かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男の一首鑑賞 374

2021-12-16 18:24:10 | 短歌の鑑賞
  渡辺松男研究45(2017年1月実施)『寒気氾濫』(1997年)
    【冬桜】P151~
     参加者:泉真帆、M・S、鈴木良明、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
     レポーター:泉 真帆    司会と記録:鹿取 未放


374 永遠に会いえざること 冬の日はなかば寂しくなかば浄たり

      (レポート)
 「永遠に会いえざること」これは何だろう。私はこういう意味かと考えてみた。自己とはあるいは他者とは何か、それらはほんとうは幻なのではないか、真の自分、真の他者にいくら相見えようとしたところで土台かなわぬこと、このことは寂しくもあり、それがゆえに清らかでもある。(真帆)


  (当日発言)
★「永遠に会いえざること」とは、死後の自分とか生まれる前の自分とかに会えないと言っているのか なと思います。だから「真の自分、真の他者」と鑑賞文に書かれていることはいいと思います。
   (慧子)
★真の自己に会えないと取ると哲学的ですが、「真の自分、真の他者」に永遠に会えないことはもど
 かしいのではないでしょうか?「なかば寂しくなかば浄たり」と冬の日を捉える下句と繋がらな
 いように思えます。単純に別れてしまった恋人にもう永遠に会えないととると方が自然だし、下
 句が活きると思います。(鹿取)

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