映画『タイタニック』で有名な女優ケイト・ウィンスレットが、リー・ミラーの才能や生き様に興味を持ち、制作、自ら主演した映画である。
VOUGE誌などのトップモデルからファッション写真家へ、そして報道写真家へと転身したリー・ミラー。その間には公私ともにパートナーだった写真家マン・レイをはじめ、ピカソやダリなど芸術家との交流もあった。彼女は第二次世界大戦中、従軍記者として戦争の悲惨さ、残酷さを数々の写真に残している。
この映画は、ファシズムが台頭する1930年代後半から1945年のドイツ降伏まで、報道写真家、特に従軍記者としてフランスやドイツで撮影したリー・ミラーにスポットを当てている。
舞台は第二次世界大戦中のヨーロッパ。リー・ミラーはアメリカ人であるが、当時イギリスに住んでいた。開戦当初のナチスドイツの勢いは凄まじく、フランスは陥落、イギリスも風前の灯火の状況である。そんな中、リーはVOUGE誌のカメラマンとなり、戦渦のロンドンの状況や軍に従事する女性の写真などを撮るようになる。リーは次第に前線で何が起きているかを撮りたいと思い、従軍記者を希望する。が、当時のイギリスは男性優位の権威的な社会であり、女性は前線に送れないと拒否される。が、そこでめげないのがリー。英軍がダメでも米軍ならと無事従軍記者となり、ついにヨーロッパ上陸を果たす。
彼女がカメラを向けるのは、女性や子供などの弱者、時代に翻弄された人々、強制収容所の悲惨な状況などである。人が簡単にいなくなり、その行方は分からない。強制収容所で人が無残に殺されていく、人が壊れていく。リーはそれを写真に収めた。これが今ヨーロッパで起きている事実であり、それを皆に知って欲しいと。
正直、見て楽しい映画ではない。だが、戦争という極限状況の中で何が起きたかを知るには見るべき映画である。ナチスドイツの人を人とも思わない残虐な行為、権威の前に盲従する人々、普通の人でもタガが外れると極端な行動に走ってしまう怖さ、等々。
この映画は第二次世界大戦前後の話であるが、不思議と今の時代と似ている。ロシアによるウクライナ侵攻やイスラエルによるガザ侵攻といった戦争だけではない。極右、あるいはポピュリズムの台頭もそうだ。人は歴史から何も学ばないのだろうか。そんなことを考えさせられた映画である。
VOUGE誌などのトップモデルからファッション写真家へ、そして報道写真家へと転身したリー・ミラー。その間には公私ともにパートナーだった写真家マン・レイをはじめ、ピカソやダリなど芸術家との交流もあった。彼女は第二次世界大戦中、従軍記者として戦争の悲惨さ、残酷さを数々の写真に残している。
この映画は、ファシズムが台頭する1930年代後半から1945年のドイツ降伏まで、報道写真家、特に従軍記者としてフランスやドイツで撮影したリー・ミラーにスポットを当てている。
舞台は第二次世界大戦中のヨーロッパ。リー・ミラーはアメリカ人であるが、当時イギリスに住んでいた。開戦当初のナチスドイツの勢いは凄まじく、フランスは陥落、イギリスも風前の灯火の状況である。そんな中、リーはVOUGE誌のカメラマンとなり、戦渦のロンドンの状況や軍に従事する女性の写真などを撮るようになる。リーは次第に前線で何が起きているかを撮りたいと思い、従軍記者を希望する。が、当時のイギリスは男性優位の権威的な社会であり、女性は前線に送れないと拒否される。が、そこでめげないのがリー。英軍がダメでも米軍ならと無事従軍記者となり、ついにヨーロッパ上陸を果たす。
彼女がカメラを向けるのは、女性や子供などの弱者、時代に翻弄された人々、強制収容所の悲惨な状況などである。人が簡単にいなくなり、その行方は分からない。強制収容所で人が無残に殺されていく、人が壊れていく。リーはそれを写真に収めた。これが今ヨーロッパで起きている事実であり、それを皆に知って欲しいと。
正直、見て楽しい映画ではない。だが、戦争という極限状況の中で何が起きたかを知るには見るべき映画である。ナチスドイツの人を人とも思わない残虐な行為、権威の前に盲従する人々、普通の人でもタガが外れると極端な行動に走ってしまう怖さ、等々。
この映画は第二次世界大戦前後の話であるが、不思議と今の時代と似ている。ロシアによるウクライナ侵攻やイスラエルによるガザ侵攻といった戦争だけではない。極右、あるいはポピュリズムの台頭もそうだ。人は歴史から何も学ばないのだろうか。そんなことを考えさせられた映画である。