ヒゲ社長の徒然日記

(有)西工務店ヒゲ社長の、華麗で無謀なチャレンジ物語

屋根上の雪対策 vol.122

2011年12月24日 | 住まい

ふと気が付けば今年も残すところ一週間となりました。

今更ながら、加齢とともに月日の駆け抜ける早さを感じてしまい、ちょっと焦り気味のヒゲ専務ですが、皆さん焦っていませんか?

いつものことではありますが、年賀状は書けてないし、家の片づけは出来てないし・・・

まっ、マイペースと言うことで、最後の二日間に勝負を掛けようともくろんでいますが、成功した試しが無いのは事実ですけどね。

そう言えば先日、年末恒例になった仙台のリンゴが届きました。

一週間前妹が、実姉である妻に「今年はどうしよう」とメールを送って来たのです。

もちろんそれは、福島の事故による放射能汚染を心配してのことでした。

私は迷わず「こんな時だからこそ、絶対送ってもらえよ」と妻に言っておきました。

一年間、一生懸命育てたリンゴを、風評被害で廃棄さざるを得なくなっては、リンゴ農家がかわいそうですものね。

届いたリンゴ箱の中には、「安全宣言」と書いた、検査済みの紙切れが一枚のせてありましたよ。

リンゴは甘くておいしかったよ~~!

負けるな東北!ガンバッ!!

さてさて、今回のテーマは「屋根上の雪対策!」で行きましょ。

ここ斐川町もご多分に漏れず、温暖化の影響で雪が積もることが少なくなってきました。

でも、記憶に新しい、昨年末の大雪による国道9号線の大渋滞と言った事も有りましたね。

そんな大雪でなくても、一面真っ白になるくらいの雪は、この地域では一冬に何度かあります。

その雪で困るのは、屋根につもった雪の、雪ズリ被害。

特に最近、住宅団地の中に立つお家は、コストの削減からか総2階の形が多いように見受けられます。

屋根に用いられている材料は、なんと言っても瓦が多いのは以前も書いたとおりです。

様々な形状の瓦には、それぞれ形は違えど、なんらかの雪止めがつけられています。

しかし、その雪止めで完全に雪ズリが止まるかと言えば、結構難しかったりするんですよね。

高い2階の屋根から、雪止めの隙間をすり抜けて落ちてくる雪に、困惑された方もあると思いますが、いかがですか?

そんな時に重宝するのが、瓦の先端に取り付ける雪止板です。

これであれば、雪の大小にかかわらず、ズリ落ちるのを完ぺきに止めてくれますので安心です。

ぐぐっと伸びる2連ハシゴを延ばして屋根に上がり、軒先の瓦とその上の瓦の2枚をめくります。

屋根板を支えている5センチ四方のタルキの位置を探し出し、そこにL型の金物を、瓦の先端より板厚分だけ出した位置に打ち付けます。

そして、瓦を元に戻し、瓦とL型金具の隙間に木製の雪止板を差し込み、ビスで止めていくのです。

この時の板は私の経験上、風雨にさらされても傷みにくく、なおかつほどほどに軽く作業性の良い、米ヒバ材がベストではないかと思っています。

しかし、この作業はとても危険を伴いますので、毎日の作業が常に屋根の上であるという、必ず専門の瓦屋さんにお願いしましょう。

よい子と良い大人は決してまねしないで下さいね。

でも、危険性を伴わなかったり迷惑でない雪であれば、さっさと落としてやった方が、屋根のためには良いんですけどね。

おっと、気が付けば外は雪・・・

では又っ・・・っじゃ無く、メリークリスマス!!


「感激のリフォームドラマ」よりも・・・  vol.121

2011年12月10日 | 住まい

この一週間くらいで急に冷え込んだここ斐川町。

冷たい雨と冷たい風と時折降る雪に、身も心も凍えそうなヒゲ専務ですが、皆様いかがお過ごしですか?

