縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

PM2.5と過ごした3日間

2013-03-09 00:48:13 | 環境を考える
 今週、2泊3日で上海に行ってきた。尖閣問題に解決の兆しが見えず反日感情の強い中、さらには大気汚染の問題もあり、あまり気は進まないが仕事とあっては仕方がない。
 どうせ飛行機はガラガラだろうと高をくくっていたら、予想外に行き帰りともほぼ満席だった。航空会社が利用者の減少に減便や機材の小型化で対応した結果であるし、また僕のような犠牲者(?)が多い証拠でもあろう。乗客のほとんどがスーツ姿のビジネスマンだった。

 さて、空港に着くと早速PM2.5の洗礼を受けた。遠くが霞んで見えないのである。滑走路の向こう側のターミナルや飛行機がぼやけて見える。うーん、「霧の摩周湖」(古い?)ならどこかロマンチックでいいが、「埃の上海」は頂けない。着いた途端、気が滅入ってしまった。そのうえ強い反日感情、中国語のできない僕が無事日本に帰れるだろうか、不安が募る(勿論、無事帰って来たので、こうしてブログを書いてます)。

 では、肝心の上海の大気汚染について。ちょっと拍子抜けだったが、上海の人はほとんどマスクをしていない。マスクをしているのは、マスク好きの日本人か、バイクに乗っている人の中に稀にいるくらいだ。
 我が国のPM2.5の基準値は35マイクログラムで、その2倍の70超で注意喚起となっている。これに対し中国では、大人は100~200であれば特に問題なく、200を超えるとちょっと危ない、ということになっているそうだ。スマホのアプリで、中国当局と米国大使館(北京)・領事館(上海)発表のPM2.5の値を見られるものがあり、上海で大人気。これによると上海の値は200未満なので(僕がいた時は150!くらいだった)、中国的には安全なのである。我が国の注意喚起レベルの倍以上であるが・・・。

 僕は、テレビで「マスクを2枚重ねにし、間にウエット・テイッシュを挟めば完璧、PM2.5も防げます」というのを見て、マスクもウエット・テイッシュも買い、しっかり持って行った。が、「郷に入れば郷に従え」、結局使わなかった。日本人だとばれて殴られるリスク(これ自体低い気はするが、ゼロではない)と、喘息になったり、将来肺がんになる確率が多少上がるかもしれないリスク(2、3日でどれだけ影響があるかはわからないが、こちらもゼロではないだろう)とを天秤に掛けたとき、前者、つまり目の前にあるリスクを避けるべきと考えたからである。取り敢えず、今、痛い思いをするのは嫌だった。

 ところで、中国人も現地に住む日本人も、上海の空気が汚いのは昔からだから今さら何を、と言っていた。確かに、青空は見えないものの、外にいて咳き込んだり、息苦しかったりすることなどない。お世辞でも健康に良い環境とは言えないが、どのくらい悪いのかはわからない。まあ、変に気にし過ぎてストレスを溜めこむ方がずっと体に悪いのだろう。上海の人は、今の生活に支障がない以上、空気が汚いことを取り立てて気にしていない。楽観的というか、ある意味健康的な考え方かもしれない。
 さすが中国、4千年の歴史、おおらかなことだ。できれば領土問題についてもおおらかになってくれると有難い。中国の土地使用権は高々70年。手に入れても自分の子孫に残せるわけではないのだから、そんなに拘らなくてもいいのではないだろうか。


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