ごろりんブログ

雫石鉄也のブログ

帰らざる河

2022年04月20日 | 映画みたで

監督 オットー・プレミンジャー
出演 マリリン・モンロー、ロバート・ミッチャム

 ハリウッドを代表するアイドル、というよりアメリカ人男性の永遠のアイドルといえばマリリン・モンローではないだろうか。金髪碧眼メリハリのあるボディ。アメリカ人美女の代表。ではあるが、小生、マリリン・モンローといえば、カラダと顔は一級品だが、おつむの中はからっぽという偏見を持っていた。で、この映画を観て、モンローを見直したしだい。
 旅をする西部劇である。西部劇の旅といえば馬での旅だが、この映画は違う。イカダで急流下りをするのである。小生もいろんな西部劇を観てきたが、急流下りをする西部劇は初めてだ。
 マットは別れていた9歳の息子と再会し町はずれで農業をやっていた。川をイカダで下る男女を救助する。女は酒場の歌手。男はギャンブラー。女ケイは息子マークに親切にしてくれていた。男はマットを殴り倒し馬と銃を取って逃げた。その後アメリカ先住民たちが襲ってきた。マット、マーク、ケイはイカダで逃げる。
 お目当てのマリリン・モンローはイカダに乗っているときは、美脚をジーンズで包んでいたが、酒場で歌う時は美脚を披露してくれる。だからモンローの魅力を堪能することができる。マリリン・モンロー、かようなビジュアルだけの女優ではないな。なかなかのうまい女優さんだ。酒場の芸人という境遇から足を洗いたい。いちるの望みを金鉱のオーナーになったという男に託す。ところが、この男、どうもいかさまギャンブラーでろくでなし男のような。そんな男に頼ってでも今の生活からぬけだしたい。マットが男を殺すというのを、なんとか止めて、いかさま男を説得しに行く。このあたりのしっかりしつつも哀しい女ごころが良く表現されていた。
 この映画を観て思ったのは、アメリカは銃と馬でできた国だ。馬が車に替わっただけで、今のアメリカは西部と変わらない。いくら乱射事件が起きて大惨事になっても、まったく懲りないのだ。