かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男『泡宇宙の蛙』の鑑賞  55,56

2022-04-17 11:21:25 | 短歌の鑑賞

  渡辺松男研究2の8(2018年1月実施)『泡宇宙の蛙』(1999年)
    【百年】P40~
     参加者:泉真帆、T・S、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
     レポーター:泉真帆    司会と記録:鹿取未放
     

55 松の根が岩を溶かしているあいだ日輪まわる巨の風車

      (まとめ)
 長い長い時間をかけて松の根が堅い岩に侵入してゆく。その間、太陽は巨きな風車として周り続けている。100年、200年、500年……1000年、そういう長い時間を詠んでる。(鹿取)


56 飛び立ちたき杉強烈に尖れるを大地の揺るるたびに根は張る

        (当日発言)
★尖るとは天に向かって真っ直ぐに伸びてゆくこと。(真帆)
★あけぼのすぎなどは先が尖って円錐形をしていますが、その方が空に向かって飛びたちやすいと
 いう発想なのでしょう。「大地の揺るる」は地震かなあと思いましたが、地震の度に根の方は端の意
 志に反して、安定しようと更に強く根を張っていく。(鹿取)。

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