2007.03.15
今回はちょっと「土産物」の話でもしてみようか...
私は基本的に全く土産物というものは買わないようにしている。
集めている都市地図を例外にすれば元々まったく興味がない事と、それにある程度長期の旅行をしているので荷物になるのが面倒だからでもある。
それに土産物といえばボッてくるのが相場で、元々値下げ交渉が苦手で下手な私にはこの料金交渉が苦痛でしかないからでもある。
ごく稀に人の為にほんの少し何かをということがない訳ではないが、その時でも荷物を送る時にタイミングを合わせ、そして安くてあまり大きくないものを購入するようにしている。
今回のアーグラー、ここでも”何か”を購入する予定など何もなかったのだが...
3月14日、アーグラー駅到着時に駅からタージマハル近くの安宿外のタージガンジ地区にサイクルリキシャで向かい、そしてタージマハルの西門付近で降りたときだった。
体中に鞭を大量に持った物売りが寄ってくる。
「500ルピー、500ルピー(1ルピー=2.75円なので大体1300円ぐらい)...」
大量に荷物を持っている私にそんな物など必要ないのは見ても明らかだろうに...
あまり相手にしないでいると
「400ルピー、レザー、ルック...」
等と言ってくる。
興味がある訳もなく、じゃあねといって遠ざかると、ちょっと離れた所から
「ラストプライス、300ルピー...」
こういった物売りはどんな観光地でも共通だ、私はすでに世界遺産を100件以上も回り、中小の観光地を数えたら300ぐらいは行っているだろう。今まで何を言われてもこちらに何も関心がなければ買うことのなかった私である。「ただ荷物が増えて邪魔になるだけの鞭」なんて買いようもない!
そもそも”レザー”といったところで何の皮だか得体も知れないし、「300ルピー(約800円)」なんて馬鹿らしすぎる話だ。
私は彼の「物を買いそうな人間を見分ける目の無さ」に半ばあきれつつ、そして一緒にいた日本人旅行者に
「いやぁ~、あんな物誰が買うんでしょうね?短期の人狙いで売りつけるならひょっとしたら売れるでしょうけど...価格も別に安くもないし、クオリティーも大した事ないし...、あれで食ってけるんですかねぇ?まぁ100ルピーぐらいならシャレで買いますけど...」
等と呑気に話していた...
明けて翌15日
タージマハルを観光して、もう一つの世界遺産「アーグラ城」へと向かうときだった。
門を出てブラブラとアーグラ城へ向かおうとすると「鞭売り」が寄ってくる。
「500ルピー、500ルピー、レザー...!!」
昨日は300まで下げていたことをこちらは知っているが向こうは気づいてはいないようだ。いかに誰彼かまわず声をかけまくっているか、これでも良くわかる。
私は買う気も全くないし、とっとと切り上げたいと思っていたので
「マイマキシマム!100ルピー!!」
と向こうが呑みそうも無い金額を提示する。
そしてすたすたと歩く。
彼は私についてきて
「O.K.400ルピー!」
「100ルピー」
「O.K. ラストプライス!300ルピー!!」
「100ルピー!」
「O.K.250ルピー!!ラストプライス!!」
「100ルピー」
等と問答する。
インドに限らず、観光地での「ラストプライス」なんて全く当てにはならない、ただもう2回も言ってきたのでどうせ買わないのに相手にするのも飽きてきていた。
そうこうしていると昨日たまたま乗ったサイクルリキシャの親父がいたので、もう物売り相手も疲れたので乗ることにする。
鞭売りはもう諦めるだろう...
私がリキシャに乗ると、鞭売りは何か思いたったかのように声をかけるた
「O.K.!100ルピー...!!」
「???」
あれ??急に値段が下がった??
如何にも手作りでそんなにいい物とは言えないが、それにしても安い!それにさっきからこちらは「100ルピー」と言っていた手前、これでちょっと気にはなってしまった。
一緒にいた日本人旅行者も
「デュークさん、100ルピーなら買うなんて言ってましたよねぇ!」
と声を掛けてくる。
しかしこれはいくら安くても私にはどう考えても要らない物である!!
でも100ルピーなら...決して高い買い物ではないだろう...
まあ品質が気に入らなければ別に要らないと思ってちょっと物を見る。
物はまあ100で買えるなら、無駄金だが妥当といったところだろうか??
でもまあ要らない事ははっきりしているので今度は
「ノーサンキュー」
と答える。
これで終わりだ...
