江戸観光案内

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聖坂

2014-03-22 | まち歩き

聖坂は三田に在る坂で、「ひじりざか」と読みます。「聖(ひじり)」というのは、寺院に所属せずに、日本各地を旅して修行をしている僧のことで、その中でも高野山を本拠とする聖のことを高野聖(こうやひじり)といいます。聖坂は、高野聖が開き、その宿所があったために、こう名付けられたと言われています。


鬼平犯科帳(九)「本門寺暮雪」(池波正太郎著、文藝春秋)の中には、長谷川平蔵が労咳の知人を見舞うために、馬に乗って聖坂を上る場面が登場しています。坂の上には済海寺というお寺があり、平蔵は聖坂を上りきったところで、その門前に、かつての剣友で、現在は乞食坊主になり下がっている井関録之助の姿を見付けます。


済海寺は、安政六年(1858年)の日仏通商条約により、日本で最初のフランス公使館が置かれた場所で、その公使館は明治三年(1870年)まで使われました。


聖坂が登場するその他の作品

  • 鬼平犯科帳(二)「お雪の乳房」(池波正太郎著、文藝春秋)
  • 鬼平犯科帳(二十)「助太刀」(池波正太郎著、文藝春秋)
  • 鬼平犯科帳(二十一)「男の隠れ家」(池波正太郎著、文藝春秋)

聖坂 東京都港区三田3-4-11
都営浅草線三田駅から約250m 徒歩約4分


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聖坂


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聖坂を上りきったところに在る済海寺


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