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食・飲・読の日記

日々の食べたり読んだりを綴ります♪

大江戸科学捜査八丁堀のおゆう 妖刀は怪盗を招く@山本巧次

2021-12-02 16:36:54 | 本(や)
  大江戸科学捜査八丁堀のおゆう 妖刀は怪盗を招く@山本巧次 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
貧乏長屋に小判が投げ込まれるという奇妙な事件に、十手持ちの女親分・おゆうこと現代人の関口優佳は、かの有名な鼠小僧の仕業かと色めき立つ。そんな折、おゆうたちは旗本の御用人から内々に相談を持ち掛けられた。屋敷に侵入した賊に、金二十両と脇差ーかの妖刀・千子村正を盗まれたという。科学分析ラボの宇田川も江戸にやってきて、おゆうは鼠小僧の正体と村正の行方を追い始めるが…。




シリーズ6作目 大江戸科学捜査八丁堀のおゆう 北からの黒船 の読書感想文はこちら

今回は現代の描写が少なく、ほぼ江戸での描写。なのに、私の好きな宇田川が大活躍! 江戸にいる時間がずいぶん長いね。あれこれ道具を持ってきて、江戸時代の人にとっては不思議な行動をして、怪しまれないなんて奇跡。 って、南町奉行所の同心・伝三郎以外には、だけど。おゆうと宇田川が犯人の隠れ家を現代の武器を駆使して突き止めるところまではいいとして、ふたりで犯人がいる隠れ家に踏み込むのはやりすぎじゃーーー! そして別の場面では、おゆうのピンチに宇田川が現れて危機一髪のところを助け出す、かっこよすぎじゃーーー! おゆうは伝三郎に惚れてるのに、江戸での宇田川がかっこいいと思う。宇田川はクール、でも伝三郎とのやり取りでは表情が微妙。伝三郎はおゆうに惚れてるのに、おゆうと深い中にならない決意を固めている。三角関係になりそうでならない、じれったいね。物語は犯人を捕まえて終了と思ったら、その先にどんでん返し、ほほぅ、なるほどね。最後に鼠小僧の誕生の瞬間、ほほぅ、なるほどね。サクサク読めて、都合よすぎるところもあるけれど、それはそれで楽しめたわ。


検事の信義

2021-10-26 17:06:30 | 本(や)
  検事の信義@柚月裕子 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
検事・佐方貞人は、亡くなった実業家の書斎から高級腕時計を盗んだ罪で起訴された男の裁判を担当していた。被告人は実業家の非嫡出子で腕時計は形見に貰ったと主張、それを裏付ける証拠も出てきて、佐方は異例の無罪論告をせざるを得なくなってしまう。なぜ被告人は決定的な証拠について黙っていたのか、佐方が辿り着いた驚愕の真相とは(「裁きを望む」)。孤高の検事の気概と執念を描いた。心ふるわすリーガル・ミステリー!




佐方シリーズ第1弾、最後の証人の読書感想文はこちら
第2弾、検事の本懐の読書感想文はこちら
第3弾、検事の死命の読書感想文はこちら

「裁きを望む」では、よりにもよって佐方は面倒な事件の担当になっちゃう、でも佐方じゃないと真相はつかめない。事件の日時に疑問を持ち紐解いていく佐方もすごいけど、最後の最後に被告人の感情を読み解いた上司の筒井がもっとすごかった! 
「恨みを刻む」では、警察内部のドロドロまで描かれていて、柚月先生、すごすぎる。
「正義を質す」では、佐方が最終的に「しかるべく」と判断するとは思わなかった。佐方の泣きどころを押さえた動機の作戦成功!? いや子供の未来を思う佐方のやさしさ、かな‥
「信義を守る」では、佐方が腑に落ちない点からどんどん調べを進め、真相を突き止める、佐方らしさ全開ですごかった!
根底にある佐方の「罪をまっとうに裁かせる」という信念は相変わらず。このシリーズの続きはまだ出ていない模様。検事として活躍する佐方がどうして弁護士になったのか、そこらへんを書いてほしいです、柚月先生!


真夏の焼きそば 食堂のおばちゃん5@山口恵以子

2021-09-17 16:57:09 | 本(や)
  真夏の焼きそば 食堂のおばちゃん5@山口恵以子 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
海老フライ、大根バター醤油、餡かけの茶碗蒸し、ニラ玉豆腐、ホウレン草と豚バラの酒鍋、焼きそば…。姑の一子と嫁の二三に、今や大きな戦力となった万里の三人で営む「はじめ食堂」は、今日も常連客の笑顔がいっぱい。そんなある日、二三の娘・要が、最近毎日のようにランチに現れる男性を見て「四和ビル爆破事件の逃亡犯に、そつくり」だと言う…。心も身体も幸せになる、続々重版の大人気人情食堂シリーズ、第五弾。文庫オリジナル。




