Box of Days

~日々の雑念をつらつらと綴るもの也~ by MIYAI

No More Lonely Nights

2007年06月14日 | diary
 えっと、ポールばかり聴いている。お出かけのお伴にポール。部屋でのくつろぎにもポール。いつもの耳元に『Memory Almost Full』。ま、他のも聴いてるはいるけど。昨日だとドノヴァンとかキンキー・フリードマンとかドニー・フリッツとか。でも、いたってポール・マッカートニーな日々ではある。

 昨日は微妙に体が疲れてるくせに、頭の方は冴えてしまって、うまく眠れなかった。ゆっくり休みたくて0時30分にはベッドに入ったのに、ちっとも眠れない。1時が2時になり2時が3時になり、このままでは3時が4時になるなぁと思ったところで、おもむろにむくっと起き出し、ポールの『All the Best』をターンテーブルにのせた。なんとなく気分でB面からスタート。“No More Lonely Nights”からスタート。

 体が確実にリラックスしていくのがわかった。

 ポールの声はとても自然で、いたわりがあって、心地よく僕の体をほぐしていく。こういうことって、ビートルズやポール・マッカートニーじゃないと、僕の場合、あり得ない。ビートルズやポールの歌は、いわば帰るべき家であって、いつも待っていてくれる家族のようなものだ。これまでずっと一緒にいたから、僕のことならなんでもわかっているし、なんの説明もいらない。僕はベッドに戻って、目を閉じた。ポールの歌声が、真っ暗な部屋をあたたかく満たしていくのを、ただ聴いていた。“Silly Love Song”、“Let'em in”、“C Moon”とつづき、“Pipes of Peace”が終わると、針の上がる音がした。部屋は歌の余韻を残したまま、本来の静けさを取り戻した。僕は小さな息をひとつ吐いた。まどろみがやってきて、そのまま意識は薄れていった。

 そして、今朝も同じようにポールを聴いている。『All the Best』を、でも今度は最初から。で、やっぱり小さな息を吐いてたりする。ポールが求めた安らぎは、僕らが求めるそれと、きっと一緒なんだろうなと、ふと思ってみたりする。似てるんじゃないかなと。

 “No More Lonely Nights”を始めて聴いたのは、中学3年のときだった。僕は塾に行く前に発売されたばかりの『Give My Regards to Broad Street』を買い、塾から帰ってから、居間のステレオの前に座って、ヘッドフォンをして、買ったばかりのこのレコードに針をおろした。イントロが流れ、一拍おいてから、ポールの声が聴こえてきた。それは信じられないほどいい曲だった。僕はひどく興奮してしまい、「これは絶対にナンバー・ワンになる!」と、たまたまその場に居合わせたお袋に宣言した。でも、“No More Lonely Nights”がナンバーワンになることはなかった。結局、たいていのことって、そういうものなのかもしれない。でも、“No More Lonely Nights”はいい曲だ。今でも信じられないくらいにいい曲だと思う。