ヒゲ社長の徒然日記

(有)西工務店ヒゲ社長の、華麗で無謀なチャレンジ物語

透明ガラスと型ガラス  vol.131

2012年02月29日 | 住まい

今日で2月が終わるというのに、相変わらず曇天の日が続き、気温も低い日が続いているここ斐川町。

昨日の朝は、空気までバリバリと音を立てるほど、凍り付いていましたね。

野ざらしマイカーのビッツ君は、霜で真っ白にお化粧していましたが、見るからに寒そうでしたよ。

そろそろ、カーポートなんぞでも考えてやらなきゃ、いかんぞなもし!(何処の人ですか?)

などともくろんでいるヒゲ専務ですが、皆さんは何をもくろんでいますか?

しかし、幾ら山陰の冬とはいえ、もう少しお天道様にお目に掛かりたいものです。

時たま晴れ間が覗くと、太陽の光がとても愛おしく感じてしまうのは、けっして私だけではないのでしょうね。

さてさて、その光を室内に取り込んでくれる窓に取り付けられている窓ガラス。

このガラスは、大きく分けて2つの種類が有りますよね。

一つは、外が丸見えの透明のガラス。

そしてもう一つは、ガラス表面がざらざらしていて、一般的にはスリガラスと呼ばれている、外の見えないガラス。

私達は、前者を透明フロート板ガラスと言い、後者を型板ガラスと呼んでいます。

透明ガラスは、文字通りトーメイなのでなんの抵抗もなく、光はストレートに入ります。

一方、型板ガラスは光が屈折して入るので、ものの形が見えにくくなるように作られています。

でも、その型板ガラスについては、勘違いされている方が多いように見受けられます。

窓の打ち合わせ中に「透明ガラスは明るくて良いけど、型ガラスは暗くなっていやだわ~」とおっしゃるのです。

でも、先に書いたように、光が屈折して入ってくるだけなので、決して光量が減るわけでは無いのです。

確かに、透明ガラスの光のように、ストレートに部屋の奥まで入り込むわけではありません。

しかし、紫外線や熱をともなった光の量は、透明と一緒なので、物置や納戸などの場所に取り付ける窓は、大きさに注意が必要です。

特に、紫外線は物を劣化させたり、色あせなどの変色を引き起こしたりします。

いろんな物をしまい込んである物置に付いている窓が大きければ、カーテンなどで入り込む光の量を調節してやったほうが、良いようです。

もちろん、窓は風を採り入れたりする時には重要な役割をするので、無いよりは有った方が断然良いに決まっています。

大切なのは太陽との位置関係により、窓の大きさを考慮しないといけないと言うことなのです。

決して、何でも大きければいいだろう、などとは思わないで下さいね。

ちなみに、昔から使われているスリガラスは、透明ガラスの表面に傷をつけていますので、どうしても強度は落ちてしまい、割れやすくなるのです。

最近見かけなくなったのは、それが原因の一つでも有るのです。

デモたまには、ガラスの表面が好きにデザイン出来るので、あえて使うこともあるんですよ。

ガラスの特性や、窓を設置するときの注意点については、もう少し書いてみたいので、次回に続けます。

お楽しみに!!


バランスの良い家を   vol.130

2012年02月21日 | 住まい

週末から降り出した雪が、日曜日の朝には、お久しぶりの30センチ近くの積雪となりましたね。

せっかくなので運動不足解消にと、雪かきをしたまでは良かったのですが、身体中が悲鳴を上げているヒゲ専務ですが、皆さん悲鳴あげていませんか?

