シーズンオフとは言え、色々と私に考えさせてくれる落合監督。(笑)
落合監督大演説「全員競争」-中日スポーツ
(記事引用)
中日の球団納会が28日、名古屋市の「名古屋国際ホテル」で開催された。落合博満監督(54)は、選手、球団関係者ら約200人の出席者に12分スピーチ。5年間の総括をするとともに、来季を『競争の復活』と位置付けた。
2008年の完敗を潔く認めずして、来季は始まらない。落合監督による12分の大演説。敗北を誰よりも嫌う指揮官が、何度も「負け」という言葉を使って表現せざるをえないシーズンだった。
「負けた原因はいろいろあると思うが、今年はただ負けた。自分の中のシナリオがすべて狂ったし、私の見間違い、戦略の失敗…。周りはオリンピックがあった、けが人が出たと言うけれど、すべて監督の責任。(今年は)初めて『負けたんだな』。そういう気になっています」
阪神には早々に突き放され、巨人には一気に抜き去られた。就任以来、ワーストシーズン。その現実は直視する。結果から逃げない。ウッズの退団、川上、中村紀のFA移籍危機。さらなる戦力ダウンすら予感させる状況で、落合監督は09年をこう語った。
「幸いにしてクライマックスシリーズに負けた。日本シリーズ、アジアシリーズまでいっていません。考える時間は十分にありました。09年をどうスタートをきって、戦うのか。勝つことに学び、負けることに学び…。私の頭には入っていますが、まだ言う時期ではありません。ただ、4月3日の開幕は決まっています。それまでは全員に競争してもらいます」
あえて競争を否定した08年。それが復活する。より厳しさを増して。主力との差は縮まっている。いくつかの穴もできている。それを悲観するのではなく、希望だと受け止める。いなければ育てる。足りなければ鍛える。それが就任時の落合野球だった。
「(自分の)頭の中だけは白紙、ゼロにリセットできています。みなさんも1月31日までに、今までの野球人生を振り返って、自分が何をすべきかもう一度考え、リセットして2月1日のキャンプを迎えてください。私も甘えません。みなさんも甘えないでください。納めの会と言いますが、ここから09年が始まるんです。そのための納会なんです」
(記事引用)
「第41回中日ドラゴンズOB会」が30日、名古屋市の名古屋国際ホテルで開催された。出席した落合博満監督(54)は主力が抜ける不安、補強方針への疑問などを約140人のOB、関係者に説明。高木守道会長も全面支援を確約した。
最も身近で、最も目の肥えたドラゴンズファンを前に、落合監督が2009年の野球スタイルを説明した。出席したOB、関係者は約140人。オフの動向を見ていたら、不安と疑問がわき出ているのは承知の上だ。
「5年前に鍛えた選手は、私と同じように5年年を取っています。タイロンが抜け、中村が抜け、川上もFAでどうなるかわからない。『来年は大丈夫なのか?』との声を聞きます。今年の西武は若いのを使って優勝した。なぜ(中日は)使わないんだ…。ですが、現場を預かる立場としては、力ある者を排除して、力のない若手を使うことはできません。一方を捨てるわけにはいかない。優勝しながら育てるということです」
主力の高齢化、退団…。OB連に対して「大見えをきるわけにはいかない」と本音で語り、誠意で説いた。ベテラン優先でも、若手登用ありきでもない。「力のある者がグラウンドに立つ」。それが競争なのだ。これが不安への回答。続いては疑問に答えた。
「ドラフトでは7人、育成で2人指名し、恐らく9人入ってきます。『補強はしないのか』とも言われますが、外国人を含めて3、4人。補強は随時していきます」
いわゆる大型ではないが、補強方針も明示した。「負けた次の年の野球はやり方が非常に楽。ゼロからの出発となる。戦術、戦略的に守りじゃなく最後まで攻めに徹することができますから」。王者であり続けることの苦しさと、挑戦者として立ち向かえる気楽さ。落合監督の考え、思いを受け止めた上で、高木OB会長は全面支援を確約した。
「少し陣容が変わるかなということで『大丈夫か?』の声も出ているけど、落合監督ならそういう中でもファンの皆さまやわれわれの期待に応えてくれる。そう確信していますよ」
【熟年ドラキチ】
今年は開幕前から「レギュラー固定」を宣言し、それで臨んだペナントの戦いでは
落合監督自身が「失敗」と勇気を持った評価を自ら下した。
この人は本当に野球をするのも考えるのも好きなんだろうと思う。
ただ単に好きなだけで、3冠王も3度、監督としてもペナントを2度優勝、
2位から日本一も一度という素晴らしい結果を出せたのではないと私は思う。
この落合監督独自の野球観、これが最大の成功の武器になっている
ような気がする。
選手時代は、いかにして3冠王を取るか?
