縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
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「上有政策、下無対策」が正解? ~ 中国の抱える矛盾

2013-03-16 19:52:46 | 海外で今
 今月に入って中国では北京、上海など都市部で離婚が急増しているそうだ。中国政府の発表した不動産売却益に課税する方針を受けてのことである。
 中国政府は、1日、不動産バブルを抑制し、投機目的の不動産取引を防ぐため、次の二つの規制を打ち出した。一つは、不動産を複数所有する人が物件を売却する場合、売却益に対し20%の税金を課すというもの。もう一つは、2軒目の住宅を購入する場合の住宅ローンにつき、必要な頭金の比率を引き上げ、かつ金利を高くするというものである。
 ただ、この制度は世帯単位で適用されるため、究極の抜け道があった。そう、離婚である。離婚して夫婦の各々が不動産を所有する形にすれば、売却しても20%の課税を免れることができる。勿論、不動産を売却し、税金なしにお金を受け取った後で再婚する手筈となっている。まあ、中には大金を手にし、新しい愛に走る人もいるかもしれないが。

 計画倒産は聞いたことがあるが、計画離婚なんて聞いたことがない。中国には「上有政策、下有対策」(上に政策あれば、下に対策あり)という言葉がある。自分さえ良ければ、お上が何と言おうと関係ないということだろう。中国恐るべしである。

 もう一つ「上有政策、下有対策」の話を。あの一人っ子政策にも抜け道があるという。先日上海に行った際に聞いた話である。農村で多く行われている、出生届けを出さず戸籍外で子供を育てるというのとは違う(これはこれで大きな問題であるが)。
 それは、海外で子供を産むという裏技である。アメリカやカナダなど出生地主義を採る国で出産すれば、中国人の子供であってもその国の国籍を取ることができる。外国籍であれば一人っ子政策の対象にはならない。だから二人以上の子供のいる中国人家族が結構いるらしい。兄弟で国籍が違うのもざらとのことだ。

 しかし、上の二つはいずれも金持ちだけが使える「対策」である。一生働いても家を買えない人は多いし、死ぬまでに一度も海外に行けない人だっている。いったい、その他大勢の一般庶民にどんな「対策」があるのだろう。中国の貧富の差は絶望的に大きい。マルクスが今の中国を見たら、これは共産主義ではないと、きっと嘆くに違いない。
 臭いものに蓋をするではないが、中国は衛星放送やインターネットなど海外からの情報を厳しく監視、制限している。政府に都合の悪い報道になると衛星放送は切れるし、ネットに対する中国の規制はご存じの通りである。中国でfacebook、twitter、YouTubeなどは使えない。上海で試してみたが確かに接続できなかった。裏技を使えば見ることはできるが、その裏技に対する当局の対応も厳しくなっているようだ。

 「上有政策、下有対策」もいいが、皆が対策を取れるものであって欲しいと思う。が、そもそも、簡単に対策、抜け道を考えられるような政策自体、如何なものかと思う。


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