宝満山研究会(山岳宗教遺跡の保全と研究)

大宰府の北東に聳える宝満山の歴史的価値を掘り起こし、山の保全を考える会です。

菅原道真公と宝満山

2008-02-10 | Weblog
会友である森弘子さんの近年の御著作に
太宰府天満宮の機関誌『とびうめ』に連載中の
「神々の風景」がある。
本年1月1日号には「東山の雪」と題された論考が掲載されている。

東山小雪
雪白初冬晩
山青反照前
誤雲独宿礀
疑鶴未帰田
 
不放行看賞
無端坐望憐
客魂易消滅
遇境独依然

(初冬の夕暮れ
雲は白く浮かび
落日に映えて
山は青く浮かぶ
雪は白雲が谷間にたむろしているかとも
田に帰る鶴が群がっているかとも見える
初冬なれど逍遥して賞でもせず
端座して望みしみじみ賞しもせず
異郷のわが魂は滅入りがちで
美景に遭うも浮き立つこともない)


延喜元年(901)の冬に道真公が
大宰府での官舎であった府南館で詠んだ詩が紹介される。
この詩にある「東山」が宝満である。
現存する詩歌でもっとも古い宝満の記述とされる。
「東山」との表現は
道真公にとっては平安京での東山から
比叡山を重ねての風景だったのでは、
とされている。
比叡山と道真公は少なからぬ縁があるようだ。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。