謎の日常

 「観光」に”感動”などといった余計な”感情”は必要ない・・・
 ただ”事を終わらす”とだけ考えれば良い・・・

苦渋の決断・・・(ゴルムド・中国)

2007-07-10 19:32:58 | 2ndミッション+1 東・中央アジア
2007.07.10

 現在私は中国のゴルムドという町に滞在している・・・

 ここに至るまでの私は「プロフェッショナル」として様々な苦悩の連続であった。

 どれだけ苦しんでいたかというと、

 「後で適当に書いて、さもその日に書いたかのようにブログをアップする事が多い私が、いま、本当にリアルタイムで記事を書いてしまっている」

 という所からもその苦悩の大きさが計り知れるだろう・・・





 えっ?

 いつも手を抜いてるだけだって???

 それにやる事がなくなって暇だからリアルタイムに出来てるって・・・???


 うむっ!そう言う「不適切な表現」は慎んでもらおうか・・・






 話を戻すとそれもこれも「チベット」が問題だったのだ・・・





 今回の私のメインルートは「シルクロード」

 ただチベットにはまあ「簡単に行ければいっても良いかな?」ぐらいのスタンスだった筈だったが・・・





 先ずは地球の歩き方、旅行人のチベットを日本で購入してしまい、それにほぼ100%行かない筈の旅行人ウルトラガイド「西チベット」まで持っていたことが問題だった・・・

 「行くかもしれない」というのは私にとって「ガイドブックを購入する十分な理由」になってしまうのだ・・・
 それにしても・・・「西チベット」まで勢いで買ってしまっていたとは・・・


 そして先ず、神戸→上海のフェリーの中でなんとなく色んなことが面倒になって一気に「上海→ラサ」でいいやなどと状況も知らずに思い込んでしまい。

 上海でチケットが取れず、一気に接近戦を挑もうと西安まで行き・・・

 そして西安でチケットが取れないと分かって蘭州にある日本語が通じる旅行代理店とコンタクトを取り・・・


 蘭州からのチケットを巨額のコミッションを支払い、そしてインターネットでラサの宿泊を確保したのまでは良かったのだが・・・

 アメリカ人が「フリーチベット運動」なるものをしてしまったらしく、7/1から入境許可の出し方が変わってしまい、ラサでのガイドを否応なくつけないと許可が下りないと言われ・・・
 
 許可証以外のすべての条件が整っていたにもかかわらず・・・蘭州の代理店でガイドをつけると一気に費用がかさむので・・・蘭州からのチベット行きは断念・・・




 そしてゴルムドへ・・・


 以前は中国側からラサに行くのにはゴルムドが基点になっていて、ゴルムドでラサ行のツアーを取ると、行きの寝台バスがついていたのだが、現在は鉄道の開設に伴い、値段こそ安くなっていたものの(ちなみに以前は1700元で今は1440元)、ゴルムドからラサまでの移動は自分で手配する形になってしまい・・・


 そして面倒になって旅行代理店にお願いしたのだが・・・


 約150元(約2600円)のチケットの取得手数料が300元(約5000円)と・・・
 それも一番安い硬座(寝台ではなく椅子)で・・・
 途中乗車になるから荷物の置き場を確保できる保証などどこにもないのにこんなに支払わされるとは・・・


 なんでも鉄道の人気があり、それにハイシーズンとダブルパンチで・・・


 全盛期の矢沢永吉のコンサート状態、ダフ屋からチケットを買っているのが現状だ・・・

 五木ひろしのディナーショウ程度だったらそれ程プレミアもつかないだろうに・・・


 闇バスで密入境という「バックパッカー的」なトラディショナルな手法で入境するのも一つの手段だったが・・・・

 それも面倒だし、それしか手段がないならともかく、「正規のやり方で行けるなら」例え料金がかかってしまっても、私はそちらを取ってしまう性格だ・・・、なんと言っても「闇バス」等といった名前は「エレガント」な私にはそぐわないし「チキン」な私が出来る最大の闇は「闇両替」ぐらいだからだ・・・

 しかし闇バスなら寝台で夜行だが・・・鉄道は朝発で夜着、移動で日中丸々潰れるという悲惨な状況だ!!