昨日朝の冷気でガチガチに凍ってしまった残雪が、相変わらず田んぼを白く覆っているここ斐川町。

先程出かけていった出雲市内のリフォーム現場の中庭には、屋根から落ちてきた雪で、小山が出来ていましたよ。

日陰なものですから、しばらく溶けそうになく、職人達もやりにくそうで、ちょっとかわいそうでしたね。

それにしても、出雲地方でこれだけの積雪は、本当に久しぶりなのですが、今回の雪は割と軽い感じでしたね。

と言っても、これだけの雪の重さに耐える屋根や柱は、もちろん丈夫な作りにしておく必要があります。

当然柱を支えるコンクリートの基礎だって、丈夫でなければ意味がないのは、皆さんだって想像できるでしょうね。

最近であれば、床下全面に鉄筋の入ったコンクリートで基礎をする、ベタ基礎と呼ばれている工法が有ります。

屋根から柱に伝わり、地面に降りてきた荷重を、床下全面で支えようと考えられた工法です。

小さな面で受けるより、大きな面で受けてやった方が、より大きな荷重を支えることが出来るからです。

新しい団地の中に建つ新築のお家は、ほとんどこれだと思って良いでしょうね。

しかし、増改築などのリフォーム現場では、必ずしもそれが良いわけでは有りません。

それは、構造強度の明らかに違う工法を、同一の建物で採用することで、力のバランスが崩れることが有るからです。

私達がリフォームするお家は、20年以上経過している建物がほとんどです。

そのころは、床下全面コンクリートのベタ基礎ではなく、軸組となる柱や壁の下部分だけに基礎をする、布基礎工法が主流でした。

それでも、鉄筋さえちゃんと計画して入れておけば、十分強度は確保できるのです。

要するに、今残っている部分が布基礎であれば、増築部分もその工法で作った方がバランスの良い「一軒の家」となると思っています。

もちろん、状況により部分的にでもベタ基礎が適している場合だって有りますから、まずは専門家のヒゲ専務に相談しましょう。

あっ、いやっ、こ、これでも一応専門家なんですけど・・・。

では又っ!!


 高級感のある「来待赤瓦」 vol.129

2012年02月15日 | 住まい

ぐずついたお天気が続くここ斐川町。

昨日も今日も、大社町内での窓の交換工事を延期してしまったヒゲ専務ですが、皆さん延期してませんか?

更に、今夜から再び寒気が入り込み、肩をすぼめて歩く日が又しばらく続きそうですね。

1階の屋根に足場を掛けない限りは、工事の出来ない2階の窓の交換工事。

足場を掛け終わるまでは、雨で瓦が濡れていては屋根の上が歩けないため、工事が出来ないのです。

島根県西部の石見地域で生産されている石州瓦の事は、今まで何度かここでも書きましたよね。

それくらい私達とは関わりの深い、数少ない地元産の建築資材と言って良いかも知れません。

その石州瓦には、もちろん幾つかの種類と、幾つかの色があります。

大まかな種類としては一般的な和瓦と、それ以外の洋瓦といったところでしょうね。

それぞれに見合った、単色や多色など独特の色が施されています。

でも、その色によって幾らかのクセが有るのをご存じでしょうか?

今回は特に、私達が最もよく使っている、和瓦について説明して見ましょう。

最初に触れたように雨で濡れた瓦は、滑りやすくはなるのですが、色によって随分危険性が変わるのです。

最近一番多く見かけるし、私達が最も多用しているのが、銀黒の色です。

つや消しになっているので、見た目にも優しく、なおかつ滑りにくくなっています。

もちろん、危険性は有りますので、濡れたときに瓦の上を歩くのは、避けた方が無難なのは間違い有りませんけどね。

次に見かけるのは、西部の石見地域に多い赤色の瓦と、東部の出雲地域で多い黒色の瓦ですが、滑りやすさについてはほぼ同じです。

遠くから見ても、ひかり具合で何となく解りますよね。

でも、危険性だけで見た時にトップなのは、独特のツヤと光具合を見せてくれる、来待赤と呼ばれる色の瓦です。

斐川町の東隣町でもある松江市宍道町来待で産出される来待(きまち)石。

その成分で釉薬を作り、焼き上げた赤い瓦が「来待赤」と言うカラーなのです。

この色の瓦は、濡れていなくても滑りやすく、よほど注意して歩かないといけません。

でも、独特の色具合だと書きましたが、かなり高級感のある、奥の深い色だと個人的には思っています。

赤色と言ってもかなり渋めの赤で、その上透明感があり、光の当たり具合によって虹色に変化するのです。

もちろんその分、他の瓦より若干値段も「高級感」なんですけどね。

ちなみに、工事を予定していた大社町のお家は、黒色の瓦でした。

今週唯一、傘マークの付いてない明日こそ、勝負ですぞヒゲ専務!

