江戸観光案内

古地図を片手に江戸の痕跡を見つけてみませんか?

不忍池

2011-08-27 | まち歩き

不忍池(しのばずのいけ)は上野動物園の南側に位置する周囲2km程の池です。人工的に造られた土地や河川が多い江戸の町ですが、不忍池は天然の池であり、そのため、どの年代の地図にも今と変わらぬ位置に不忍池が描かれています。とは言え、寛永寺が建立された際に、不忍池を琵琶湖に見立てて池の中に島を築き、弁財天を祀る等、古くから人の手により整備されてきた歴史を持ち、昔も今と変わらず大都会の中に存在する池として人々と関わってきたようです。明治時代には、池の北側の一部が埋め立てられ、不忍池を周回する競馬場が作られました。古地図と現代の地図を比較すると、埋め立てられた場所は、現在の上野動物園の西園が在る場所のようです。


不忍池は時代小説の中では水茶屋や出会い茶屋が多い場所として書かれることが多く、池波正太郎著「ないしょないしょ」(剣客商売番外編、新潮社)の中で主人公のお福が奉公することになる倉田屋半七の住まいと、棟続きの水茶屋「倉田屋」も不忍池に面した場所にあると書かれています。作品中の設定では「倉田屋」は不忍池の北畔にあることになっているので、そうすると、先に述べた現在の上野動物園の西園辺りということになりそうです。


不忍池が登場するその他の作品

  • 池波正太郎著「狂乱」(剣客商売(八)に収録、新潮社)
  • 池波正太郎著、剣客商売(十)、「寒頭巾」「名残の雪」の章、新潮社

不忍池(上野恩賜公園内) 東京都台東区上野公園二丁目

JR・東京メトロ銀座線・日比谷線 上野駅から約400m 徒歩約5分

東京メトロ 湯島駅から約160m 徒歩約2分


Dsc_7859


最新の画像もっと見る

コメントを投稿