かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 189 中国③

2023-02-19 09:24:13 | 短歌の鑑賞
  2023年度版 馬場あき子の旅の歌24(2009年12月実施)
    【向日葵の種子】『雪木』(1987年刊)124頁~
     参加者:K・I、N・I、Y・I、T・S、藤本満須子、
         T・H、渡部慧子、鹿取未放
     レポーター:T・S 司会とまとめ:鹿取 未放


189 石の船何に早きぞ朱の揀瓦積みてしづけき蘇州に下る

       (まとめ)
 石の船は現在では飾りのように運河に浮かべているらしいが、1983年当時の馬場の旅では煉瓦を積んで働いていたのだ。石の船のくせに早いので、「何に早きぞ」(どうしてこんなに早いのだろう)と驚いているのである。188番歌に「楊花散りて蘇州春逝く季に来つ濁れる運河一日下りて」とあるから、自分たちの乗る観光船からの眺めだろうか。併走したのか、もしかしたら追い抜かれたのかもしれない。快速で走る石の船に積んだ煉瓦の「朱」が鮮やかだ。(鹿取)

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