Mr.Dashのぶろぐ館

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2013年3月2日(土) 丹生山系・帝釈山、稚児ヶ墓山など4座を縦走

2013年03月10日 | 山登りの記録
神戸の北西、箕谷からさらに奥に入ったところにある丹生山系。
かねてより行ってみたかったが、あまりに地味すぎて機会を逸していた。
今回、福山から奈良に戻ってきたIS川さんが、このマイナーな
ハイキングに付き合ってくれた。
時折、小雪がちらつく、肌寒い一日となった。

コース:
丹生神社前バス停→延命地蔵分岐→丹生山(丹生神社)→帝釈山→国道428合流
→双坂池→稚児ヶ墓山→肘曲り→花折山→兵庫CC→柏尾谷→大滝口バス停
→箕谷駅



神鉄・箕谷駅で、神戸市営バスの衝原行きに乗る。



丹生神社前で下車し、石鳥居をくぐって北へ。
道標は1箇所を除き、ずっと充実している。



道の中央に鎮座する石仏に挨拶し、その次に左に出てくる車止めの坂を登る。



雑木林の中、幅広の山道には、時折、町石が立てられており、かつて、それなりの
大きな寺の参道だったことがわかる。箱木千年家への分岐は直進。





延命地蔵の分岐から、幅広の林道を外れ、石橋を叩かずに丁寧に渡る。
この先は急坂。もう一度、箱木千年家への分岐がある。



竹藪と石垣が現れると、ほどなく丹生城跡に着く。
右手が広場になっており、大きな石碑と、ここの歴史を示した説明板がある。
昔の絵巻の写真が載せられており、明要寺というかなり大規模な寺があった様子がわかる。
神仏混交していたようで、丹塗りの鳥居がある。伽藍も三重の塔も丹塗り。
さすが水銀が採れた「丹生」山だけある。



帝釈山への分岐は左の鳥居をくぐる。すぐ上が、丹生神社。
社務所の前には土俵があった。5月に子供たちの奉納相撲が催されるらしい。



階段を上がったところが丹生山の山頂。眺めはわずかしか得られない。
山頂には丹生神社の素朴な本殿が建っていた。
北側の淡河からは「たんじょう」、南側の集落からは「にう」と呼ばれて
いるそうな。

山頂を辞し、帝釈山への分岐へ戻る。この道を取り、シビレ山分岐、
南側の林道分岐、北縦走路への分岐を過ごし、丹生山系縦走路を忠実にトレースする。



帝釈山の山頂は、三角点と、主のいない石の祠が残っている。
当然、帝釈天が祀られていたのだろう。

トラロープが張ってある急坂を下りるが、昨日の雨で粘土質の路面が
ぬかるんで非常に滑りやすかった。



再び、北縦走路への分岐を過ごすと、間もなく見事な株分かれをした木を発見。
なんの木かな? 主だった植物は、一目で同定できるようになりたい。

ところで、山道に入ってしばらくのところで、1台の自転車が抜いていったが、
そいつのかどうか分からないが、その後もずっと自転車の轍がついており、
登山道が傷ついていたのは、ちょっと残念。

細い幹が異常に詰まったツバキ林を抜け、小ピークを登り返しながら進む。

やや退屈な尾根歩きが続き、国道428号線に出る。
舗装道に出るのは興がそがれるが、しばらく国道歩きとなる。



やがて国道を離れ左の舗装林道をとる。ほどなく見えてくる双坂池は、
流れ込む水があまり綺麗ではないためか、鈍い翡翠色。



池畔を少し回り込むと、稚児ヶ墓山への登山口がある。
苔むした、岩のゴロゴロしている道の途中で昼食タイム。
誰にも会わない。



だらだらと登って行けば、さしたる苦労もなく、稚児ヶ墓山のピークに着く。
三角点の埋まるピークそのものは、雑木に囲まれ地味そのもの。

ここから3分ほど先に進んだところが、稚児を弔った塚の伝説が
ある場所であり、ここからは南側の展望が開ける。



塚は質素なものだったが、ここには、なかなか悲しい伝説があるようだ。
1578年、織田信長の播磨平定の際に送られた羽柴秀吉が、別所氏を攻めた。
別所氏は、三木城を拠点にこの辺りを治めていたのだが、前述の明要寺は
別所氏の厚い加護のもとで栄えていたらしい。

明要寺は、籠城戦に追い込まれた三木城を水面下で支援していたので、
秀吉軍の狙われるところとなり、逃げる寺の稚児までも斬殺されたという。
のちに里人たちが、稚児をこの山の頂に葬った、というものらしい。
なお、これからたどる花折山は、この墓へのお供えの花を採った山だという。



南側に広がる眺めは、この日はあいにく少しガスっていたが、
淡路島と瀬戸大橋が見える。橋はほぼ一直線上に重なって見えるため、
吊り橋の優美なアーチラインは見えない角度である。
視線を右に転じると、つくはら湖の奥に、雄岡山、雌岡山が見えた。

さらに4つ目の山頂、丹生山を目指す。
途中で、「肘曲り」と書かれた標識があり、このへんをそう呼ぶのかと
思ったが、やがて尾根を90度左折し、次の分岐を右に90度折れて
沢筋に入って幅広の林道に突き当たったところが「肘曲り」であった。



新旧の標識が並んで立っているが、各ランドマークまでの距離を書いた
数字が両方で異なっているのが笑える。

「肘曲り」分岐は左へ。しばらく進み、Y型分岐を右にとる。
かなり平和な里山歩きが続き、眠くなってくるほど。



着いた花折山には、本日3つ目となる三角点があった。
踏んだ4ピークのうち3つが三角点峰とは。
ここも、なんとも地味な山頂であった。

先を進むと、ゴルフ場に出る。
舗装道を左に弓なりに回り込むあたりに、山道の分岐がある。



一旦は気づいたが、ガイド本に書かれていた「標識」がないことから
舗装道を少し先まで進んでみたが、別の分岐はなく、ここに戻ってきた。

一気に坂を下っていくが、やがて両側が切れ落ちたヤセ尾根の開けた道となる。
そのまま道なりに、左側の柏尾谷へ下り立つが、この柏尾谷、なかなかの渓谷美だ。



赤いナメが非常に美しい。部分的には、4WD車なら走れそうと思わせる
ような幅もあった。



ところどころ滝もかかっており、飽きさせない。

この先は、沢沿いにキャンプ場の設備があった。
しかし、「柏尾谷自然学校」という、一般者は利用できない教育キャンプ場
だそうで、おっさんは使わせてもらえないようだ。残念。

キャンプ場の下部にも、柏尾谷には大きな滝がある。
林道からはかなり離れるのだが、それでも滝の様子を見て取れた。
柏尾谷を遡行した記録もWEBで幾つか見たが、キャンプ場の下部は
立ち入り禁止のようで、これまた残念。

林道を下っていくと、天津彦根神社を経由し、大滝口バス停に出る。
3分前に路線バスが出てしまっていたので、バス停3つ分、
箕谷駅まで歩くことにした。おかげで、最後まで充実した歩きとなった。

同行してくれたIS川さんは、奈良県内の1000m以上のピークをハントして
いて、最近はあまり人が入らないようなピークをつぶしていっているという。
それなりに発見があるものの、かなりマイナーな今日のハイキングにも
つきあってくれて感謝である。

いろいろ調べてみると、この近辺には、他にも訪れてみたいポイントが
幾つか見つかった。丹生山系、近々、少しコースを変えて楽しみたい。

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