艦長日誌 補足(仮) 

タイトルは仮。そのときに思ったことを飲みながら書いたブログです。

なにもいえない

2010年11月24日 22時54分40秒 | 個人日誌
 先日は休みを利用して栃木に行ってきました。

 って話を書こうと思ったのですが、今日は今日あったことを書きます。

 普段通りに出社して「よーし、今日も仕事がんばるぞー(うそ)」と言いながら、隣の女のコが「このまえ羽田国際線ターミナルのほうに行ってきたんですよ~。そこで食べたうどんがおいしくて!」と話かけてきたので「まじで?なんて店?どんだけうまいの?」と全く関係ない話を仕事中にしていたのですが。

 僕は三連休をいただいて栃木に遊びに行っていたとき、チームにいた春頃に派遣で来た女性が風邪ひいたとかで休んでいたらしいんですよ。

 で、その女性がそのごずっと出社していない。

 僕が休み明けにパソコンを開いたとき、その女性と僕が処理している共有ファイルにあるいろんなデータが、全然手つかずになっていたので「あれ?あのコ最近休んでた?」と誰ともなく尋ねると、なんか周りにいたみんなが「…うん、ちょっと」みたいな不自然感はあったんだよね。

 「…なんか疲れちゃったみたいだよ」というのを聞いて。

 この春頃に入ってきた女性(女性というか、たしか歳も25くらい)、仕事の覚えもいいし、てきぱきしているし、そして気が強い印象があった。

 営業事務ってさ、いや、僕も今は営業事務なんだけど、営業さんにけっこうムチャ言われたりすんじゃん。
 「悪いけどさ~これやってくれない」「え?これは営業であるあなたの仕事でしょ?」みたいなことを。
 僕あたりだと、けっこう社歴が長いほうなので態度もでかく、「悪いけどさ~これ…」「だが断るッ!」とまではいかなくても「いや、つーか、今回だけやるけど次はもうやらんからな」と、微妙にやる程度なんですが。

 入って何ヶ月くらいだと、もちろんそんな強気にはなれなさそうなもんだけど、この女性はきっぱりと「できないものはできないですし、そもそもそれってこっちに依頼すること自体おかしいですよ」と、きっぱり言い切るタイプ。

 昨日の夜、上司の女性に「あのコ、だいじょうぶなんですかね~?」と話しかけると「明日も来ないかもしれないから、わたし明日来るわ」と言う。
 (この上司のひともすんごい働くんだよね~。明るくてかわいいひとなんだけど、チームリーダーになってからずっと休みを休めていない。これはこれで心配なんだけど)

 「がんばりすぎちゃうコだからね。明日、派遣の担当者が来るみたい」

 つまり、これはもう退社するかもってこと。

 今日の話に戻って。
 うどんの会話が「クリームうどんってのがあって~」「クリームうどんッ?!ちょ、なにそれ、食べてみたい」って頃。

 業者さんが「荷物が届いています」と外にある内線から連絡してきたので取りに行く。荷物取りにいくついでにタバコでも吸ってくっか~と思いつつ外に出ると、そこでその女性と派遣の担当者らしきひとにばったり会った。

 「おう!おつかれ~」といつもどおり声をかける。(←他人の心の機微に気がつかない男ふう)

 そのとき見たものが、やー、なんかねー、すごい切ないというか、なんだかとても苦しいわ。

 二日前、他の女性から「ちょっと前から少し表情がおかしくなってて」と聞いて。「どんなふうに?」「夕方くらいになると目が」「目が?(誰が目が細いだって?謝れ!よね3に)」

 みんな少し大げさすぎなんじゃあない?俺は全然気がつかなかったぞ。と思っていた。

 で、派遣会社のひとと一緒にきたそのコに「おう!おつかれ」と気軽に声をかけたときに、そのコの表情が、もうね、「すみませんすみませんすみません休んでてすみません」みたいにギュと目をつぶってブルブルしている。

 大げさに考えないどころか、気がついてあげられなかったのは僕(僕ら)なんじゃあないか。
 こうなるまえになにか方法があったんじゃあないか?って、こっちも沈み込んでしまうほどに、キツイ表情でした。

 なんだろ?
 今にも僕が「なんで休んでたのさ?なんであの仕事やってないのさ?」って問い詰めて、攻めてくるのを頭の中で想像していて、それに対して頭を抱えて「ごめんなさい」って言いそうな表情。

 なんも、いいのに、だいじょうぶなのに。別にみんなに迷惑なんかかけてないってば。

 いろんな仕事を覚えるのが楽しそうで、僕も仕事を教えていたんだけど、このコ本当はそれどころじゃあなくて、それに僕は全然気がつかなかったのかなと。

 今日来たのは、仕事の引継ぎのため。
 仕事の内容そのものは、ここ何ヶ月くらいのものだから「このファイルはここにあって、これをいつも使って」くらいのものだったようだけど、それを上司に話している間も、このコずっと顔をあげない。

 うちの会社は、営業職としてやってくる派遣社員がとても多くて。
 最近は傾向としてあまりなくなってきたけれど、やってきたけど仕事についていけなくてすぐに辞めてしまったり、数字とれなくて辞めさせられたり、他にも理由はあるのだろうけど、気がつくといなくなっているケースが多い。

 そりゃあ仕事はキツイ。でもそれは、どんな仕事でもキツイ。
 辞めても、次のところで長く続けられたり、さらなる高みを目指したり、本当にやりたいことをやったり、いろんな道があるんだろうけど、フェードアウト的にいなくなることには「甘えてんじゃあねーよ」と思う。中途半端にいなくなることで、残った人間たちにどんだけの迷惑かけてんのかわかってんのか?わかろうとする気持ちがないから、自分勝手なことができるんだろうがよ~、と。

 思うけど、それは相手が男の場合ね。これが女性の場合には、なんつーか、こたえる。

 しかも、やる気も将来もある女のコだと余計に。
 もともと少し精神的に挫けていて、それが癒されないままにこの会社にやってきていたらしいんだけどね、他のひとの話を総合したところ。

 21時頃、みんな帰って、「そろそろ帰りますか」と上司と二人でタバコを吸っていて。
 「今日なに食べるの?」
 「お昼遅めだったからお腹空いてないんですよねー。…セブンでおでんでも買うカンジですね」
 「おでんいいね。わたしもおでんにしようかな」

 飲みに誘おうかなと考えた。飲みたい気分だったし。

 でも今夜飲みに行ってたら、最初の三杯くらいは「だから、おでんにはやっぱからしですって!ゆず胡椒なんて邪道です!」とかテキトーな話をしそうだけど、五杯目あたりから、たぶん俺は今日辞めた女性の話をしちゃって、たぶん暗くなったね。
 なんか自分にできることなかったのか?って。

 なにもできないだろうし、なにもいえないのだろうけど、それでも考えてしまうね。