はるかに遠い夢

沢田研二さんにロ・メロメロ。
ジュリーの事を考えると頭の中がお花畑。
その花を押し花にしたいなぁなんて…

炎の肖像

2014年01月11日 | ジュリー 映画
NIKKATSU COLLECTION 炎の肖像 [DVD]
クリエーター情報なし
Happinet(SB)(D)


や~っと、お正月LIVEのチケットがご到着なさいました
チケットに書かれた「ひとりぼっちのバラード」の文字を見ると、いよいよだなぁと実感がわいてきます

ところで、なぜ突然タイトルが「炎の肖像」かと申しますと、先日来ジュリーの20代の頃のコンサートパンフ等を何冊か見せていただく機会がありました(Wさんのお蔭です。ありがとうございます)。
掲載されているコメントは、当然ジュリーファンに向けて書かれた内容なのでジュリー礼賛に尽き、それはそれで楽しく読みましたが、中にとても素敵な文章が「炎の肖像」のパンフレットにあったのでご紹介させていただきます

「炎の肖像(1974)」はご存じの通り、藤田 敏八監督と加藤 彰監督の共同監督作品ですが、その藤田監督のコメントより。

----------------------------
 華やかなステージと、スキャンダラスな私生活――沢田研二の全てを、一本の映画にしようと言う企画が出た。
あんなタイプの人で、映画が出来るのかと思った――今ふり返ってみると、恥かしながら、沢田研二で次から次へと何本でも撮れそうな気がする、現金なもんだ。
人間誰でも、裏があり表があり、さらに深い奥があろうと言うモノ……。
 タイトルが決った―炎の肖像―かっこいい奴が、かっこいい服着てかっこ良く歌う、おまけに肖像まで描かせんのか、ふざけんじゃねえといきまいたが、とんでもないこれが真面目な話……。
ステージを観た。食わず嫌いの四十男が、2時間余の騒音の中で、ふーむと唸った――
「こりゃ、テレビの画面には入り切れねぇ代物、演歌もシビれるがロックだって悪くねぇ」
カメラが回った。沢田が小さなトチリの後に、チラッと舌を出し、つまみ喰いでも見付かった様に、目をくりくりと動かした。
群衆の前で、「俺はジュリーやで!」とふんぞり返る芝居があった――精一杯照れを抑えて群衆に演説をぶったが、その頬が見る見る内に桜色に染まった。
いい奴なんだな沢田研二、カメラがとめどなく回り続けた。

公演(オン・ステージ)を撮った。

全くカメラを意識しない沢田研二がいた。
プロ根性に据った眼があった。
ナルシズムにとろけた眼があった。
4時間を越えるフィルムが積まれた――映画が出来た……。
終って思った。俺もかなりのナルシスト。
----------------------------

魅力的な描写は、当時26歳のジュリーの姿でも想像出来ますが、今のジュリーもあの頃のままの様な気がします
「カタクリ家の幸福」のメイキングでも、ふざけた後ペロッと舌を出していた場面がありました

藤田監督とはその後、1988年に「リボルバー」でも一緒にお仕事をされていて、藤田監督の監督作品としては遺作となりました。(藤田監督は役者さんとしてもご活躍された方で、「ツィゴイネルワイゼン」では独特の佇まいが印象的でした)
「リボルバー」も私は結構好きな作品ですね。
開き直ったようなジュリーが、作品のキャラクターと上手くリンクしていた。
日本で、それも車ではなく列車や船を利用してのロードムービーって珍しいと思いますが、それぞれの人間関係と街の移動に必然性が感じられました。

「炎の肖像」については以前も感想を書いていて、全くもって大したものではありませんがよろしければこちらをどうぞ

この時も触れていますが、やっぱりエンディングの“I who have nothing”が素晴らしい
正直、ジュリーに夢中になって割とすぐにこの映画を観た時は、「映画の終わりなのに地味な歌を持って来てるなぁ」と考えてしまいましたが、今となっては若干26歳で、英語を母国語としない人間がここまでこの歌を歌いこなせるって、今後有り得ないのではないかと思ってしまう

これこそ、藤田監督が感じだ「テレビの画面には入り切れねぇ代物」。
ジュリーのライブを観たことのない人にジュリーという人物を知ってもらうためには、監督としてここは絶対外せなかったのではないでしょうか。

ジュリーのお若いころのライブ映像はフィルムコンサートも頻繁にあったのですから、きっとオフィシャルで残っているんですよね
何とか商品化される等、拝見できる機会があることを望んでやみません

最新の画像もっと見る