江戸観光案内

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小伝馬町牢屋敷

2011-04-16 | まち歩き

捕物帳の類は犯人を暴くか捕まえるまでが重要で、犯人が牢獄に収監されてからを書くというのは、いじれる部分の自由度が低いだけに小説にしづらい題材だと思います。そうした中で、藤沢周平先生の「獄医立花登手控えシリーズ」(全四巻、講談社)は、牢屋敷で働く医者と牢に入れられている罪人達との間で巻き起こる事件を書いた、他の時代小説には無い設定の異色の作品です。

この小説の主人公・立花登が働いていた牢屋敷は、現在の東京都中央区小伝馬町の、大安楽寺、身延別院、十思スクエア(旧十思小学校)、十思公園を含む一帯の地に在りました。江戸時代に入牢した者は数十万人を数えると言われ、その中には安政の大獄で捕らえられ命を落とした吉田松陰も含まれていました。

ちなみに大安楽寺は刑死者の慰霊のために大蔵財閥の大蔵喜八郎と安田財閥の安田善次郎により寄進され創建されたお寺ですが、大蔵喜八郎は堀部安兵衛と同じ、越後・新発田の御出身です。


小伝馬町牢屋敷が登場するその他の作品

  • 藤沢周平著「石を抱く」(竹光始末に収録、新潮社)
  • 藤沢周平著「冬の日」(花のあとに収録、文藝春秋)
  • 藤沢周平著「浮気妻」(よろずや平四郎活人剣(上)に収録、文藝春秋)
  • 川田弥一郎著「雪の足跡」(江戸の検屍官に収録、祥伝社)

十思公園 東京都中央区小伝馬町5-2

東京メトロ日比谷線 小伝馬町駅5番出口からすぐ


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十思公園(小伝馬町牢屋敷跡)


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