Danchoのお気楽Diary

高校3年間応援団だった「応援団バカ」の日記。スポーツ観戦や将棋等の趣味の他、日常感じる事を、「ゆるゆる」綴ります。

今年の『箱根駅伝』で見えたもの

2011-01-20 00:00:01 | その他スポーツ
タイムリー性は失っているけれど、今度の「ウィークエンド」に『都道府県対抗男子駅伝』があるし、ここまで書いておきながら陳腐化させるのも…と思ったので、エントリーしておく。

「秘密兵器」6区の高野…早大、鬼門の山を攻略(読売新聞) - goo ニュース

今年の『箱根駅伝』…最後まで展開が読めないという点で、見る側にとっては非常に面白かったし、だから劇的だし、感動的でもあった様に思う。

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 史上3校目の学生駅伝「3冠」に加え、総合新記録のおまけ付き。ライバルの東洋大を振り切って18年ぶりの栄冠を手にした早大の渡辺駅伝監督は「最高です。選手たちに感謝したい」と声を詰まらせた。

 往路を終えて首位・東洋大との差は27秒。指揮官には、逆転の道筋が明確に見えていたはずだ。

 出だしの6区、高野(4年)が区間2位の力走で、反撃の口火を切る。9キロ手前で東洋大に追い付き、18キロ過ぎで振り切り首位に。36秒差をつけて7区につなぐ。勢いそのままに早大は、最後までトップを譲らなかった。

 ここ数年、早大の「鬼門」だった山を攻略したのが勝因だ。

 6区の高野は、山下り専門として練習を積んだ「秘密兵器」。初の箱根で、逆転の立役者となり、「先頭でたすきを運ぶのが自分の仕事だから」と胸を張った。

 山登りの5区には、3人の候補を養成。第1候補が故障欠場したが、代役の猪俣(4年)が粘りの走りで東洋大・柏原との差を最小限に抑えた。

 就任して7年目、優勝候補に挙げられながら、ライバルに苦杯をなめさせられてきた渡辺監督。「東洋や駒沢より練習をさせて、自信を持ってスタートラインに立とう」と、大会前に20キロを超える練習を10回も行い、選手の精神面を鍛えた。勝負所の15キロ過ぎからでも粘る走力も蓄えさせた成果で、最後のアンカー対決で東洋大を突き放した。

 10月の出雲、11月の全日本を制しても、胴上げは封印していた。公言通りに3冠を達成し、胴上げのために10キロ以上減量した渡辺監督が宙を舞った。入念な準備をし完璧なシナリオを描いた指揮官と、それを信じて着実に力を発揮した選手たちは、3試合分の喜びを爆発させた。

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結局、大会史上最も「差」がない秒差で、早稲田大学が東洋大学を復路で逆転し、総合優勝した。

異論・反論もあると思うが、私なりに分析してみたことを書きたいと思う。


早稲田大学の優勝は、今年に限って言えば、「選手層の厚さ」がものを言ったと思っている。
「総合力で勝った」という事であり、全体の「底上げ」に成功した渡辺監督の采配が見事だったと思う。
伊勢路を走る『全日本大学駅伝』で勝っても、ここを勝つまで「気持ちを切らない」マインドコントロールも、その一助にはなっていると見ている。
あそこで「勝った。万歳。」では、『箱根駅伝』での逆転&秒差逃げ切りは達成できなかった。そこで「一喜一憂」しなかったのが良かったと思う。

本番と見据えた『箱根駅伝』で、渡辺監督曰く「飛車角」の志方&佐々木の両選手を故障で欠き、モチベーションを保つのが難しい状況で、敢えて4年生主体のチーム構成にして、その4年生達が「流れ」を作った。
いわゆる「ハンカチ王子」世代であるが、野球部だけでなく、競走部も「何か持っていた」のだろう。

その4年生の中で、最も頑張ったのは、5区の猪俣選手と、6区の高野選手であろう。

ところで、早稲田大学は、『箱根駅伝』で崩れる時は、必ずと言って良いほど、5区の「山登り」と、6区の「山下り」でブレーキがあった。

実は、ここが「重要ポイント」だと、私は見ていた。

早稲田大学の「最大の敵」は、東洋大学の柏原選手ではなく、実は、この「コース」そのものだ。

その、「最大の敵」を攻略する選手として、猪俣&高野の両選手の起用が的中したし、それに両選手が応えた事によって、復路の逆転&秒差逃げ切りの総合優勝が転がったのだ。

猪俣選手の「登り」の「我慢」と、「平坦~下り」の「ギアチェンジ」が完全に流れを作ったと言える。
その流れに乗じて、同期の高野選手が最初から攻めて、山を「下りきった」ところで底力を発揮した。あの「大きなスリップ転倒」があったにも拘らずだ。

