観賞植物としても人気のあるアジアンタムの仲間
■先日、白田の山で色々なシダの勉強をしました。
その中の一つ、「ハコネシダ」。
さわさわ~~~とゆれる可愛らしく柔らかい葉が特徴の
『ヴィーナスの髪』 の別名で呼ばれている
アジアンタムの仲間です。
■日本が鎖国し、外国人が長崎出島に隔離されていた時代、
彼らが日本国内を旅できる唯一のチャンスは
オランダ商館長の江戸参府の時だけ。
しかも、商館長、書記、医師の3名だけだったそうです。
元禄3年(1690)、
長崎に着いたドイツ人博物学者ケンペルは
翌年の1月、江戸参府に医師として随行し
三島から箱根を越え、小田原から江戸に入りました。
途中、箱根山でこのハコネシダに出会い、
そのほか数多くの植物といっしょに
彼の著書「廻国奇観」によって
世界に紹介され認められた植物の一つなのです。
■ハコネと名前がついていますが
箱根だけに分布するシダではありません。
全国に生育するシダですが
数は減っているとの事。
ハコネシダに限らず、
自然の植物は生まれて育ったその場所にあるから美しい。
300年前に
ケンペルたちが見たハコネシダやそれを取り巻く自然。
現在と、どれほど変わってしまったのだろうか。
それとも、所によってはあまり変わっていない?