暗闇にレンズ 2020年11月15日 | 本を読んだで 高山羽根子 東京創元社 街中にカメラがあって映像があふれている現代。映像といえばのぞきからくりか、せいぜい幻灯器ぐらいしかなかった明治時代。この過去と現代を入れ子のように組み合わさってできた作品だ。 明治の横浜、娼館夢幻楼の娘嘉納照は単身渡欧。パリで映像撮影技術を学ぶ。照の養女未知江、未知江の娘ひかり、その養女ルミ、女4代、映像にかかわり続けた嘉納家の女の年代記。「映像」を芯に壮大な大河小説のようなおもむきがある。 « 暴虎の牙 | トップ | 2020年の阪神タイガース... »