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食・飲・読の日記

日々の食べたり読んだりを綴ります♪

いつか陽のあたる場所で@乃南アサ

2013-09-23 17:12:33 | 本(な)
  いつか陽のあたる場所で@乃南アサ 

あらすじ(文庫本背表紙より)
小森谷芭子29歳、江口綾香41歳。ふたりにはそれぞれ暗い過去があった。絶対に人に知られてはならない過去。ふたりは下町の谷中で新しい人生を歩み始めた。息詰まる緊張の日々の中、仕事を覚え、人情に触れ、少しずつ喜びや笑いが出はじめた頃――。綾香が魚屋さんに恋してしまった!心理描写・人物造形の達人が女の友情に斬り込んだ大注目の新シリーズ。ズッコケ新米巡査のアイツも登場。




罪を犯し、出所してきた二人が一生懸命生きている姿が、心に響きました。二人とも犯した罪の重さを感じながら、時にその重さに押しつぶされそうになりながらも、少しずつ前へ向かって生きています。お互いがお互いを思いやり、励まし、笑いながら、泣きながら、歌いながらの毎日。とても素敵な関係です 読み終わって晴れ晴れとした気持ちになるというよりは、ハァーッと深い息をついてしまうような感じでした。続きをぜひ読みたいと思っています。
実はドラマ化されたのをテレビで見ていました。読みながら女優さんの顔や町の景色が浮かんでました 小説のほうが面白いと思いました

泣かない女はいない@長嶋有

2013-08-18 12:00:00 | 本(な)
  泣かない女はいない@長嶋有 

あらすじ(文庫本背表紙より)
ごめんねといってはいけないと思った。「ごめんね」でも、いってしまった。――埼玉郊外の下請け会社に、事務として中途入社した、澤野睦美。恋人・四郎と同棲する彼女に、不意に訪れた心変わりとは?話題の表題作ほか、「センスなし」を収録。恋をめぐる心のふしぎを描く魅力あふれる小説集。




読み終わって、心がしーんとするような感じがしました。2作品の主人公はどちらも女で、その日常や心の内が丁寧に表現されていました。ハッピーエンドじゃなく、ちょっと「暗」なイメージ。この本を、電車や喫茶店など人のいるところで読むことが多かったんですけど、家でひとり、静かにしんみり読んだほうが、作品の本当のところが分かったかもしれません。

きいろいゾウ@西加奈子

2013-07-20 12:00:00 | 本(な)
  きいろいゾウ@西加奈子 

あらすじ(文庫本背表紙より)
夫の名は武辜歩、妻の名は妻利愛子。お互いを「ムコさん」「ツマ」と呼び合う都会の若夫婦が、田舎にやってきたところから物語は始まる。背中に大きな鳥のタトゥーがある売れない小説家のムコは、周囲の生き物(犬、蜘蛛、鳥、花、木など)の声が聞こえてしまう過剰なエネルギーに溢れた明るいツマをやさしく見守っていた。夏から始まった二人の話は、ゆっくりと進んでいくが、ある冬の日、ムコはツマを残して東京へと向かう。それは、背中の大きな鳥に纏わるある出来事に導かれてのものだった――。




夏から始まったお話が、ほんわかほんわか進んでいく。不思議な世界だけど、なぜか惹き込まれる。自然の風景も素敵だけど、食事風景もお気に入りになりました  お互いがお互いをなくてはならない存在だと知りながら、冬に離れ離れになってしまう。でもそれはこの先一緒に生きていくための試練。もちろんハッピーエンドで読後はすっきり  「ムコ」も「ツマ」も魅力的だけど、私的には大地君が大好きです 大人な子供で、どきんとするようなことを言う おまけにハンサム  こんな子に好きって言われる「ツマ」が羨ましいな
本を読んでから、映画化されていたことを知りました。大地君には、濱田龍臣くん  イメージピッタリで、大地君のこと、ますます好きになってしまいました

いちにち8ミリの。@中島さなえ

2013-06-29 12:00:00 | 本(な)
  いちにち8ミリの。@中島さなえ 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
父・中島らもを超える物語の紡ぎ手。届かない想いまで、あと何ミリ?どこかにありそうで、どこにもなかった物語。小説デビュー。




3作品収録されてました。全体に不思議系な感じ?
「ゴリづらの木」という作品が好きでした  木の描写が素敵でした。風の気配や太陽の光が感じ取れます。 歌も太鼓もリズムが伝わってくるような描写で、素敵でした。
「手裏剣ゴーラウンド」忍者が出てきます。短い作品で、もう終わり?って感じでした。
「いちにち8ミリの。」猿やカラスや石がしゃべります。石がしゃべり、動くのが衝撃的!ちなみに人間には言葉が伝わっていません。
人間であれ、木に住む何かであれ、忍者であれ、猿や石であれ、他との関わりや愛を強く感じる3作品でした

神様のカルテ@夏川草介

2013-06-15 12:00:00 | 本(な)
  神様のカルテ@夏川草介 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
栗原一止は信州にある「二四時間、三六五日対応」の病院で働く、悲しむことが苦手な二十九歳の内科医である。職場は常に医師不足、四十時間連続勤務だって珍しくない。ぐるぐるぐるぐる回る毎日に、母校の信濃大学医局から誘いの声がかかる。大学に戻れば最先端の医療を学ぶことができる。だが大学病院では診てもらえない、死を前にした患者のために働く医者でありたい…。悩む一止の背中を押してくれたのは、高齢の癌患者・安曇さんからの思いがけない贈り物だった。2010年本屋大賞第二位、日本中を温かい涙に包み込んだベストセラー。




読み始めて、「何時代の話?読みづらい‥」と思っちゃいました。まさか夏目漱石を敬愛しているがゆえの話しぶりとはねぇ  読みづらくてゆっくりとしか読めないんだけど、ゆっくりだからこそ、どんどん本の世界にはまっていきました。主人公栗原一止の、その周りの人々との関わりかた・会話が素敵でした  「悲しむのは苦手だ」と思う一止は、それだけ人と深く関わっているんじゃないかと思います。登場人物がみんな、愛にあふれていて素敵でした  笑いあり、涙あり、友情あり、愛あり 読み終わって、じんわり心が温かくなりました