ごろりんブログ

雫石鉄也のブログ

サボテン・ブラザース

2023年02月27日 | 映画みたで

監督 ジョン・ランディス
出演 スティーブ・マーティン、チェビー・チェイス、マーティン・ショート
アルフォンソ・アウラ、パトリス・マルティネス

 映画の面白さは普遍的なモノといえる。面白い映画はどこの国で観ても面白い。でも、普遍的でないジャンルもある。喜劇コメディだ。例えば「男はつらいよ」シリーズはフランスではうけたらしいがアメリカではうけないだろう。逆に外国製喜劇コメディ映画が日本でヒットしたという話しは寡聞にして聞かない。この映画はその外国製コメディである。おおもとには黒沢の「七人の侍」がある。
 山賊の掠奪に悩むメキシコの村。村長の娘と村の少年が山賊をやっつけてくれるガンマンを探しに町にやって来た。酒場に入ったがだれも相手にしてくれない。それどころか娘は乱暴されそうになる。逃げ込んだ教会で映画をやっていた。3人の勇者が悪もんをやっつけて報酬さえ受け取らない。「正義が行われたことが報酬だ」10万ドルを返す。娘はこれを現実とかん違い。この3人に村を助けてもらおうと電報を打つ。
 凄腕の用心棒たちがやってきた。7人ではない3人だ。勘兵衛や菊千代、クリスやヴィンはいない。派手なメキシコの衣装を着たスリーアミーゴスという3人組。この3人、用心棒でもガンマンでもない。撮影所をクビになった俳優たちだ。映画の撮影とかん違いしてメキシコの村へやって来たというわけ。50人の山賊がやって来た。彼らは本物の悪もん。持ってる銃には実弾が装填されている。さあ、どうする。
 かん違いにかん違いが重なって、ニセ者が本物と対峙して騒動が巻き起こる。三谷コメディのようだが、随所にちりばめられたくすぐりが、もひとつ滑っているように感じた。ジョークをいった本人たちは大笑いしているが、面白くもなんともない。小生は高校生のころからの上方落語ファンで、長年、上方落語を愛好しているから「笑い」には敏感なつもりだが、この映画に笑えるところはなかった。