はるかに遠い夢

沢田研二さんにロ・メロメロ。
ジュリーの事を考えると頭の中がお花畑。
その花を押し花にしたいなぁなんて…

「大阪物語」

2012年04月08日 | ジュリー 映画
相変わらずの私感ですが、これまで出演された映画の中で演技者としてもっとも充実されているのが、この「大阪物語」(1999年)だと思います。

漫才師としても男としても、
こんなはずじゃなかったという焦りと、こんなもんかという諦め。
その生き方としての悩みの一方で、日々の生活におけるオトコとしてのいい加減さとずるさを、非常に自然に演じていらっしゃいます。


りゅう介(@ジュリー)のキャラは、小染さんのような破滅的生き方をされた落語家や漫才師の方たちをイメージされたそうですが(私は子供のころ香川県に住んでいたので夕方はいつも吉本の番組を観ていました。小染さんも好きだったので亡くなった時は驚きました)、りゅう介の場合はそこまで破滅的というよりは逃避かな。

作品としてもよく出来ているとは思いますが、マニアの欲目かもしれませんがもう少しりゅう介を掘り下げていたらもっと面白くなったと思うんですよね~
中盤、りゅう介が失踪してから出番がほとんどなくなるのですが、
若菜(りゅう介の娘で本作の主人公)の弟の一郎とのエピソード
(最初に夫婦の布団に子供達が入ってくるところとか、ステテコ姿のりゅう介が家の前の道で会った一郎を抱っこしようよ身構えるところとか、とってもいいシーンなので)や、
子供を作った若い浮気相手との絡みも欲しかった
(りゅう介にとっても、愛するはる美(@裕子さん)と結果的に別れた程の相手だし、彼女の方は最後のお葬式のシーンを見ても本気でりゅう介を愛していたんだと思います)。

私が一番好きなシーンは、クリスマスに元妻と子供二人と新しい妻と生まれたばかりの娘と近所の友達まで一緒になって元妻の家でパーティーを開き、りゅう介は当然のように家長として何の違和感もなく構えていて
「えぇクリスマスやな」
と、誰に言うともなくつぶやくところ。
も~まさに“憎み切れないろくでなし”ですね


監督の市川 準さんはジュリーと同い年の方でしたが2008年に亡くなられました。
もう一本、還暦も過ぎた夫婦としてのお二人の映画を観てみたいです。
市川監督ならジュリーもOKされたのではないかと思うと、本当に残念です。

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