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食・飲・読の日記

日々の食べたり読んだりを綴ります♪

あきない世傳 金と銀 四 貫流篇@髙田郁

2018-05-13 08:54:31 | 本(た)
  あきない世傳 金と銀 四 貫流篇@髙田郁 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
江戸時代中期、長く続いた不況を脱し、景気にも明るい兆しが見え始めた。大坂天満の呉服商、五鈴屋でも、五代目店主の惣次とその女房幸が、力を合わせて順調に商いを広げていた。だが、徐々に幸の商才を疎むようになった惣次は、ある事件をきっかけに著しく誇りを傷つけられ、店主の地位を放り出して姿を消す。二度と戻らない、という惣次の決意を知ったお家さんの富久は、意外な決断を下す。果たしてその決断は五鈴屋を、そして幸を、どのような運命へと誘うのか。大人気シリーズ第四弾!




シリーズ第三弾、あきない世傳 金と銀 三 奔流篇の読書感想文はこちら

惣次がいなくなったところで終わっていた第三弾。第四弾を読んでみたら、惣次の弟である私の大好きな智蔵が! お家さんの富久が! 四代目店主の元妻である菊栄が! と、怒涛の展開で驚いてばかりでした。五鈴屋の名前を残すため、商売にいそしみ知恵をしぼる幸は健在、健在どころかよりパワーアップしてきていて、これまた驚きました。笑って勝ちにいくんですってよ。若干21歳、恐るべし、幸! 最後の幸の発言に鳥肌が立って物語を読み終わりました。幸の心にほんのりとした恋心?愛情?が生まれているところ、智蔵には商才はまったくないけれどやっぱり最高に優しくてこの上なくいい人で、元番頭の治兵衛さんの幸をはじめとする五鈴屋の面々に対する愛の深さ、これらが私の心には大きく響きました。

家飲みを極める@土屋敦

2018-03-05 17:38:16 | 本(た)
  家飲みを極める@土屋敦 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
酒との相性を突き詰めた究極のつくり方とは!?定番つまみから締めまで計11品を徹底検証。漫然とした家飲みを革命的に変える一冊!




「極めてみたいわ、家飲み」と、タイトルに返事し手に取りました。レポートみたいな書き方で、写真や表参照だったり、○○ページに書いた通りという記述があったりでやや硬い印象はあるもののそこはお酒が絡んでいるからか、あまり気にならず、家飲みを極めるためには読みますよっ!と威勢よく読み始めました。 おいしいお酒を飲むためにつまみや締めの一品を極めるんだけど、それはまるで研究のようで、突き詰め方がものすごい。最初に取り上げられた酒のつまみが枝豆。なんとなんと、両端を切り落とすことも産毛を取るための塩もみもいらないんですってよ! 万歳! とウキウキして読み進むと、温度や塩分濃度、浸透圧なんて出てきたらもうお手上げ。数時間置いておくとかも無理。と段々段々私の家飲みを極める勢いが落ちてきました。はははっこれは私がずぼらゆえ。こんなふうにつまみを作れたらすばらしいと思いつつ楽しく読んでいたら、誰かこのとおりに作ってくれないかしらと脳内変換され読み終わりました。極めるって大変だわねぇ‥ いやいや、家飲みに対する私の気合い不足だわ‥‥

あきない世傳 金と銀 三 奔流篇@髙田郁

2017-06-30 16:31:34 | 本(た)
  あきない世傳 金と銀 三 奔流篇@髙田郁 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
大坂天満の呉服商「五鈴屋」の女衆だった幸は、その聡明さを買われ、店主・四代目徳兵衛の後添いに迎えられるものの、夫を不慮の事故で失い、十七歳で寡婦となる。四代目の弟の惣次は「幸を娶ることを条件に、五代目を継ぐ」と宣言。果たして幸は如何なる決断を下し、どのように商いとかかわっていくのか。また、商い戦国時代とも評される困難な時代にあって、五鈴屋はどのような手立てで商いを広げていくのか。奔流に呑み込まれたかのような幸、そして五鈴屋の運命は?大好評シリーズ、待望の第三弾!




シリーズ第二弾、あきない世傳 金と銀 二 早瀬篇の読書感想文はこちら

幸って強いよね。自分のことは自分で決める、人の心に寄りそう、商売のことを一生懸命考えて実現させようとする、わからないことは人に聞いたり考えたりしてわからないままにしない。うん、強い。商い戦国時代の武将になろうって心に秘めているんだから、そりゃ強いか! 惣次が幸に言った求婚の言葉、ぶっきらぼうでも幸に対する愛情があふれている様子、惣次のことを見直しました。惣次と幸は五鈴屋を盛り立てようといい感じだったのに、なんだかえらそうになってきたよ、惣次が。幸は賢いから惣次を立てて後ろに控えているけれど、後半は幸が商売に関することを言うときの惣次の反応が異常すぎる。商売をするうえで情をどこかに置き去りにしてしまった惣次の幸に対する仕打ち、取引相手の江州羽村の人たちに対する仕打ちは信じられないものでした。最後の最後、江州羽村の人たちの意外すぎる提案に驚き、すぐにでも続きが読みたいと思いました。惣次はプライドズタボロだろうけどね。惣次の弟である智蔵が私は好きなんだけど、ちょっとしか出番がなかったけど、智蔵が登場するとほんわかしました。あと、元番頭の治兵衛さん、幸にとってはキーになる人かな。商売のことも人間のことも鋭くお見通し、愛ある人だなと思いました。体がいい方向に向かっていてよかったです。

