かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男の一首鑑賞  361

2021-11-22 17:31:09 | 短歌の鑑賞
  渡辺松男研究43(2016年10月実施)  『寒気氾濫』(1997年)
    【半眼】P146~
     参加者:泉真帆、M・S、鈴木良明、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
     レポーター:泉 真帆    司会と記録:鹿取 未放


361 槻・榎・椋の順序で芽吹けりと他愛なきこと吾はひとに告ぐ

    (レポート)
 「ケヤキ・エノキ・ムク」と指しながら、春の芽吹きの順を想う人に告げている場面だろう。山なのか林か森か、作者のよく知っている場で、人で言えば兄弟・姉妹か教え子など情の通いあう人のように樹々を観ている作者。自分の悦びは人に告げたくなるのだ。(真帆)


    (当日意見)
★「槻」はけやきの事ですけど、音数からいうとここは「ツキ」と読ませるのだと思います。
 「ツキ・エノキ」で5音ですから。(鹿取)
★ひとって誰ですか?(曽我)
★やはり君、恋人ではないでしょうか。(真帆)
★「他愛なきこと」って言っているけど、〈われ〉にとっては大切なことで、木々の芽吹きの順を
 楽しみながら観察していて、だから大事な人にそれを告げるのです。それこそ木の傍をただ通り
 すぎる人にはどうでもいいような事だけど。(鹿取)


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