「ぐるくん」のひとりごと

大好きな海のこと、沖縄のこと。 また今関心を持っている韓国語の学習、韓ドラ・レビューなど気ままな雑記

<679>もう一つの島(領土)問題

2008年07月02日 | 韓国・韓国語
 昨日の『朝鮮日報』に≫またしても待ったをかけられた「離於島の日」≪と言う
記事があった。

 
 ≫済州島民の理想郷「離於島」をたたえるために済州道議会常任委員会が通過させた「離於島の日」指定条例案が、本会議で待ったをかけられた。≪

 この記事の一文から生じる様々な疑問・・・

 済州島(チェジュド)の島民が理想郷と称える「離於島」≪って?

 リサーチすると、この「離於島」と言う島は実在した。

 でもって、そこは、日韓におけり「竹島vs独島」並みの領土問題を象徴している島だった・・・


 「離於島(イオド)」は、東シナ海沖合の北緯32度07分22.63度、東経125度10分56.81秒の位置に存在する島と言うよりは暗礁。

 中国と韓国が共同管理している排他的経済水域(EEZ)内に位置している。

 


 韓国は、この暗礁を「離於島(이어도/イオド)、波浪島(파랑도/パランド)と呼んでいる。

 かたや中国では、蘇岩礁(苏岩礁)と呼称し、干潮時にもその岩頂は海面下4.6mの海中にあって、海上に姿を現す事さえないから島ではないとしている。


 韓国は、この暗礁を自国の島であり済州特別自治道西帰浦市に属すると、その領有を主張している。

「国連海洋法条約が発効した翌年の1995年から2001年にかけて、中国政府の抗議を無視し、海上に『海洋調査施設/海洋総合科学基地』を建設し2003年に完成している。

 

 この事に対し、中国政府は、中国側の大陸棚の延びるこの水域において韓国との間でEEZの確定をしておらず、中国側の大陸棚に位置する蘇岩礁への韓国の一方的な領有権主張や建造物の建設に強く抗議し、近年から航空機を使った監視活動も行っているそうだ。

 2006年9月、中国外務省の秦剛報道官は「蘇岩礁は、国際法上島ではなく東中国海北部の水面下にある暗礁である。」とし、「東中国海北部海域の暗礁地帯であるこの海域をめぐって韓国との領土紛争は存在しない。」と韓国側の一方的な行動に対し、「全く法律的効力がない。」事を主張した。

 現在この水域は、両国間で暫定経済水域を敷いており、EEZの確定交渉を続けている。

 国連海洋法条約では、海面下の岩礁(暗礁)は、領土として認められていない。

 なので基本的には、両国の中間線がEEZの限界となると言う。

 この原則からすると、韓国のEEZ内である海域での人工的建造物の設置は、認められるそうだ。

 だが、その建造物に対しての領海やEEZの設定できない事になっている。

 


 そもそも「離於島の日条例」と言うのは、歴史をさかのぼる事1952年。

 時の大統領、李承晩(イ・スンマン)ssiが、韓国周辺海域に対する主権宣言を国務会議で議決し、官報に掲載(国務院公示第14号)した1月18日を記念日と定めた事に由来している。

 今回、済州道議会において、6月24日に農水畜・知識産業委員会が「離於島の日条例案」を可決し、30日に臨時本会議が行われた。

 しかし、本会議には、この条例案は上程されなかった。

 これにより、昨年6月に初めて発議され立法予告まで行われたこの条例の制定は、今年3月に所管常任委で1度処理が留保されたのに続き、本会議の門前で再び挫折する事となったと記事にある。


 道議会では、「条例制定を放棄したのではない」とするものの、実際「離於島の日」が指定されれば、中国との外交的摩擦などが懸念されるため、条例制定を留保するよう道議会に対し、外交通商部や済州道が動いたのだろう。


