縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

“アースデイ”に想う

2006-04-25 23:57:00 | 環境を考える
 先週の土曜日4月22日は“アースデイ”、1970年にアメリカで始まった、地球環境について皆で考えようという日だ。米国は勿論、日本各地でも自然に親しんだり、環境問題を考えるイベントが行われている。因みにブッシュ大統領はカリフォリニアの自然の中でマウンテンバイクを楽しんだそうだ。

 この1970年というのは、まだまだ環境問題に対する意識の低かった頃だ。レイチェル・カーソンの『沈黙の春』は1962年に出版されたもののさほど注目されず、ローマ・クラブの『成長の限界』(1972年)はまだ出版されていない、そして日本では公害問題が深刻化していた、そんな時代である。
 こんな中、環境問題に高い関心を持っていたウィスコンシン州のネルソン上院議員が、スタンフォード大学の学生デニス・ヘイズに協力を呼び掛け、アースデイのイベントが実現した。延べ2000万人以上の人が参加した大イベントになったそうである。アースデイをきっかけにアメリカでは環境問題への関心が高まり、環境保護庁(EPA)設置や大気浄化法、水質浄化法など環境法が整備されるに至った。

 さて、今年のアースデイ、肝心の地球環境を巡る状況はあまり穏やかとはいえない。原油価格は、先週1バレル$75を突破するなど、高騰が続いている。経済原則からすれば、価格が上がると原油の需要は減るはずだが、現実はその逆である。各国の原油依存体質は変わらないし、中国の需要が急速に拡大しているからである。一方価格は、イランの核問題やナイジェリアの政情不安から供給が減少し、更には投機的な動きも加わって、大きく上昇している。残念ながら、この原油価格高止まりの構造は当分変わりそうにない。

 本来、原油価格高騰は代替エネルギーの利用促進に繋がるはずだが、原油を使う前提で成り立っている世の中では、そう簡単に進んでいない。例えば、以前紹介したガソリンに代わるエタノール。ブラジルでは普及が進んでいるが、アメリカではまだまだこれからだ。エタノールを補給できるスタンドは全米で数百箇所しかない。エタノールに対応するには、タンクなど新たな設備投資、即ち資金負担が必要だからである。
 ガソリン車の代替には燃料電池車や水素自動車もある。だが、水素の製造コストは天然ガスの2倍近くと高く、更に製造過程でかなりの二酸化炭素を排出するという問題がある。確かに水素自動車が走る際は二酸化炭素を排出しないものの、それは完全にクリーンとは言えない。

 原油価格高騰だけでは代替エネルギーの利用拡大に不十分であるなら、石油や石炭など化石燃料の利用に高い税金をかけるしかない。勿論それは日本だけでなく、アメリカや中国でも行う必要がある。しかし、ガソリン価格が今以上に上がるとアメリカで暴動が起きかねないし、中国は先進国のエゴだと非難するだろう。八方ふさがりだ。ここで一句。

 アースデイ ああアースデイ アースデイ

地球の悲鳴が聞こえるようだ。

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