 アメリカ人が「フリーチベット」運動などやってなければ・・・まあ彼らの今やってることは現状に鑑みてまあ正統(そもそもチベットは中国とは違う独立した文化を持った国だったがジャイアニズム国家中国に不当に占拠され入植までされて既成事実をもって中国と言っているような場所なので)かもしれないが・・・そういったことを言い出せば「極論すればアメリカはすべての土地をネイティブインディアンに返すべき」と同等になるだろう。まあこれもたまたま私の行く直前にやられたから迷惑と思ってしまっているが私が抜けた後だったらどうでもいいことなのだが・・・

 この辺りの巡り合わせを感じると「ツイてない」と思わざると得ない・・・


 それに私も個人的な心情から言ったら「チベットは独立国であるべき」と思っているが・・・それにツアーの代金は別にチベット人に行くわけでもなく「中国サイド」に流れていくという理屈も分かってはいるが・・・


 もう真面目に考えるのも何もかも面倒になってすべて代理店にまかせて料金も支払ってチケットも抑えてもらっている・・・

 ちなみにかかった金額はトータルで約1900元(約34000円)、ツアーの1440元に含まれるのは「安宿のドミ3日分と別に欲しくもないガイドが3日分[ちなみに7/1以降、外国人はガイドをつけないと許可証が下りなくなったと言われたが・・・恐らく現実は以前とおりに特に必要ないと思う。行ってみないと分からないが・・・、まあ形式として仕方がないのだろう]と、それにラサ市内の観光の移動だ・・・

 出発は明日(7/11)の朝・・・到着は同日2140頃だ・・・







 ここまでやって、まだ悩んでいる。


 そもそもチベットは自治区であって、国ではない。

 首都狙撃手としては、中国ではもう北京に行っているので・・・他の都市は基本的にはやっつけでしかない。

 ラサが歴史から言っても「特異な場所」であることは確かだが・・・
 私の選択肢から言ったらそれでも「セカンド・プライオリティー(第2優先)」と言った所だ。
 それにそれ程の金をかけてまで行く価値があるのだろうか・・・

 私のようにメジャーな場所(基本は首都なので)を行くツーリストにとって、ラサと限定すればチベットは秘境でもなんでもない、精神的に高揚感が起きて来ないのである。

 例えばアンゴラの首都、ルアンダを見に行ったとき・・・、コンゴの首都ブラザビルを目にしたとき・・・、中央アフリカの首都バンギへ向かう道中・・・、リベリアの首都モンロビアを想像した時・・・、ベラルーシの首都ミンスクでツボに入っていたとき・・・、トランスドニエストルの首都ティラスポリを目の当たりにした時・・・

 私が感じた「コイツは以外だった」という感覚は・・・

 ラサに関しては情報が多すぎるぐらいある。行ってみない事には判断できないが・・・


 過去に私が味わった満足感以上の物を与えてくれるとは思えない。


 しかしそれでも・・・行かざるを得ないのだろう。





 ちなみに「やる気はどうか?」と聞かれたら・・・

 「後ろ向き以外の回答」

 は出せないと思う・・・





 えっ?

 「いつも後ろ向きで観光して数を消化してるだけだって??」



 「うーむ、あながち否定は出来ないが・・・」









 それでも何故行くのか問われても・・・


 中々に回答が出せない・・・






 あえて答えるとしたら・・・














 「何故なら私がプロフェッショナル」














 だからであろう・・・







 そして私の中に一つの確信が・・・


 これまでいろんな面倒なことをやってまで行って・・・

 そして費用をかけてまで行って・・・



 ブログの記事になりそうな「ネタ」が拾えないであろうと言う事が・・・






 写真はチベットへの入口として計画的に作られたゴルムドの町並、チベット鉄道開通にも伴い・・・
 閑散とした印象はぬぐえない、これで日本語が打てるネットカフェがなかったらと考えるとゾッとする


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