橋本治とナンシー関のいない世界で

「上野駅から夜汽車に乗って」改題
とうとう橋本治までなくなってしまった。
平成終わりの年にさらに改題してリスタート。

飴細工 作品も凄いが、実演見なきゃ!(改訂版 補足訂正あり)

2010-05-26 02:43:40 | 谷根千・上野浅草・下町
最初にアップした記事に、説明不足の点および訂正がありましたので、追加補足しました。
最初の記事を読んだ方、ご確認ください。申し訳ありません。

補足:賞味期限についての記述が夏場のみのものだったので、冬場のものも追加しました。   
:VTRの最後に出した価格表示は、わくわく感謝祭の時の特別割引価格でした。    
店舗での価格は別になります。価格についてはVTR上のテロップで説明を追加。
訂正:VTR中で、色をつける食紅は8色としていましたが、正しくは7色です。    
8つ食紅の瓶が映っていますが、一つは水が入っています。

<以下、追加補足訂正後>
22、23日の土日、谷中、千駄木にまたがるよみせ通り商店街に、一箱古本市が出店し、私も一箱自分の古本を出店した。 この両日、よみせ通りはわくわく感謝祭というイベントが行われ、チンドン屋が繰り出したり、富くじがあったり、フリマでの古着販売や手作りカレー、学生による大道芸、さらには谷中名物の肉屋のメンチ、おなじみのコシヅカハムの生ハムやハムかつに集まる人、などなど大盛況で、特にお天気のよかった土曜日の人では結構なものだった。 翌日曜はあいにくの雨で、人出もまばら、私の古本の売れ行きもさっぱりだったのだが(ほかのお店は売れた方もいました。出してる本のセレクトの問題ですよね)、そんな中で、子供たちの人気を集めていたのが、一箱古本市のお隣で店を開いていた飴細工屋さんだ。


店の前は子供用の小さい傘の花が咲いたよう。 いろんな色の動物たちが、職人さんの手と一本のちいさな握り鋏だけで作られていく様子をじーっと見つめている。 その様子は大人が見ていても「すごーい」と手を叩きたくなるものなのだが、子どもはことさら「すごーい」ものに正直だ。 真っ白くてやわらかい飴の丸い固まりに、8色ある食紅を使って色を入れ、捏ねればどんな色でも作り出せる。 職人さんは、子供達に「オレンジ色は何色と何色を混ぜれば作れる?」と話しかけながら飴細工を作っていく。 真っ白い飴が捏ねられるにつれて、いろんな色に変わっていくさまを、子供達は目を輝かせて見ている。その姿を見ているだけでも嬉しくなってくるのだけれど、まんべんなく色の広がったアメの丸い固まりが、握り鋏一つでいろんな動物たちに変わっていく作業が始まると、私たち大人も、子どもに返ったように真剣なまなざしでじっと職人さんの手元に見入ってしまうのだった。 細工に使う飴は、柔らかさを保つため最初80℃くらいに熱せられている。 その熱~い飴を鍋の中から一塊掬い出して、冷えて固まるまでの間に素早く形を作らなければならない。 その間3分~4分ほど。ウルトラマンのカラータイマーほどの短時間勝負だ。 また、この80℃の飴にちゃんと触れるようになるまで1ヶ月かかったと、今回の職人さん加藤さんは言っていた。 あちっ、あちっと思いながら、きれいな形をたった3分ほどで作らなければいけないなんて・・。1回1回が真剣勝負だ~(汗)。 その真剣勝負を見ていて、私が最もグッときたのは、動物の足を作っていくときの鋏さばきだ。 例えば、ひよこの3又に別れた足先を、ちょきちょきっと切り目を入れて指でクイっと曲げると一瞬で、ただのアメが足に変わる。その角度が絶妙。(ひよこ以外の別の動物を作る時だったかもしれないが)かかとの辺りに鋏でちょこっとくぼみを入れるだけで、リアリティがグッと増すのには、その技術の奥深さに感動した。   こういう技術って、マウス一つで動かせるパソコンのシステムがさまざなまプログラミングを経て作られているように、長年の職人の経験や発見が幾層にも重なって、一つの鋏さばきに昇華してるんだろうと思う。単純なようで実は複雑。表面は一見つるつるでも、顕微鏡で見ると実は細かい網の目があるようなそんな感じだ。だから感動するんだろうし、誰でも出来そうでなかなか出来ない。とにかく、そういう技を見せられると、人は目が離せなくなる。 それで、古本市の店先で呼び込みをしながらも、ついついお隣で飴がいろんな色の動物に変わっていく様をじっと観察してしまった。 ついでに、子供たちのいい顔も相まって、すごーく幸せな気分になった。 今回出店していたのは「あめ細工 吉原」さん。常設の店舗が地元千駄木にある。 あめ細工の実演は、そのお店の職人の加藤妹子さん。 ホームページを見ると、動物だけでなく、他のいろんな作品の写真なども掲載されている。また、今回ここで掲載できなかった、目を輝かせて飴細工実演を見つめる子供たちの写真も満載。

「あめ細工 吉原」ホームページ

ものすごく手が込んで、ずっと取っておきたくなる作品もあるのだけれど、アメという素材は、湿度や熱で変化する。夏場なら、普通に部屋に置いておいて1ヶ月くらいが美味しく食べられる賞味期限。暑くて湿度が高いと少しずつ溶け出しちゃうのだ(冬場なら2ヶ月くらい。湿度と温度の低い所なら数年大丈夫とのこと)。 そんなはかない芸術ということも魅力ではあるけれど、溶けてきちゃったら食べればいいじゃない、美味しいよ!というところもいさぎいい。もったいなくて食べられないと言ってる我々大人を横目に、隣では小さい子供達が、買ってもらったカブトムシやひよこやハムスターを惜しげもなくペロペロなめている。子どもってなんてかっこいいんだろう。 アメ一つで執着やいさぎよさなんてことまで考えてしまった、休日の飴細工実演なのであった。 吉原さんのHPによれば、飴細工の起源はなんと796年東寺建立の時の供物にまでさかのぼるらしいから、日本の伝統技術としては半端じゃない。伝統あるものこそアバンギャルドだったりパンクであったりするものよのお・・と感慨もひとしおである。昔から作られてきただろう、うさぎや鳥の形でも、It's so cute!!!なのだもの。キティとかわらんぞえ。 では、最後に、私のために作ってもらったドラゴン(龍)のアメ細工の実演をVTRでご覧下さい。飴を鍋から取り出して形が出来上がるまでは3分40秒ほど、その後、目を入れて、乾かして完成です。  当日現場に行くまで飴細工屋さんが隣に来る事を知らなかったので、急遽Iphoneで撮影。縦長の画面ですがご容赦くださいませ。


作って下さった飴細工師の加藤妹子さんは、飴細工を初めてまだ1年。師匠について修行中だそうです。 更なる作品に期待です! 飴細工についてや、「あめ細工吉原」さんについてはホームページに詳しいのでそちら(上記)をご覧下さい。 飴細工師と言われる人は国内に20人ほどしかいないそうなので、どなたか弟子入りしてみてはいかがでしょうか?

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