きのうのはそんな寒い中ではありましたが、本日お引き渡しの終わったF様邸の完成撮影会を行っていましたよ。

3日前に、検査機関であるハウスプラスさんの完了検査も無事終わり、最後の調整をし、一昨日はハウスクリーニングをかけて、昨日の完成撮影会となりました。

ミゾレが降り続き、寒風の吹き荒れるとっても寒い一日だったおかげで、床暖房の体験会も兼ねた撮影会となってしまいました。

詳しくは弊社のスタッフブログ、岩田君担当で報告しています。

ぜひぜひ覗いてみてくださいね。

今回の工事は、キッチン含めた水廻り全般のリフォーム相談から発展した、主屋部分の建て替え工事。

当初は、私達の得意な「水廻りリフォーム」を勧めていく予定でした。

確かに、北側に突きだしたその部分は、若干の増築でもすれば、十分リフォームに耐えうる面積を有していたのです。

しかし、東側に車庫兼物置があり、その2階には息子さんの部屋が、西側には増築された2階建ての部分があり、ご夫婦とお嬢さんの部屋が有ったのです。

そして中央の主屋部分には、玄関含めた客間と老人室が配置されていました。

現地調査を終え解ったのは、50年以上前に建てられた台所を含めた主屋部分は、全体の建物自体が低く抑えて造られていたことと、生活動線の長~いこと。

そして基礎構造が飛び石工法であり、もちろん耐震性など皆無であること。

また、斐川町に点在する田舎の家にありがちな、老人室は客間の北にあり、北風にはさらされるのに、風が通ら無い間取りであったこと。

更に軒先が低くいため、自然光が部屋の奥まで届かない構造となっていること。

それらの条件をクリアし、皆さんに喜んで頂けるリフォームが果たして出来るだろうかと、何度も思案しました。

しかし検討の結果、水廻りリフォームと同時に、年老いた両親の部屋を快適にしてやって欲しいというお客様の要望を達成するには、かなりの無理があると感じたのです。

リフォームは、難しいから楽しいんだと私は良く話をします。

しかし、それはプランニングをする私達の自己満足ではいけないと、常々感じてもいるのです。

見た目の奇抜さや派手さを追求してしまいがちな「感激のリフォームドラマ」も良いかも知れませんが、家は長く住み続けるもの。

それを前提にして考えないと大切なご予算を、建築屋の自己満足リフォームで浪費してしまいかねないのです。

だからこそ時には、建て替えという大胆な提案もしないといけない時も有ると言うこと。

決して、リフォーム屋が楽をするために、建て替えの方向に走った結果では無い事を、ご理解頂ければと思います。

結果、お客様には大満足して頂き、ご老人達にも好評であったことが、何より嬉しく感じます。

では又っっ!


この崖を登り切れば・・・ vol.120

2011年12月02日 | 住まい

寒い北風が吹きすさび、どんよりと雲に覆われた天気のここ斐川町。

きのうの雨は冷たさを感じさせ、小さな氷の粒も入ったミゾレでしたね。

これからしばらくは「山陰地方」を地でいくような天気が続くようで、ちょっと憂鬱気味のヒゲ専務ですが、皆さんはいかがですか?

実は、憂鬱気味なのは天気のせいだけではなく、プランニングを初めて2週間が過ぎても、いっこうにまとまらないリフォームプランのせいでもあるのです。

お客様には先程、スランプ気味の言い訳を書いた「ご免なさいメール」を送ったところです。

山の頂きは何となく見えているのに、もがいても叫んでも、手も声も届きそうで届かないって、こんな時もあるんですね。

まだまだ勉強不足と、天のお声が聞こえてきそうで、人生捨てたモンじゃないな!と、感じているところです。

だって、この壁を乗り越えれば、この崖を登り切れば確実に、また新たな自分に出会えるんですもの。

ちょっとワクワクしませんか?

さてさて、前回の続きを少し。

古くて揺れる家は危険な家かと言えば、決してそうではないのですが、屋根をリフォームしたときには注意が必要と書きましたね。

それでは、一般住宅の屋根の素材としては何があると皆さんはお考えですか?

茅や藁を乗せた草葺きの屋根は、めっきり姿を見なくなりましたね。

代わりに、鉄板の屋根や、薄いセメント板のようなスレート系の屋根も多く見られるのが最近の傾向では無いでしょうか。

でも、島根県であれば、県内の西方、石見地方で産出される土で作った石州瓦が、まだまだ圧倒的に多いのは間違いないようです。

なぜなら、錆びたり腐ったり、表面が汚れて黒ずんできたり、そんなことの殆ど無いのが石州瓦の良さなのですから。

ただ、そんな優等生である瓦の、唯一の欠点は「重さ」なのです。

地震の揺れに対しては、その重さが弱点となりますので、注意が必要と言うことです。

基本的には古民家が瓦屋根であっても、免震により家が倒壊することは殆どありません。

しかし、度重なるリフォームや修繕で、力のバランスが崩れてしまった場合。

または蟻害等により、軸組部材の強度自体が落ちてしまった場合には、当然危険度は増します。

壁や天井をはがしてリフォームする時こそ、地震に対する強度を上げる絶好の機会だと思った方がよいでしょう。

冒頭に書いた、今プランニングしている古いお家も、当然強度を増した上での、最適な生活環境を模索しています。

時間は掛かるしとっても疲れますが、避けて通れない、古民家と出会った工務店の宿命みたいなものなんでしょうね。

それでは又っ!!