鞭売りはなおもしつこく
「100ルピー、100ルピー」
と言っていたがもう関係ない。リキシャの親父に声を掛けアーグラ城へ行くように伝える。
鞭売りは
「75ルピー!!」
と、なおもしつこい。
しかしこの時までには私の心の中に大分変化が起こっていたのだ...
「うーん?確かに要らないものだけど...75は安すぎる...一つ買ってもいいんじゃないだろうか??どうせ日本円なら200円もしないし...」
そして私の心の変化を見透かしたかのように駄目押しの一言
「50ルピー(140円)!!」
「???」
そしてリキシャの親父もその時急に何故か一言
「50ルピー、ユー、バイ!(50ならお前、買いだぞ!)」
いままで交渉を何の気にもせずにいたリキシャ親父の一言は私の心の変化に完全に止めを刺した!
「うむっ!本当に要らないけど買った!!」
私は全く意識することなく財布から50ルピー札を取り出し、鞭と引き換えに手渡す!
そして鞭を持ちづらいので首に巻き、宿に置くのも面倒だったのでその足でアーグラ城を見学し、夕方ごろに宿に戻った...
そして宿に戻ってから購入した鞭をまじまじと眺める...
私にはもう分かっている。
鞭と一緒に半日動いただけでかなり面倒だったし、インド人にさえ好奇の目で見られるし、重いし、邪魔だし...、それに日本に送って誰かに上げてもクオリティーは大した事無いので誰も喜んでもくれないであろうと言う事が...
しかし、100カ国以上もの国、そしてそれ以上の観光地、今まで周ったすべての場所でこんな買物などしたことの無い私だったのに...
「恐るべしは、アーグラーの鞭売り!全く興味のないこのプロフェッショナルに安かったとはいえこんなに無駄な一品を買わせるとは...!!」
今回の私は完璧な「ルーザー(負け犬)」である...
そしてただでさえ重い荷物に加えて取り回しづらく、邪魔で重い鞭を加えることになり、身をもって
「安物買いの銭失い」
という諺の意味を体得する事となった...
これが購入した鞭、長さは2m、重さは2kgぐらいだろうか...??
ちなみに横は大きさが分かるようにタバコを置いてみたが背景の色とあまり変わらないのでそれ程効果が無さそうである...
それにしてもとにかく”邪魔”である!!
今回はちょっと「土産物」の話でもしてみようか...
私は基本的に全く土産物というものは買わないようにしている。
集めている都市地図を例外にすれば元々まったく興味がない事と、それにある程度長期の旅行をしているので荷物になるのが面倒だからでもある。
それに土産物といえばボッてくるのが相場で、元々値下げ交渉が苦手で下手な私にはこの料金交渉が苦痛でしかないからでもある。
ごく稀に人の為にほんの少し何かをということがない訳ではないが、その時でも荷物を送る時にタイミングを合わせ、そして安くてあまり大きくないものを購入するようにしている。
今回のアーグラー、ここでも”何か”を購入する予定など何もなかったのだが...
3月14日、アーグラー駅到着時に駅からタージマハル近くの安宿外のタージガンジ地区にサイクルリキシャで向かい、そしてタージマハルの西門付近で降りたときだった。
体中に鞭を大量に持った物売りが寄ってくる。
「500ルピー、500ルピー(1ルピー=2.75円なので大体1300円ぐらい)...」
大量に荷物を持っている私にそんな物など必要ないのは見ても明らかだろうに...
あまり相手にしないでいると
「400ルピー、レザー、ルック...」
等と言ってくる。
興味がある訳もなく、じゃあねといって遠ざかると、ちょっと離れた所から
「ラストプライス、300ルピー...」
こういった物売りはどんな観光地でも共通だ、私はすでに世界遺産を100件以上も回り、中小の観光地を数えたら300ぐらいは行っているだろう。今まで何を言われてもこちらに何も関心がなければ買うことのなかった私である。「ただ荷物が増えて邪魔になるだけの鞭」なんて買いようもない!
そもそも”レザー”といったところで何の皮だか得体も知れないし、「300ルピー(約800円)」なんて馬鹿らしすぎる話だ。
私は彼の「物を買いそうな人間を見分ける目の無さ」に半ばあきれつつ、そして一緒にいた日本人旅行者に
「いやぁ~、あんな物誰が買うんでしょうね?短期の人狙いで売りつけるならひょっとしたら売れるでしょうけど...価格も別に安くもないし、クオリティーも大した事ないし...、あれで食ってけるんですかねぇ?まぁ100ルピーぐらいならシャレで買いますけど...」
等と呑気に話していた...
