かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 296 トルコ④

2024-03-14 09:43:01 | 短歌の鑑賞
 2024年度版 馬場あき子旅の歌39(11年5月)
    【遊光】『飛種』(1996年刊)P128~
     参加者:K・I、崎尾廣子、佐々木実之、曽我亮子、H・T、鹿取未放
     レポーター:崎尾 廣子 司会とまとめ:鹿取 未放
     

296 大河のやうなトルコの歴史のかたはらにただ耕して生きしも歴史

      (まとめ)
 以前に鑑賞したいくつかの歌で気の遠くなるようなトルコの歴史を見てきた。作者はそれらの長い長い歴史と人々の営みに思いを馳せ、圧倒されている。それは「王権と宗教のむごき葛藤」の1万年であった。しかし、庶民の大多数は争いの傍らで、細々とそしてしたたかに地を耕してひたすらに生き継いだのである。そういう名もない歴史もあるのだと庶民のひとりひとりの生に思いを馳せている。(鹿取)

  
      (レポート)
 トルコは一万年を超す歴史を秘めているという。その流れの中では語られていないが、土を耕し稔りの秋をもたらしてくれた人々もまたいたのだと詠っている。あたりまえのことではあるが人は食なしには生命を保てない。歴史の流れの中でこの人々は大きな役割を果たしたのだと表現している一首であると思う。(崎尾)
コメント
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