ここではないどこかへ -Anywhere But Here-

音楽・本・映画・サッカーなど興味の趣くままに書いていきます。

DOWN TOWN/エポ

2007-11-07 05:43:15 | 音楽
エポの旧作も紙ジャケで一新されている。
デビュー作。Sugar Babeの「Down Town」をカヴァーしている。
なんだか初々しい。エポはデビュー当時は体育大学の学生だったということからしても、とても素直な溌剌としたイメージがあった。
特に初期の作品群からはそうした健康的な雰囲気が感じられる。
その後はいろいろと紆余曲折があり、彼女自身ポップで健康的なイメージを払拭したような作品を出していた時期もある。
そのことで彼女自身が苦しんでいたふしもある。
例えば、ユーミンや矢野顕子みたいに若いときから変質しない一貫したものを持っているアーティストは、時代に対してのしなやかさがある。
ところが、初期のエポのような若さだけが持つフィジカルな側面がキャラクター・イメージになるとつらい。
素直なだけにどうにもならなくなる。
だから、近年のエポがフィジカルとは声そのもの、歌そのもののと捉えて向き合っていることは、
ある意味で必然的というかそれこそがエポだという気がする。
そしてファンとしてはそういうところに行き着いたことになんだかほっとさせられるのだ。

ほとんどを自作曲で占めているが、「約束は雨の中」や「珈琲タイム」のような曲は
やはり19才の女の子が背伸びして書いているといった感がしなくもない。
今本人が聴くとどう思うのだろう。やっぱり気恥ずかしいものなのだろうか。
一方で、「日曜はベルが鳴る前に」や「水平線追いかけて」ミディアムな曲には才能を予感させてくれる。

若い可能性を導いているのは、山下達郎、竹内まりや、林哲司、林立夫といった職人たち。
高校の後輩でもある若い佐橋佳幸も参加している。