嫌な女@桂望実
あらすじ(「BOOK」データベースより)
初対面の相手でも、たちまちするりとその懐に入ってしまう。小谷夏子は男をその気にさせる天才だ。彼女との未来を夢見た男は、いつの間にか自らお金を出してしまうのだ。そんな生来の詐欺師を遠縁に持つ弁護士・石田徹子は、夏子がトラブルを起こすたび、解決に引っぱり出されるのだが…。対照的な二人の女性の人生を鮮やかに描き出し、豊かな感動をよぶ傑作長編。
生来の詐欺師・夏子に、お堅い弁護士・徹子。この名前がそれぞれをよく表していると思います。真逆の性格の2人の女性の人生が徹子の視点で描かれています。第1章の最後「夏子のようには生きられない。誰も。」ここで、そうだ、私は徹子側の人間だ!と思い、その視点で読み進めんでいきました。
数年ごとに夏子はトラブルを抱えて、その解決のため徹子に応援を頼みます。図々しいことこの上ないのですが、夏子はいつまでも夏子のまんま、徹子は弁護士になりたての若いときからどんどん成長していきます。この面でもふたりは対照的に描かれていて、このスタンスは小説の中でずっと変わらずです。が徹子が成長するに伴い、夏子に対する徹子の考え・評価が変わってくるのがおもしろいです。
夏子自身が自分のことをしゃべる場面は一度もなく、周囲の人や徹子によって夏子のことが語られます。その夏子のうらやましいほどの生命力、伝わってきます。次から次に手を変え品を変え場所を変え、詐欺をしていくんですから。
徹子は虚しさを胸に抱え、孤独と付き合って生きる女性でしたが、自分の意見をしっかり持った、人のこともよく慮るすてきな女性になりました。親友もできました。何せ最後は70才代、死にかかわる場面も出てきます。徹子の親友が姪にあてた遺言書、涙しました。
ただ読み終えて、本を手にしタイトル「嫌な女」の文字を見て、「嫌な女」とは誰だろう?どうしてこのタイトルなんだろう?と疑問に思いました。
あらすじ(「BOOK」データベースより)
初対面の相手でも、たちまちするりとその懐に入ってしまう。小谷夏子は男をその気にさせる天才だ。彼女との未来を夢見た男は、いつの間にか自らお金を出してしまうのだ。そんな生来の詐欺師を遠縁に持つ弁護士・石田徹子は、夏子がトラブルを起こすたび、解決に引っぱり出されるのだが…。対照的な二人の女性の人生を鮮やかに描き出し、豊かな感動をよぶ傑作長編。
生来の詐欺師・夏子に、お堅い弁護士・徹子。この名前がそれぞれをよく表していると思います。真逆の性格の2人の女性の人生が徹子の視点で描かれています。第1章の最後「夏子のようには生きられない。誰も。」ここで、そうだ、私は徹子側の人間だ!と思い、その視点で読み進めんでいきました。
数年ごとに夏子はトラブルを抱えて、その解決のため徹子に応援を頼みます。図々しいことこの上ないのですが、夏子はいつまでも夏子のまんま、徹子は弁護士になりたての若いときからどんどん成長していきます。この面でもふたりは対照的に描かれていて、このスタンスは小説の中でずっと変わらずです。が徹子が成長するに伴い、夏子に対する徹子の考え・評価が変わってくるのがおもしろいです。
夏子自身が自分のことをしゃべる場面は一度もなく、周囲の人や徹子によって夏子のことが語られます。その夏子のうらやましいほどの生命力、伝わってきます。次から次に手を変え品を変え場所を変え、詐欺をしていくんですから。
徹子は虚しさを胸に抱え、孤独と付き合って生きる女性でしたが、自分の意見をしっかり持った、人のこともよく慮るすてきな女性になりました。親友もできました。何せ最後は70才代、死にかかわる場面も出てきます。徹子の親友が姪にあてた遺言書、涙しました。
ただ読み終えて、本を手にしタイトル「嫌な女」の文字を見て、「嫌な女」とは誰だろう?どうしてこのタイトルなんだろう?と疑問に思いました。