これを見て、復路の3年生以下の選手が「燃えない」訳はない。いや、「燃えない」なら嘘だ。

そう、6区終了時点で「勝負は決した」と断じても良いとさえ、私は思っている。
7区以降の3年生が「燃えた」から、逃げ切れたのだろう。

では、東洋大学が、秒差で負けたのは何故か…。

結論から言うと、『箱根駅伝』が「極めて特殊」だからだろう。

そう、「東京六大学」が「極めて特殊」であるのと、私はクオリティーが非常に似ていると見ている。

実業団も含めて、2日制の、しかも、「山を登り、下る」という類の駅伝は、実は「皆無」である。

では、『箱根駅伝』が、仮に、日本で行われる他の駅伝と、コース形態に変わりがなかったとしたら…早稲田大学の「圧勝」で終わっていたと見る。

何が言いたいのか…。

あれだけ騒がれている、東洋大学の柏原選手は、冷静に見ると、実は「スーパースター」ではないからだ。

もっと言えば、柏原選手は、「上りに対する能力が、他の選手とは比較にならないほど高すぎる」一方で、それを相殺するが如く「平坦~下りでは、全く走れない」から(実際、柏原選手自ら予防線を張る様に「下りは苦手」と語っている)、結局トータルでは「そんなに凄い選手ではない」ということになってしまっているのだ。

そう、『箱根駅伝』が「極めて特殊」なら、柏原選手も「極めて特殊」の選手で、この駅伝があるから、スターになっただけのことなのだ。

それが、先の『全日本大学駅伝』での平凡な走破タイムにも表れ、もっと遡れば、1月の『都道府県対抗男子駅伝』で、今回の『箱根駅伝』で、MVPに当たる賞を受賞した、東海大学の村沢選手に、実にあっさりと負けている点からも明らかだ。

今回の『箱根駅伝』でも、前を行く早稲田大学の猪俣選手を「上り」で交わせたものの、最高点に達してからフィニッシュまでの「平坦~下り」では、猪俣選手に逆に差を詰められていた点でも、その見方は間違っていないと信じる。往路の「27秒差」は、逆に早稲田大学に「勝利を確信させる差」にしか過ぎなかったのだろう。

この辺の「仮説」を「定説」にする意味でも、今年の『都道府県対抗男子駅伝』での、柏原選手の走りには注目するつもりである。
ここで確認したが、福島県の3区にエントリーされていた。村沢選手も、長野県の3区だから、再び直接対決が見られる。)

したがって、東洋大学が昨年までの2年間「大差」で勝っていたのは、実は「特殊なコース」にピッタリ合う「特殊な選手」がいたからで、実はタイムほど他のチームとの「差」はないのだ。

そう考えると、今回の「秒差負け」は、実は「大差負け」であると言え、だから早稲田大学の「圧勝」に終わったと見ることができるのだ。
まともに「選手層の厚さと薄さ」の差が出た…ということだろう。

しかし、早稲田大学と東洋大学との差が、上記の分析の見解でついた差であるとしても、少し前に比べたら、大学(チーム)格差が非常に縮まったのが明らかとなった大会であった事も確かだろう。
あんなに熾烈なシード権争いも見たことがないし、優勝タイムから最下位タイムの差も、思ったほどついていない。
それだけ、強い選手が「分散化」し、各大学とも有する選手の能力の「底上げ」がなされている結果で、それが往路と、総合タイムの新記録に繋がっていると思われる。高いレベルでの総合優勝争いに来年以降もなるのではないだろうか。
「時代」に乗り遅れた結果として、最下位に沈んだ、「名門」とも言える日本大学は、「強化策」を根本から見直す必要があろう。


いずれにしても、チーム格差が殆どない状況となり、色々なものが見えた今年の『箱根駅伝』。

来年も、新たなものが「発見」できれば、今年以上の劇的、そして感動的な決着を見ることができるかもしれない。

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2 Comments

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Unknown (h)
2011-01-20 00:18:52
あんた馬鹿じゃないの。全てのチームが同じ条件で競っているのだから、特殊な選手・特殊なコースなどというのは全く馬鹿げています。どんなスポーツどんな大会も、その性質に応じた勝敗が大切なのであって、本当は大差なんてありえないでしょう。そのスポーツその大会に勝つように選手を鍛え育てたチームが勝者なのです。本当はなどということは絶対にありえません。箱根が特殊などと言うことはありません。昔から山登り山下りがあって、それに適応したチームが勝ってきたのです。
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hさんへ。 (Dancho)
2011-01-20 19:43:34
hさん、批判コメントありがとうございます。

まぁ、こういう異論・反論あるだろうなぁと思っていました。

「たら・れば」とか、「実は…」は良くないですよね。そこは反省します。

まぁ、こんな馬鹿が書くマイナーサイトで良ければ、またどうぞ。

では。
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