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かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男『泡宇宙の蛙』の一首鑑賞 15

2025-04-05 09:25:03 | 短歌の鑑賞

2025年度版 渡辺松男研究2の2(2017年7月実施)
 『泡宇宙の蛙』(1999年)【蟹蝙蝠】P14~
   参加者:泉真帆、T・S、曽我亮子、A・Y、渡部慧子、鹿取未放
     レポーター:泉 真帆       司会と記録:鹿取未放          


15  釣り合えよ   今日死ぬ鳥のきょうの日と千年生きる木の千年と

             (レポート)
 「釣り合えよ」と初句切れ、一字アケの強さ。短命の鳥と、千年生きる樹木とを比較し、「釣り合えよ」と言っている。どうか生きとし生けるものの命の重さは、等しくあってくれたまえ、と詠っているのだと思う。(真帆)

 
            (当日意見)                       
★祈りですよね。涙ぐましい気がします。松男さんの思考の形がよく見える歌で、大好きな歌です。鳥の一生と樹木の一生を釣り合えと言っているのではなく、短い命を生きた鳥の最後の一日と釣り合えって言っているのですね。土地の一生というのと最期の日というのはずいぶん違うんだけど、より哀切に感じられます。(鹿取)

コメント
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