かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 412 中欧⑧

2024-01-19 14:57:47 | 短歌の鑑賞
 2024年度版 馬場あき子の外国詠57(2012年10月実施)
    【中欧を行く カレル橋】『世紀』(2001年刊)P116~
      参加者:K・I、N・I、崎尾廣子、鈴木良明、曽我亮子、
         藤本満須子、渡部慧子、鹿取未放
     レポーター:崎尾 廣子 司会と記録:鹿取 未放

 
412 彫像に見られゐるわれは小さなる一瞬に過ぎず無視して通る

      (当日発言)
★彫像は半永久的である。露わではないが人間とのかすかな対比。(慧子)
★共感しないから無視して通るのでもないし、共感もしていますね。(鹿取)
★彫像がどこのものか特定されていないのはまあいいとして、歌のつくりがおおざっぱ
 な気がする。「小さなる一瞬」というのはどこに掛かるのだろうか。(藤本)
★「小さなる一瞬」が掛かる部分はないが、自分が通り過ぎる時間のことを言っている
 のでしょう。彫像を無視して自分が通る、その一瞬。(鹿取)
★自分の存在自体の小ささと、観光が一瞬に過ぎ去っていくことを言っている。
  (鈴木)
★作者の歌の特徴で、命のないもの、人間ではないものが自分を見ているというのがあ
 るが、これもその一つ。ほかの人でも彫像が自分を見ているとうたうことがあるかも
 しれないが、作者は「無視して通る」と自意識をたてているところが面白い。私は一
 瞬の観光者にすぎず、だから彫像と対峙することもないから無視して通っていくだけ
 だと。(鹿取)
★雑な歌い方のようにみえるが、両方を振り切っていて面白い。彫像の視線と、そこを
 通るときに作者によぎった自分は小さな一瞬の存在だという思いと、両方を振り切っ
 ている。(鈴木)
          
コメント
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