その為には何をすべきなのか? そして何をすべきでないか?
体力面? 技術面? 精神面?
と彼なりに考えつくして、それを実行して、その通りに結果を出せた。
次の監督としては。
いかにペナントレースで優勝を勝ち取るか?
その為にはどうすべきなのか? どうあるべきなのか?
選手の体力面? 技術面? 精神面? に更にチームを率いるリーダーとして
それらをどの様に目的達成のために、選手を誘導していくかという
マネージメント面が追加されている。
いつでもこの落合監督の口からは、優勝が出てくる。
就任1年目の時に、戦力もドラフト会議での新人獲得を除いては
殆ど現有戦力のままであるにも拘らず、「選手の力の10%底上げで優勝できる」
と宣言し、私も半信半疑であったが(苦笑)、本当に優勝を勝ち取ってしまった。
多分、落合監督の心の中には、
「プロ野球に選ばれて入ってくる選手だけで構成されているのが、プロ野球の
各チーム。 それらの選手は皆、基礎能力も潜在能力ももった選手ばかりである。
結果として、プロ野球選手に成った後で中心選手になる選手、控えの選手、
短く野球人生を終える選手と区別されて出てくるが、これは選手の才能によるもの
より、むしろプロ野球に入ってから、何をどうしたのか?。
この原因と過程の積重ねの差である。」
「プロに入って活躍できる選手は、やっぱりそうなるような事をやっている。
活躍も出来ず、ユニフォームを直ぐに脱がなくちゃいけない選手は
やっぱりそうなる原因と過程を持っている。」
「ペナンレースを勝抜くにも、1年を通じて勝率を1番いいようにするには
どうしたら良いか? そのいい方法が考え付いたら、いかにそのように実行して
いくか? これは監督・コーチがどうあるべきか?と言う事に繋がっていく。」
と、この様な感じで野球界、自分のチームや他のチームを眺めて、
「活躍できない選手は、そのように成るような事しかやっていない。
また、監督・コーチもそれらを放置したままである。」
と眺めているのではないかなぁ~。
だから、落合監督はいつでも優勝を口にすることが出来る。
他所のチームや選手は、この様に落合監督が整理分析しているようには
「ペナントレース必勝法」を気がついてもいないし、確立もしていない。
落合監督にとっては、まだまだこの日本の「プロ野球市場」は、
チャンスに満ち溢れた、我々ビジネスマンで言えば「美味しい市場」に
見えているのでは。(苦笑)
だから、今年の成績は自分の戦略の失敗ということで、結論付け、
戦略を間違えなければ来年は優勝できると単純に計算できてしまう思考方法。
もっと解りやすく言えば、野球界には色々な人がいるが、意外に優勝するために
どうしたらいいかと言う事を真剣に悩み考え抜いている人は少ないと
思っているのではなかろうか。
競争相手はまだまだ甘いな~と位に見ているかも。(笑)
これはひとえに自分が選手時代に、周りには自分より体力的にも、身体的にも
技術的にも優れた選手がいても、彼らは真剣に「どうしたら3冠王を取れるか?」と
考えている人は皆無であったと言う経験からあるのではと思う。
意外に、人は目標達成のために真剣には考えていないものだ!
実はこの事が落合監督の「強がり」とも思えるくらいの発言をさせているのかも。
目標達成のために真剣に考えている人は実は少ない。
これは野球界に限らず、私たちの仕事でも言える様な気がする。
と、私も自らを反省。(苦笑)