かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 16(アフリカ)

2018-12-10 20:32:54 | 短歌の鑑賞
  馬場あき子の外国詠2(2007年11月実施)
    【阿弗利加 1サハラ】『青い夜のことば』(1999年刊)P155~
     参加者:崎尾廣子、T・S、N・T、藤本満須子、渡部慧子、鹿取未放
     レポーター:崎尾 廣子 司会とまとめ:鹿取 未放
 

16 ベルベル族の少年は砂漠に手を広げ友よと言ひてなよるならずや

(まとめ)
 「なよる」は広辞苑に「なれてよる。親しくなって近寄る」と出ている。ここでは親しそうに寄ってくる、くらいの意味だろう。「や」は疑問か。「砂漠に手を広げ友よと言ひて」寄ってくるのは親切料を貰うためだということが次の歌「料金のありてそれだけの友情を買ふことも砂を行き愛(かな)しうす」で分かる。それが彼等にとって生きていく術なのだが、少年は何歳くらいなのだろう、そのあどけなさを思うとあわれである。(鹿取)


(レポート)(崎尾)
  *ベルベル人:北アフリカのチュニジア、アルジェリア、モロッコ地方の原住民。ハム語系。
         ネグロ・セムの血も混じる

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 馬場あき子の外国詠 15(... | トップ | 馬場あき子の外国詠 17(... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

短歌の鑑賞」カテゴリの最新記事