ってことで、では又っ!!


この寒さ、衝撃の事実!  vol.128

2012年02月07日 | 住まい

この数日は、すっきりとした青空を見たことが無く、何となく紫外線に飢えた感じのここ斐川町。

今日の空も、どんよりとした厚い雲に覆われ、底冷えとまでは行かないまでも、寒々とした一日でしたね。

そんな寒さと、インフルエンザの脅威から逃れるために、ず~っと怪しいマスク姿のヒゲ専務ですが、皆さん怪しくないですか?

幸い我が家も、そして我が社も、ウィルス攻撃にはさらされておらず、このまま春まで持ちこたえて欲しいものです。

それにしても、今年の冬は全国的にも積雪の多さと、気温の低さが特徴的ですよね。

そんな寒いある日の午後に、寒さ対策を相談したいと、とあるご家族が来社されました。

それは、長年お付き合いをさせて頂いているお客様の、息子さん家族でした。

一昨年の冬に、某ハウスメーカーが十数年前に建てた中古住宅を購入されたそうです。

しかし、その年の冬も、もちろん今年の冬も、寒さがつらくてたまらないのですが、どうしたらよいでしょうか?と言ったご相談でした。

確かに十数年前には、ハウスメーカーが坪二十数万円で家が出来ますと、激しい価格競争をしていた時代でした。

さすがに今は、そんな無茶を言わなくなりましたが、当然その価格では断熱材もろくに入っていない設定なのです。

それでも、安さに惹かれて建てた方もかなりあったようですが、そうとは知らず中古で買った人にとっては、住んでみないとわからない、衝撃の事実!と言ったところなのでしょう。

いくら中古住宅と言っても、土地付きであれば小さな金額ではないのは想像できます。

もちろんその支払いをしながら、更に断熱工事で家中リフォームをするのは、予算的に無理があるからのご相談でした。

しかし、よくよくお話を聞いてみると、一階には畳敷きの和室が有るにもかかわらず、2階の寒いフローリング床の部屋を寝室にしているとのこと。

更に、布団が汗で濡れるのがいやで、床面にスノコを置き、その上に布団を敷いて寝ているとか。

(でもこれでは、布団の廻り全てが冷たい空気に晒されていることになるのですが・・・)

その理由は、昨年の梅雨の時期に和室でダニの発生が有った経験から、幼い子供達の健康を考えてのことだそうです。

しかし、よく考えてみて下さい。

2階の部屋よりは一階の方が、明らかに外の影響を受けにくい筈ですよね。

2階が上に乗っかっている分、外気に直接触れる壁や天井の面積は、確実に一階部分の方が少ないのです。

もちろん、床下にだって幾らかの風がながれるよう設計されているのですが、和室なら畳が床下断熱材の役目を、しっかりと果たしてくれます。

さらに、一般的に、和室の窓には障子が建てられていますよね。

たかが障子の紙一枚と思われるかも知れませんが、十分に断熱効果は有りますし、汗や水蒸気を吸い込む調湿作用も、畳と一致協力してやってくれます。

私としては、一階の和室を寝室にするのが最善の策と思いますが、いかがでしょう?

ただ、昼の間は布団を上げ、出来るだけ寝室の扉を解放してやり、畳や布団、そして障子の紙が吸い込んだ水分を、放出出来るような環境を作ってやればいいのです。

一手間掛かることは間違い有りませんので、大変かも知れませんが、子供さんのためにもがんばってみて下さい!

と、わかりやすいよう時間を掛けて、そんな話をしてあげました。

それならお金を掛けずに出来るのでやってみますと、いつの間にか雪で真っ白になった道を、家族みんなで仲良く帰って行かれましたよ。

そう言えば、今は高校生となった私の娘は、小学校4年生まではお父さんと一緒に眠るのが大好きでした。

そのころは、湯たんぽ代わりの娘の体温で、掛け布団一枚だけでも、冬の寒さなどちっとも感じなかった事を思い出しましたよ。

ん~~あのころが懐かしい!!

あっいや、もしかしてこれを、娘が読んだらタダじゃ済まないだろうな~とおびえつつ、今夜はこれにて!

では又っ!