるやいなや、傘を空に向けて高くかざす。
するとふわーと体ごと持ち上げて移動することができるのだった。
猫社長も雲を確認するやいなや待ってましたといそいそとこの現象と一番相性のいいケンゾーの傘を広げ買い物に
出かけることにした。途中で出会った百貫デブのガバモトさんもにこにこしながら浮いている。
細身のスネークさんはちょっと風にあおられて時々尻尾を桜の木に巻き付けてとぐろを巻いていた。
何年ぶりかなあ、以前はちょくちょくあったけど、最近は地球温暖化のせいかごぶさただった。
地球はきれいにしなくてはだめだね。でも今日は楽しかった。
                  なわけないだろ、買い物に行ってびしょびしょだ。

ぬいぐるみみたいとは?

2008-04-07 | Weblog
それは不意打ち。いつものようにピノコを連れ立って縁起村を放浪していた。犬がいるとあちらこちら
目的無しで歩くことができる。猫社長一人ならちょっと遠慮する狭い路地やマンションの駐車場、墓地の中も
入っていけるし、木にとまってぴいぴい鳴いている大量の雀を飽きもせず眺めていられる。おばさんが一人
墓地をふらついていたらやっぱり怪しいでしょ。猫社長は小さな頃から重箱の隅を突くような町歩きが好きなのだ。
今日は以前ピノコと見つけた生どら焼きを売っている新規オープンの甘味屋へ再び出むいた。とりあえず二つくらい
買ってみようとウエストバックに500円玉を忍ばせた。生どら屋は新規だけあって猫社長みたいなミーハー
気分の人たちで賑わっていた。さてピノコをどこかへ繋がなければならないな、すると隣の店が偶然にも夜だけ
オープンの店で運良くそこの竹垣にリードを引っかけることが出来た。ピノコを置き去りにして生どら屋に
入り一つ200円の生どら焼きを二つ購入。おーい、ピノコ買えたぞ、待っている風でもないピノコのところへ
近づいたまさにその時、通りがかったカップルの女の子がピノコをみて満面の笑みで発したのだ。、
「きゃー、かわいい、ぬいぐるみみたい」不意打ちだった。
苦節、ん十年、今まで飼ってきた愛犬が一度も言われたことにないまぼろしの、蜃気楼の夢の言葉。
ちびっこギャングだけど、おすまししていれば他人はそう見るか。生きてるぬいぐるみみたいなピノコ。
そういえば子供の頃、クリスマスプレゼントにもらった、ベコ、ベコってなく犬のぬいぐるみロボットに
そっくりだ。ぬいぐるみ、ぬいぐるみ、生きてる動物があってのぬいぐるみ、でも言われると悪くない。
ピノコもよかったねえ、外見のかわいさで性格の悪さを十分カバーできてるよ、美人は特ってこういうことなのね。

罪作りランキング

2008-04-04 | Weblog
将来橋の下で暮らしそうな人というランク付けetc、卒業論文にこれらをのせた学校があったらしい。
中学高校の頃はだれでもこんなランキングが大好きだ。
昔々授業中には先生の目を盗んで小さな紙切れがしょっちゅう回ってきていた。中身は誰かが書いた、だいたい
書き手は決まっていた、回覧板だ。中身はっていうと、このクラスのブスナンバー5,足の臭そうな3人とか
まあ愚にも付かないことがいつも書いてあった。
ざっと目を通したらまた紙をそーっと回す。一回だけだが猫社長もターゲットにあげられたことがあった
クラスの男ランキングナンバー5、たぶんそんな文言だったと思うけど、一位がワニコちゃんで、二位が
ミミズちゃん、そして三位に猫社長があげられていた。理由は話し方が男。そういまでもそれは変わらない。
猫社長はそれを読んだ時、なるほど他人は人の癖をよく観察しているのだなあと感心したくらいで、どうって
ことはなかったが、二位のミミズちゃんはものすごく落ち込んでいた。その傷つきかたを見ていたら、こういう罪作り
なことはしちゃいかんなと書き手に少し怒りが湧いた記憶がある。
ユーモアとか洒落とか冗談だよとかですまされないことがある。だからこそ変なランキングを一生残る記念誌に
載せるのは論外。
猫社長だって男ランキングに少しは傷ついたんだぞ。じゃない、ついたのよ。

末期高齢者保険証

2008-04-02 | Weblog
3月に猫ババに役所から届いた後期高齢者保険証、何のことじゃかさっぱりわからんと言うので訳してあげた。
えーと、75才以上のジジババは今度から病院に行ったらこれを見せること、保険料は年金からさっ引くから
郵便局へ行く手間がはぶけるし遅延したりしなくていいでしょ、でもその分保険料をあげさせてもらうね。
そんな具合かな、たぶん、と適当に説明した。猫ババはまだ合点がいかないらい。
若い高齢者が前期、年寄りの高齢者が後期なんだよ、変だけど。猫ババは惚けた顔をしている。
じゃったら後期はやめて末期にしたらええ、婆ネコはにやーと薄ら笑いを浮かべた。
後期とか長寿とか取って付けたよな苦し紛れなネーミングよりずっと現実感があるじゃろ。
棺桶片足高齢者保険、さっさとくたばれ高齢者保険、小荷物大荷物高齢者保険、猫ババは次々新ネームを
あみ出した。婆ネコは結構ブラックなのであった。

ガソリン満タン花満開

2008-04-01 | Weblog
朝からあわただしい、縁起村の満腹スタンドがリッター115円でガソリンを販売し始めたので、車が満腹スタンドを
起点に長い行列をつくっていた。車の最後尾は隣の開運村まで続いているという噂を聞きつけて、これは見に
行かねばとピノコを伴い出かけて行った。やあ並んでる並んでる、まるで渋滞の高速道路みたいだ。
プレートには東京近郊からのもあれば、千葉、埼玉、茨城ナンバーまであった。満腹スタンドは桜並木の沿道にある。
ガス入れを待つ間にお花見気分で団子を食っている運転手もいれば、ミニバンの中でお重に詰めた弁当を突いている
家族連れもいた。でも一番目立っていたのはトラックの荷台でバーベキューをしている若者達だった。
ピノコもいぶかしげに首をかしげながらそれでも涎をながしていた。
強風が桜の花びらを散らしている。バーベキューの煙を吸収したおいしい花びらをピノコが追いかけ回して
食べていた。ここで一句
ガソリン満タン花満開、猫社長見てきたようにうそをいい。