シリーズ4作目「ふたりの花見弁当 食堂のおばちゃん4」の読書感想文はこちら

「はじめ食堂」のランチ、700円という安さでバリエーション豊かでおいしそう! 絶対迷うよ、私。夜の居酒屋のメニューもいろいろ変化があっておいしそう! おすすめは全部いただくよ、私。とにかくおいしそうなんです、ここ。さらに食堂を営む三人、ご常連さん、とにかく雰囲気がいい。近くにあったらランチも夜も通ってしまいそう。って、確実に太るよ‥ 第一話ではご常連さんのやさしさにホッ。第二話では一子さんの観察力に納得。第三話ではハラールに対応するはじめ食堂の柔軟さと二三さんのかっこよさに拍手。第四話では美しい少女の登場にびっくり。第五話は万里の煮え切らない態度に疑問を持ったけど、はなという20歳の女子の登場でなんだかワクワク。まさかの恋の予感? ちょっとマンネリ気味だけど、読むとお料理と人情に心温まるのでした。


こんぱるいろ、彼方@椰月美智子

2021-06-14 16:01:35 | 本(や)
  こんぱるいろ、彼方@椰月美智子 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
「ベトナム人?お母さんが?」娘、二十歳の夏。家族の秘密を伝える日がやってきたー『るり姉』『明日の食卓』家族小説の名手が70年代末に来日したボートピープル一家のその後を描く新境地。




こんぱるいろ、というひらがな、きれいなブルーの表紙に惹かれて手に取りました。全く内容がわからず読み始めたら、ベトナムからボートピープルとして幼少のころに日本に来た母・真依子、その娘・奈月、母の母・春恵、3人がそれぞれの人生を、ベトナム出身であることを、語り考えます。真依子はベトナム出身であることを子供たちには隠してきました。夫にはもちろん話していて、その夫はそんなこと全然気にしないおおらかさがいい感じ。奈月の初海外旅行先がベトナムということで、とうとう自分がベトナム出身であることを打ち明けると、その奈月、ガンガンガンガンその事実に向き合おうとする。すごい積極性。すごい正義感。いつも正しいことを正しいという子なのよね。私ならそういう受け止め方にならないかな‥ 奈月のおかげでベトナム戦争あたりのことがほんのちょっと前よりわかるようになりました。春恵の幼少時代のベトナムの様子はすてきだったな。奈月はいろんなところに首を突っ込んでいき、奈月の従妹に「ベトナムの血を意識したことがある?」と聞き、その従妹の答えがとても納得いき、共感できるものでした。真依子が奈月の行動を通して、何かを吹っ切った様子になっていて、なんだかよかったなぁ。

おまけ。奈月のベトナム旅行でのホーチミンやメコン川ツアーの様子は、自分の旅行が思い出されて楽しかった! あぁ、ベトナム、行きたいわ!!!


盤上の向日葵 上・下@柚木裕子

2021-05-21 16:20:42 | 本(や)
   盤上の向日葵 上・下@柚月裕子 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
(上)平成六年、夏。埼玉県の山中で身元不明の白骨死体が発見された。遺留品は、名匠の将棋駒。叩き上げの刑事・石破と、かつてプロ棋士を志した新米刑事の佐野は、駒の足取りを追って日本各地に飛ぶ。折しも将棋界では、実業界から転身した異端の天才棋士・上条桂介が、世紀の一瞬に挑もうとしていた。重厚な人間ドラマを描いた傑作ミステリー。
(下)昭和五十五年、春。棋士への夢を断った上条桂介だったが、駒打つ音に誘われて将棋道場に足を踏み入れる。そこで出会ったのは、自身の運命を大きく狂わせる伝説の真剣師・東明重慶だったー。死体遺棄事件の捜査線上に浮かび上がる、桂介と東明の壮絶すぎる歩み。誰が、誰を、なぜ殺したのか。物語は衝撃の結末を迎える!




上条桂介の人生と、身元不明の白骨死体を操作する警察、それがやがて結びつく。上巻では高校を卒業するまでの桂介が描かれています。親に恵まれない桂介に、救いとなる唐沢夫妻が現れます。本を読む私にとっても救いとなります。ほんと、すばらしいご夫婦。名駒の足取りを追う刑事2人もそれぞれ個性的でおもしろい。捜査が徐々に徐々に進んでいく様もおもしろい。下巻では桂介は東大生になります。そして東明との出会い。あぁ、そっちに行っちゃだめという方に行ってしまう桂介。東明もひどいよ、えげつないよ。桂介の父親もひどいよ、えげつないよ。社会人になった桂介は幼いころのはにかみ屋で純粋なところがすっかりなくなっちゃっててまるで別人。桂介と東明、不思議な関係ね。将棋の棋譜の部分はちょっと読むのに難しかったです。ただ桂介のことを思うと、ずっと心がヒリヒリヒリヒリするのです。物語全体にリアリティがあるから、心がヒリヒリヒリヒリするのです。将棋界、警察、ちょこっと美術、作者の知識の量、深さにもおどろきです。