橋本治とナンシー関のいない世界で

「上野駅から夜汽車に乗って」改題
とうとう橋本治までなくなってしまった。
平成終わりの年にさらに改題してリスタート。

いまさらながら、モーニング連載「ひまわりっ」を読め!

2009-12-28 10:51:36 | Weblog
ここ7、8年週刊モーニングを読み続けているにもかかわらず、
不覚にも東村アキコの「ひまわりっ」を読みとばすという愚挙を犯しておりました。
気づいたのは11月頃。以来、単行本で後追い。
なのに、連載終了まであと1回!!!
もっと早く気づいて、工作員(ひまわりっを拡める工作員)として工作活動に加わりたかった!

特にアラフォーの猿渡副主任にハマっております。
アル中(アルフィー中毒)、かつて同人誌サークル経験有り(萩尾望都リスペクト)!
もたいまさこ似、かつ親分肌。リーダーと呼ばれてます。

その猿渡副主任と、秘書課で元ヤン今巻き髪の蝦ちゃん(35歳)が毎回繰り広げる
宇宙の闇を覗き込むかのような妄想トークがすごい!
一見どうでもいい些末な日々の出来事の中に人間の普遍的な真理を見いだす
神のごとき作業としか思えません(褒め過ぎ)。
くだらないことの中にこそシリアスがあるのよー(嘘←どっちなんだ!)。
ブラックホールに吸い込まれるような快感です。

ニュースをもっと身近に分かりやすくとか、
神は細部に宿るとか言ってクリエイティブ気取ってる奴らは「ひまわりっ」を読んで欲しいですね。
自分の職場でのトークが物足りなくって、「ちっ」と舌打ちしそうになること請け合い。
あの脳みそ100万回転の緊張感で会話すれば、
日々心地よい疲労感を得て、よく眠れるんじゃなかろうか。
もちろん、そんなことになった場合、
客観的には、おかしな人の集団に見えることも保証します。
ちなみに、今週発売のモーニングでも、来週の最終回を前に、
「信頼関係」(副主任と蝦ちゃんと男子社員黒木のコントユニット名)暴走しまくりです。

こんなに「ひまわりっ」にはまっている私は、
副主任の中にナンシー関の批評性さえかいま見てしまっています。
ナンシー関が表のナンシーなら副主任は裏ナンシーって感じ。
また、東村アキコの(漫画の)中に岡崎京子を(1%くらい)見てしまうのですが、
それも、私がアラフォーおセンチ世代なせいでありましょうか?
メディアの世界のどこにも、
ナンシー関的なものや岡崎京子的なものを見つけることができない今、
東村アキコは、この上記2人と同様な意味で共感できる作家となってしまいました。

で、このところ「ひまわりっ」単行本を鬼読みしていたら
おそろしいことに、先日街中で副主任が私に憑衣してしまいました。

友人らとの会食後、一人まったりとファーストフード店でコーヒーを飲んで雑誌を開いとった時のこと、
カウンターの隣に座っていたサラリーマンらしき若者に突然話しかけられたのでございます。
最初は普通に、「近くに遅くまでやってる本屋ないですか」と聞いて来たのですが、
丁寧に情報を教えてやったところ、なんとそいつが調子に乗って自分探しの物語を語り始めたため
「私は君の親じゃないんだよ」と説教かましてしまいました。

普通ならそんなの「あっ、すいません、ちょっと時間ないんで・・」とか言って席立つんでしょうが、
その若者が発した「“結果出してる人”はやっぱ尊敬しますよ」の一言で火がつき、
「結果出すって一体どういう意味で言ってるんだ」とつい噛み付いてしまったのが失敗でした。
年の暮れ、1年間の疲れが相当溜まりまくってる私です~エクボの秘密あげたいわ~♪ふー。

友人によれば、それは新手のナンパではないかということでしたが、
そんなのにしか声かけられない私は、もはや伝道師にでもなったほうがいいかもしれません。
「ひまわりっ」的に言えば、黒木が副主任に声かけて
「僕の職場、目標にできる人がいないんですよ」(実際にその若者が言った言葉)と
相談かましてるような感じですよ。
周囲の客から見れば、私も一括りで変な人だったに違いない。
あーあ、とほほほほほほ・・・(涙)。
ちょっとリフレッシュして新年迎えねば。

あーあ、とにかく「ひまわりっ」は殺伐とした現代社会におけるバイブルですよーだ。
説明不足で分からないこともいっぱいあったと思うので、
とにかく「ひまわりっ」読んでみて下さい。
三国志オタのウイング関先生(あらためリンリン)など強烈キャラ満載です。
年明けのモーニングが最終回です。
ひまわりっ ~健一レジェンド~(13) <完> (モーニングKC)
東村 アキコ
講談社

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