特殊相対性理論・電磁気学・数学

物理の暗黒面や面白い問題など。

とある2つの数列 An, Bnの差が指定されたとき、最小の nを求める

2021-12-23 03:16:51 | 解析(極限・数列)

1.まえがき

 下記のような数列の問題があった。
 数列 {An} を
    An=[√n] ([ ] はガウスの記号)
 つまり、

    1,1,1,2,2,2,2,2,3,3,3,3,3,3,3,4,4,・・・
 とし、数列 {Bn} を
    1, 2,2, 3,3,3,  4,4,4,4, ・・・, m,m,・・・,m (m個並べる), ・・・ 
 とする。

 このとき、Bn-An=6 となるもののうち、最小の nを求めよ。

2.計算

 これらの数列の値を nで指定するのは困難なので、逆に数列の値が mとなる nを求める。
 する

    An=m → n=m² ~ (m+1)²-1 ・・・・・・・①
 である。Bnについては Bn=mとなる最後の nは
    1+2+3+・・・+m=m(m+1)/2
 となる。また、Bn=m-1 となる最後の nは、m(m-1)/2 だから、その次の項が Bn=m なので
    Bn=m → n=m(m-1)/2+1 ~ m(m+1)/2 ・・・・②
 となる。

 したがって、An=m のとき、Bn=m+6 となる n を求めればよい。つまり、②で m → m+6
 とした
    n=(m+6)(m+5)/2+1 ~ (m+6)(m+7)/2 (Bn=m+6) ・・・・③
 の nと②の nが同じになればよい。したがって
    m², (m+1)²-1 と (m+6)(m+5)/2+1, (m+6)(m+7)/2 ・・・・④
 の交点のうち、mが最小のものを選べばよい(nは mに比例するから)。すべての交点を
 計算すればよいが、面倒のためグラフから、2、3番との交点を求めればよい。すると
    (m+1)²-1=(m+6)(m+5)/2+1 → 2m²+4m=m²+11m+32
     → m²-7m-32=0 → m=(7+√(49+4・32))/2≒10.1 (負は除く)
 となる。
 
 mは正の整数だから最小のものは m=11 となり
    An=m=11 で ①から n=121~143
    Bn=m+6=11+6=17 で ③で m=11 として n=137~153
 となる。したがって、この An, Bn の nで重なるものは
    n=137~143
 であり、最小は

    n=137
 となる。



3.検討

 Bn-An=6 となるものは mによっていくつもある。上では最小を求めたが、最大の nは
 ④の1、4番の交点を求めればよい。
    m²=(m+6)(m+7)/2 → m²-13m-42=0 → m=(13+√(13²+4・42))/2≒15.6
 となる。

 mは正の整数だから最大のものは m=16 となり
    An=m=16 で ①から n=256~288
    Bn=m+6=16+6=22 で ③で m=16 として n=232~253
 となる。この An, Bn の nで重なるものは無い。

 そこで、m=15 とすると
    An=m=15 で ①から n=225~255
    Bn=m+6=15+6=21 で ③で m=15 として n=211~231
 となる。したがって、この An, Bn の nで重なるものは
    n=225~231
 であり、その最大は

    n=231
 となる。

 このとき、最小の場合は mを切り上げ、最大の場合は切り捨てとしたのは、mの範囲が
 図のひし形な内部となるから。

以上



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