あきない世傳 金と銀 二 早瀬篇@高田郁

2016-10-31 16:20:12 | 本(た)
  あきない世傳 金と銀 二 早瀬篇@高田郁 

あらすじ(文庫本背表紙より)
学者の娘として生まれ、今は大阪天満の呉服商「五十鈴屋」に女衆として奉公する主人公、幸。十四歳の幸に、店主徳兵衛の後添いに、との話が持ち上がった。店主は放蕩三昧で、五十鈴屋は危機に瀕している。番頭の治兵衛は幸に逃げ道を教える一方で、「幸は運命に翻弄される弱い女子とは違う。どないな運命でも切り拓いて勝ち進んでいく女子だす」と伝える。果たして、「鍋の底を磨き続ける女衆」として生きるのか、それとも「五十鈴屋のご寮さん」となるのか。あきない戦国時代とも呼べる厳しい時代に、幸はどのような道を選ぶのか。話題沸騰のシリーズ第二弾!




シリーズ第一弾、あきない世傳 金と銀 源流篇の読書感想文はこちら

十四歳で後添いにと言われる幸。断るすきがないように段取りされてしまう。番頭の治兵衛さんは一応逃げ道を教えてくれるけど、尊敬する番頭さんの言葉を信じ、店主徳兵衛の後添いになります。徳兵衛は嫌がっているのに。幸も嫌がっているのに。そんな時代なのでしょうか。
阿呆ぼんと誰からも言われる徳兵衛。何度も何度もキーーーッとイラーーーッとさせられます。それは幸もだよね。でもそのたびに「自分の夫なんだ」と思い知らされる。でもいつでも前向き、一生懸命呉服に関する知識を得ようとする向上心、幸は商売に精を出すことが許されるようになるのだろうか? 
店主の次弟惣次は商売に一生懸命過ぎるほど打ち込んでいて才能もあって、すてきだなと思う反面、口のきき方がひどくて好かれないよねと思っちゃいました。
治兵衛さんに起きたことで第一次ショック、徳兵衛に起きたことで第二次ショックを受けた私ですが、最後の最後、惣次のセリフは「やっぱりな」と。
店主の末弟智蔵は今回チラッとしか出てこなかったけど、やっぱり幸とお似合いだよねぇ‥って、第一弾のときと同じように思ったのでした。

蓮花の契り 出世花@高田郁

2016-08-18 15:48:15 | 本(た)
  蓮花の契り 出世花@高田郁 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
下落合で弔いを専門とする墓寺、青泉寺。お縁は「三味聖」としてその湯潅場に立ち、死者の無念や心残りを取り除くように、優しい手で亡骸を洗い清める。そんな三昧聖の湯灌を望む者は多く、夢中で働くうちに、お縁は二十二歳になっていた。だが、文化三年から翌年にかけて、江戸の街は大きな不幸に見舞われ、それに伴い、お縁にまつわるひとびと、そしてお縁自身の運命の歯車が狂い始める。実母お香との真の和解はあるのか、そして正念との関係に新たな展開はあるのか。お縁にとっての真の幸せとは何か。生きることの意味を問う物語、堂々の完結。




「出世花」という作品の続きの物語です。「出世花」の感想文はこちら
お縁の生きることに対する真摯でひたむきな姿勢、考えることから逃げない意志の強さ、人に対する優しさ、心打たれました。正真さまの人を見抜く力と貫録に感心し、正念さまの慈しみ深さに心奪われ、いつでもお縁のことを大事に見守る三人の毛坊主の相変わらずの優しさに心癒され、時にウルウルしつつ読み終え、私の心が何とも言えない温かさでいっぱいになりました。

1話ごとのちょこっと感想↓
ふたり静 すてきなハッピーエンドにウルウルしちゃいました。
青葉風 ミステリー要素ありのこのお話、お縁の観察眼や人を信じる力が事件解決につながったんだろうな。
夢の浮橋 お縁の母お香との関係が! 正真さまがお縁を母の元に送り出したのはこのためだったのか!
蓮花の契り お縁は三枚聖として生き抜く、それを周りも認める、こういう生き様、幸せの形もあるのだなぁ。