Ambivalent Blog

e-Tetsuによる「アート」と「釣り」の生活誌

ロボットは人間へ、人間はロボットへ

2004-07-28 | ◆ビジネス
ソニーはロボットへの応用を目指して、人工知能の研究所を設立した。一方で、RFIDを体に埋め込む技術が実用化しようとしている。

ロボットの外見が人間に近づけば、人間にも両者の区別が難しくなり、またロボットにもロボットとRFIDを埋め込んだ人間が見分けられなくなっていくかもしれない。人間が生物からより非生物的なものへ近づいていくなかで、人間は改めて人間としてのアイデンティティを考えることが必要であろう。

ナノテクの恐怖

2004-07-27 | ◆ビジネス
つい先日、ナノテクのもたらすビネフィットを綴った本について感想を書いたが、そこにリスク面の記載がほとんど無いのが気になっていた。ところが今日、ナノテクのリスクに関する記事に出くわした。そこには恐ろしいことが書いてある。例えば、

「しかし現在、ナノ業界の大半はナノ粒子を扱っており、
どんな危険があるのかわかっていなくても、その製品は
すでに市場に出回っている」 とか

「ナノテクでは多くの利益が期待できる――製品の品質
向上から、疾病の新たな治療法の可能性までさまざまだ。
しかし、こうした利益には危険も伴っている。しかもそ
の大部分は未知なのだ。」

人間は、持って生まれた視力によって基本的には生きてゆける。その能力を上回って小さいものを見ることにより、更に新しい可能性を開いていくことが可能になる。それが今はナノの単位に至り、原子・分子を操作して新しい物質の生成が可能となりつつある。

しかし、そこに伴うリスク面はビジネスの論理のみによって無視されてはならない。これはクローン人間と同様の倫理的問題であるように思う。これまで存在しなかった物質を分子・原子レベルで作り上げることの、地球環境への影響というものをしっかり見据えるべきであろう。

その問題の深刻さがどの程度なのか自分の知識ではわからないが、直感的にも実に異常なことであると感じるのである。

ブログだから可能になるナレッジシェアの形

2004-07-26 | ◆ビジネス
ブログの企業ユースが注目を集めつつある。その使い方にも社内での情報共有と社外とのコミュニケーションというのがあると思う。しかし、企業がブログの利用を考えるとき、その特徴に注目すると面白い。

ブログの主体は第一に個人である。各人が自分のブログを立てるわけだから。そして、その個々人が特定のテーマについての関心を通じて繋がっていく。一方、掲示板やナレッジマネージメント・ツールなどはテーマが先にくることが多い。あるテーマが設定されて、そこに皆が書き込んだり、あるいは情報を載せたりする。同報メールもやはり、テーマありきだ。

しかし、テーマが先にくるとハードルが高くなる。そのテーマを熟知していないと最初の一歩が踏み出せない。一方でブログは個人が最初に来るので、その人が書きたいテーマでスタートできる。つまり、最初の一歩のハードルが低い。

それゆえ、企業内においては、より幅広いコミュニケーション・ネットワークを張ることが可能になるはずだ。一方、社外とのコミュニケーションいおいても、会社からの情報発信という命題が緩み、個人からの情報発信という感覚になる。それによって、これまでとは異なる形で網目のように企業外の顧客や潜在顧客とのネットワークがはれるようになるだろう。

ブログの企業ユースにおいては、その特徴を捉えたうまい活用法を考えたいものである。また、既存のコミュニケーション媒体との競合関係、補完関係をしっかり把握することも重要だ。

RSSリーダーで思うこと

2004-07-26 | ◆ビジネス
トミーさんのRSSの企業利用に関する記事に触発されて。RSSはPull型のメディアを目指すという話、もっともだなぁと思いました。RSS配信を企業やニュースサイトが行うと、まずRSSリーダー上で読んでみたいなと思わせることが出来なければ、自分のサイトに読者を引っ張ってくることが出来ません。

RSSリーダーを使っていると、大量の情報がごちゃまざになって配信されてくるため、文字の大小も無く、均質なタイトルと概要で全ての記事が勝負することになります。ある意味、あるメディアや企業が与えようとする重み付けがそこには見られないのです。新聞紙面であれば、大きな見出し記事を使うことで、その媒体が重要だと考えているものが判ります。しかし、RSSリーダーでは、読者が重要だと思ったものしかクリックしません。むしろRSSリーダーに繰り返し現れるキーワード、つまり話題になっていそうだということで、その重要性を判断するかもしれません。

ブログのメディアとしての力が注目を浴びていますが、RSSはマスメディアがこれまで行使してきた影響力を弱体化させ、マスが主体となった相互的影響力というものを生み出しつつあるように思います。

迫るADSL、NTTのジレンマ

2004-07-25 | ◆ビジネス
ADSLのスピードが50メガまであがる。100メガの光にはまだ届かないし、基地局から離れたときの速度低下という問題もある。とはいえ、そのスピードの向上には目を見張るものがある。

一方のNTTは、先週の日経新聞の特集にあったように、グループ間で重複するビジネスを持っており、必ずしも効率的とは言えない状態が続いている。光に経営資源を集中したいところだが、グループ企業間での競合、ADSLそのものの強化などにも追われ、なかなかそうもいかないようである。

どうなる、光? NTTは光でマーケットを奪い返すのか、それともADSLと同じようなことになるのか。