かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 31 アフリカ③

2023-07-30 12:11:48 | 短歌の鑑賞
 2023年度版馬場あき子の外国詠4(2008年1月)
  【阿弗利加2 金いろのばつた】『青い夜のことば』(1999年刊)P162~
  参加者:K・I、N・I、崎尾廣子、T・S、高村典子、藤本満須子、
      T・H、渡部慧子、鹿取未放
  レポーター:渡部慧子 司会とまとめ:鹿取 未放
       
 
31 観光として生き残る水売りの老爺鈴振る真赤(まつか)なる服

      (まとめ)
 真赤な服は民族衣装だろう。おそらくかつて実用として水が売られていた時から着用していたのだろう。観光としてのあざとさがいくらかは気にかかりながら、作者にはそういう風俗を伝えつづけてほしい気持ちもあるのではないか。
 レポーターが引いている水牛の歌は、この歌にはあまり関連しないが、馬場あき子歌集『南島』に載る。沖縄の先島七島を巡った旅の歌で、由布島での体験がもとになっているようだ。沖縄の小さな島で戦争を越え、老いて更に生き続ける人の労苦がいかばかりだったか、直接問うことはしないで思いやっている、重くしみじみとした歌である。(鹿取)


      (レポート)
 アフリカモロッコは水の少ない地であろう。そういう暮らしにつながる水売りに出会った。(慧子)
 観光の水牛の後(しり)に吾を乗せし老爺の戦後問はず思はむ 馬場あき子

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