縁側でちょっと一杯 in 別府

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夢に見た生活を楽しんでいます。

『環境展』で想う

2006-05-28 23:57:00 | 環境を考える
 先週『2006New環境展』に行ってきた。23日から26日まで東京ビッグサイトで行われた、おそらく環境関連ではわが国最大のイベントである。環境問題への関心の高まりからか、出展社数は552社と過去最大規模となり、来場者数も昨年の15万3千人を大きく上回ったのではないだろうか。
 テーマは“人と地球の未来を守る環境革命への挑戦”。ん、環境革命?ジャーナリスティックというか、曖昧な言葉だなと思ったら、『環境展』の主催者は株式会社日報アイ・ビーという出版社であった。包装と廃棄物の雑誌をメインとする会社だ。そのため、このイベントも以前は『廃棄物処理展』と言っていたようだ。この名前だと来場者は関係者に限られるが、『環境展』と名前を変えたことにより、広く一般の人も来るようになったことだろう。改めてネーミングの重要性を感じる。

 さて、展示は10のゾーンに分けられていた。1.NEW環境(地球温暖化対策等)、2.サーマル、3.環境測定分析・計量・IT・ソリューション、4.水環境・土壌、5.環境安全、6.収集・搬送、7.有機性廃棄物処理関連、8.バイオマスプロダクツ&環境対応の包装材・容器・新素材・再生品、9.廃棄物処理・リサイクル、10.屋外展示、である。イベントの沿革のためか、展示は廃棄物処理関連の6、7、9で全体の半分を占めているが、環境関連の技術を鳥瞰するには良い機会である。

 イベントを見た感想。同じようなことをやっている会社が多いんだな、というのが率直なところである。例えば廃棄物処理でいうと、廃棄物を粉砕する、乾燥や微生物などを用いて廃棄物の量を減らす、といった機械を作っている会社がごまんとある。展示を見る限りではどれも大差ないように思えるが、それは私が技術に疎いせいで、きっと各々特徴というか、何かウリがあるのだろう。時折、意を決して(?)質問し話を聞くと、どれも素晴らしい技術、機械のように思える。

 が、しかし、環境ビジネスの難しさというか、そもそも画期的な技術、オールマイティな技術などないのかもしれない。もしあればこれだけ多くの会社が乱立することはないはずだ。処理物の量や内容・成分などの条件に応じて適した技術や機械があるのだろう。A工場には効果があってもB工場では役に立たない、あるいは同じA工場でも処理物に変動があるため特定の機械だけでは対応できない、など。だからこそ多くの会社で棲み分けが可能になっているのだと思う。

 ところで、残念ながら廃棄物処理など環境対策は企業が積極的にお金を掛ける分野ではない。品質や生産性の向上といった収益に直接貢献するものにはお金を掛けても、環境対策は純粋なコストであり、必要最小限に抑えたいというのが企業の本音。いきおい環境関連のビジネスは価格競争に陥りやすい。技術に差がなければ尚のことである。とすると薄利多売の会社が残るのか、体力の強い会社が残るのか、のどちらかである。いずれにしろ、あまり儲かるビジネスとは言えない。
 企業が環境対策に進んで資金を投じる、消費者は環境にやさしい商品であれば高く買う、といった状況にならない限り、今回の552社の内、何社が5年後、10年後に生き残っているだろうか。良い悪いは別として、これが環境ビジネスの現実ではないかと思いながら、会場を後にした。

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