江戸観光案内

古地図を片手に江戸の痕跡を見つけてみませんか?

三田八幡

2014-04-05 | まち歩き

赤穂四十七士の墓所が在ることで知られる泉岳寺。その名が付いた京浜急行泉岳寺駅から国道15号に沿って三田駅の方に歩いてくると、左手に鳥居が在ります。ここが三田八幡、現在の御田八幡神社です。創祀は和銅二年(709年)の古い神社で、通称は八幡様。現在地に遷座したのは寛永五年(1628年)のことです。
本殿は、鳥居の先に在る二十段程の石段を上ったやや高台に建ちます。ここから下に見下ろす国道15号はかつての東海道で、大雑把に言えば、ここが昔の海岸線です。本殿を背に立てば、目の前には東京湾が広がる風光秀美な場所として江戸の頃には知られていました。前回、聖坂のところで御紹介した済海寺とは地図上では隣どうしです。しかし、実際には、切り立った崖が三田八幡と済海寺との間を遮り、簡単に行き来することは出来ません。地形的にも面白い場所です。


三田八幡は、鬼平犯科帳(十六)「見張りの糸」の舞台となる場所です。長谷川平蔵の密偵・相模の彦十が知人を訪ねて品川に行った折、盗人・稲荷の金太郎を偶然発見します。彦十が稲荷の金太郎を尾けていくと、稲荷の金太郎は三田八幡門前の茶店・大黒やに入っていきます。平蔵はここが盗人宿だとにらみ、見張ることにします。


三田八幡(御田八幡神社) 東京都港区3-7-16

京浜急行・都営浅草線泉岳寺駅から約400m 徒歩約5分


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