ごろりんブログ

雫石鉄也のブログ

人生の特等席

2020年05月11日 | 映画みたで

監督 ロバート・ロレンツ
出演 クリント・イーストウッド、エイミー・アダムス

 クリント・イーストウッドが、監督をせず、久しぶりに俳優に専念した映画である。「グラン・トリノ」でみせてくれた老年のイーストウッドの当たり役、偏屈頑固なじいさんを楽しめる作品だ。
 ガス・ロベルはアトランタ・ブレーブスのベテランスカウト。今まで何人ものプロ野球選手を発掘してきた。そんなガスも年老いた。前立腺肥大でおしっこも出にくくなった。目もかすんでよく見えない。でも、引退する気はさらさらない。
 きょうもドラフト1位候補の高校生の強打者を見に地方の試合を見に行く。ガスの妻は娘が6歳の時に死んだ。その娘ミッキーは成人し有能な弁護士だ。
 その娘が久しぶりにガスのもとにやってきた。目も見えにくくなり、すっかり年おいた父を心配するが、この父娘はなにかと確執がある。
 プロ野球のスカウトを続けるか引退するか、弁護士として事務所の経営者に加わってキャリアをアップさせたい娘、それぞれの人生の岐路に立たされた父と娘の老人と成人となってからドラマだ。
「荒野の用心棒」や「ダーティハリー」のイーストウッドもかっこいいが、年取ったイーストウッドもしぶくてかっこいい。