明けて翌15日
タージマハルを観光して、もう一つの世界遺産「アーグラ城」へと向かうときだった。
門を出てブラブラとアーグラ城へ向かおうとすると「鞭売り」が寄ってくる。
「500ルピー、500ルピー、レザー...!!」
昨日は300まで下げていたことをこちらは知っているが向こうは気づいてはいないようだ。いかに誰彼かまわず声をかけまくっているか、これでも良くわかる。
私は買う気も全くないし、とっとと切り上げたいと思っていたので
「マイマキシマム!100ルピー!!」
と向こうが呑みそうも無い金額を提示する。
そしてすたすたと歩く。
彼は私についてきて
「O.K.400ルピー!」
「100ルピー」
「O.K. ラストプライス!300ルピー!!」
「100ルピー!」
「O.K.250ルピー!!ラストプライス!!」
「100ルピー」
等と問答する。
インドに限らず、観光地での「ラストプライス」なんて全く当てにはならない、ただもう2回も言ってきたのでどうせ買わないのに相手にするのも飽きてきていた。
そうこうしていると昨日たまたま乗ったサイクルリキシャの親父がいたので、もう物売り相手も疲れたので乗ることにする。
鞭売りはもう諦めるだろう...
私がリキシャに乗ると、鞭売りは何か思いたったかのように声をかけるた
「O.K.!100ルピー...!!」
「???」
あれ??急に値段が下がった??
如何にも手作りでそんなにいい物とは言えないが、それにしても安い!それにさっきからこちらは「100ルピー」と言っていた手前、これでちょっと気にはなってしまった。
一緒にいた日本人旅行者も
「デュークさん、100ルピーなら買うなんて言ってましたよねぇ!」
と声を掛けてくる。
しかしこれはいくら安くても私にはどう考えても要らない物である!!
でも100ルピーなら...決して高い買い物ではないだろう...
まあ品質が気に入らなければ別に要らないと思ってちょっと物を見る。
物はまあ100で買えるなら、無駄金だが妥当といったところだろうか??
でもまあ要らない事ははっきりしているので今度は
「ノーサンキュー」
と答える。
これで終わりだ...
鞭売りはなおもしつこく
「100ルピー、100ルピー」
と言っていたがもう関係ない。リキシャの親父に声を掛けアーグラ城へ行くように伝える。
鞭売りは
「75ルピー!!」
と、なおもしつこい。
しかしこの時までには私の心の中に大分変化が起こっていたのだ...
「うーん?確かに要らないものだけど...75は安すぎる...一つ買ってもいいんじゃないだろうか??どうせ日本円なら200円もしないし...」
そして私の心の変化を見透かしたかのように駄目押しの一言
「50ルピー(140円)!!」
「???」
そしてリキシャの親父もその時急に何故か一言
「50ルピー、ユー、バイ!(50ならお前、買いだぞ!)」
いままで交渉を何の気にもせずにいたリキシャ親父の一言は私の心の変化に完全に止めを刺した!
「うむっ!本当に要らないけど買った!!」
私は全く意識することなく財布から50ルピー札を取り出し、鞭と引き換えに手渡す!
そして鞭を持ちづらいので首に巻き、宿に置くのも面倒だったのでその足でアーグラ城を見学し、夕方ごろに宿に戻った...
そして宿に戻ってから購入した鞭をまじまじと眺める...
私にはもう分かっている。
鞭と一緒に半日動いただけでかなり面倒だったし、インド人にさえ好奇の目で見られるし、重いし、邪魔だし...、それに日本に送って誰かに上げてもクオリティーは大した事無いので誰も喜んでもくれないであろうと言う事が...
しかし、100カ国以上もの国、そしてそれ以上の観光地、今まで周ったすべての場所でこんな買物などしたことの無い私だったのに...
「恐るべしは、アーグラーの鞭売り!全く興味のないこのプロフェッショナルに安かったとはいえこんなに無駄な一品を買わせるとは...!!」
今回の私は完璧な「ルーザー(負け犬)」である...
そしてただでさえ重い荷物に加えて取り回しづらく、邪魔で重い鞭を加えることになり、身をもって
「安物買いの銭失い」
という諺の意味を体得する事となった...
これが購入した鞭、長さは2m、重さは2kgぐらいだろうか...??
ちなみに横は大きさが分かるようにタバコを置いてみたが背景の色とあまり変わらないのでそれ程効果が無さそうである...
それにしてもとにかく”邪魔”である!!