 「離於島は我が領土なり!!」論法の「海洋科学基地」レポートが興味深いw

 ≫済州空港からヘリコプターで1時間20分。
 まさにここが韓国の海の最南端、離於島海洋科学基地だ。
 離於島海洋科学基地は大海のまっただ中にぽつんと浮かぶ「人工島」だ。
 3階建て、重さ2,200トン、高さ36.5メートルの構造物が、1600トン余りの鋼鉄の柱4本に支えられている。
 柱は水深41メートルの海底に根を下ろし、水面下に隠れた部分まで合わせれば77.5メートルの高さになる。
 これは30階建のアパートに相当する高さだ。
 1995年に基地建設の企画が始まり、総計212億ウォン(約26億円)と8年の歳月を費やして2003年に完成した。

 ヘリポートから下に降りると住居施設がある。
 会議室、2段ベッドが置かれた部屋。
 水洗式トイレ、台所と食堂。
 離於島基地は無人で人工衛星(ムグンファ2号)を通じた遠隔操作で完璧に作動するが、基地の保守と海洋探査などの目的で、最大8人が2週間程度宿泊できる施設を備えている。

 電力は太陽光と風力発電を活用して自給している。
 水は雨水を集め、ろ過して使う。
 外部からの侵入者があれば、人工衛星を通じて直ちに報告され、報告を受けた後、海洋警察のヘリが直ちに出動し、侵入者を撃退するシステム。

 計44種108個の観測装備のおかげで、離於島基地は世界的な海洋科学観測所の役割を果たしている。
 気温、風、湿度、水温、塩分濃度、潮流などの周辺海域の海洋情報に加え、黄砂をはじめとする大気汚染物質の移動や地球温暖化に代表される全世界的な環境問題に関する資料など、計数百種類の資料を収集している。
 特に、離於島基地で収集された台風情報は、台風の強さや進路、被害規模などを正確に予想する上で欠かせない資料だ。
 自動的に収集された情報は、10分ごとに人工衛星を通じて海洋研究院や気象庁、海洋警察庁などに送られる。

 また、離於島付近を航行する年間25万隻の船舶や漁船にとって、離於島基地は灯台の役割も果たしている。

 基地から北側の海を眺めると、まるで巨大な斑点のようにひときわ青みがかった部分が見えた。
 国立海洋調査院のキム・オクス書記官は「あそこが一時期は“伝説の島”と呼ばれ、現在では韓中間の海洋領土競争の最前線になっている水中の島“離於島”だ」と教えてくれた。
 水面下4.6メートルに潜む暗礁であるため、波の静かな日には見えないが、波の高さが5メートルから6メートルに達する日には岩が水面上に現れて見えると言う。

 現在、離於島は韓中共同管理水域に含まれた公海上に位置している。
 しかし、韓中排他的経済水域(EEZ)交渉がまとまれば、当然韓国側に属すると言う点に関して議論の余地はない。
 国立海洋調査院の鄭有燮(チョン・ユソプ)院長は「離於島は馬羅島から149キロ、中国の童島からは247キロ、日本の鳥島から276キロ離れた場所にある。国際法上の慣例に従えば、当然韓国のEEZに入っている」と主張した。
 EEZの起点は人の住む領土を基準とすべきなのに、中国の童島は事実上無人島だ。
 中国がいくら詭弁をろうしても、離於島は韓国側に属すると判断するのが正しい。≪

 いやぁ~、おもしろい!!

 竹島問題とは全く違う切り口で、「我が領土」主張しているのね~w



 済州島周辺にある離島には、『チャングム』にも出てきた流刑地「牛島(ウド)」 ・兎島(トッキソム)・『春の日』の舞台となった飛揚島(ピヤンド)・遮帰島(チャギド)・楸子島(チュジャド)・馬羅島(マラド)・チギ島(チギド)・加波島(カパド)・兄弟島(ヒョンジェド)・蚊島(ムンソム)・ソップ島(ソップソム)・虎島(ボムソム)などが点在し、釣りやダイビングのスポットとなっているようだ。
 
 しばらく、グーグル・アースで遊べそうだw
 

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