ここではないどこかへ -Anywhere But Here-

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ギター・ワークショップVOL.1/憲司、香津美、勝敏&潤史

2007-11-01 23:03:25 | 音楽
このアルバム、結構昔から知っていたのだけど、どういうわけかアナログ盤に遭遇する機会を逸していてずっと聴けずにいた。
先日CDショップで再発されているのを見かけて思いがけずゲット。
こういうものは縁なので、見かけたときに買っておかないと次はいつめぐり合えるか分からない。

今は亡き大村憲司、渡辺香津美、森園勝敏、山際潤史という個性的なギタリストたちが一堂に会したコラボレーション・アルバム。
異色の組み合わせ、四人四様の個性を楽しむことができる。77年の録音。

森園勝敏。知る人ぞ知る「四人囃子」の元メンバー。
日本が誇るプログレバンドだった四人囃子を脱退後は、もう少しポップな方向に舵を切りフュージョンよりの音作りも多い。
このアルバムでは、どこかコミカルな雰囲気も漂わせている。

大村憲司は「赤い鳥」のメンバーだった。卓越したテクニックで早くから注目されたギタリストである。
YMOのサポートメンバーとしてプレイしていたこともある。
矢野顕子や大貫妙子といった人たちのバックでもバックを勤めており、歌心のあるギタリストだった。
このアルバムでもエモーショナルなプレイを披露している。またこのセッションでは坂本龍一が参加している。
98年、残念ながら50歳の若さで早世してしまった。天才といっていいミュージシャンだった。

現在も精力的な活動を展開している渡辺香津美のことを初めて知ったのはYMOのツアーメンバーとして参加したときだったと思う。
その後に発表されたアルバム『トチカ』はかなり話題になっており、当時私もよく聴いた。
一聴するだけでそれと分かる個性を持ったギタリストだ。

山岸潤史。関西ブルースを代表するギタリスト。それだけにこのメンバーの中ではちょっと異質な存在だろう。
The Young Rascalsの「Groovin'」を選曲しているところが面白い。
日本でも随一のRascalsフリークである、山下達郎をコーラスに招いており非常に興味深い1曲だ。

それぞれが2曲ずつを持ち寄り、最後はPeter Framptonの「I'm In You」を全員でコラボレーションしている。
このあたりの遊び心にも余裕を感じる。

今はなかなかこういった企画もののアルバムは出ない。
好事家受けするような、なんともいなたい企画。こういうものは秋の夜長にひとりで酒でも飲みながらこっそりと楽しむのだ。